片7 ─ 刹那のキズナ ─
───ここは名前を失くした惑星。
キラキラとした、ブルーのラメ色波打つ砂浜。
『海』と呼ばれる大きな水たまりのそば。
私はお山座りしながら、海を眺めていた。
波打つたびにキラキラと輝く海。
…初めて見るのに、遠い昔に眺めたことあるような。
そんな、懐かしい気持ちに浸っていた、時。
───こんにちは。
さくっと、砂を踏む足音がして。
私は、その方に振り向いた。
そこには、人間の男が立っていた。
…まだ、人間って絶滅してなかったんだと思ったのと同時に。
…どっくん。
私の胸が、響いた。
私は、何かを…誰かを探しに、星を転々としていた。
そして─…見つけた。
私の…カタワレ。
「…見つけた、もう一人の僕のカタワレ」
彼もまた、私のことを探していたのか。
そう言って、彼はやさしく微笑んだ。
そっ…と。
私は、彼の左胸に手を当てる。
どくん…どくん…
彼の胸を打つ、鼓動。
私と同じ速度で揺れる、心臓。
共鳴、する……
私は彼の胸に飛び込む。
頬を、透明な雫で濡らしながら。
ブルーのラメ色波打つ、海辺。
私はやっと…カタワレを見つけた。
幾千、幾万、幾億の時を超えて…
今また…
私と彼は本当の姿に…
本当の形に…
なる…