中間番外編
完璧な番外編です。設定公表等した事がないので、おかしな箇所もあるかもしれません。
お気付きの際はお知らせを。
第二部中盤の番外編兼解説編。
今回も一部の『カクリの考察』みたく、カクリに立ってもらおうかと思いましたが、ちょっと今の彼女は空気……というか出番がないのに番外編だけ語り部を張るっていうのもあれなので、今回は完璧に番外編。
外から見て『黒鉄色のノクターン』について解説します。
後、やたら長い人物紹介もあります。もう長くなるのは分かっているから、ここで書いてしまいます。雪代雅。
1・時系列。
黒鉄色のノクターンが本編ではありますが、時系列的には『マークオブブラックメタル』→『黒鉄色のシンフォニア』→『ノクターン』の順だったりします。
それを、伏線やらまだ出てきていない箇所やらをぼかして、時系列順に並べてみました。
なお、これらは初期に決めてあったプロットのままなので、ノクターンを書いている内に変わっちゃった部分もあるかもしれません。
気付いたら……流して下さい。
七年前……某国の軍高官にまで上りつめた人の変種・『リシャール・ベルナンド』が革命を起こし、優れた才覚を持つ変種を率いて、世界の中心的存在であった大国の政権を崩壊させ、実権を掌握。
以後『総統』を自称し、大国であった自国を完全に掌握すべく、軍拡を進める。
『アカツキ』が無銘を結成。
六年前……リシャールの起こした革命により、世界経済の低迷、及び景気が低下。大国の目がなくなった事による紛争が勃発。
日本でも景気の低下と世界情勢の不安から、人の変種に対する蔑視と差別が人の既存種の中で広がっていく。
特に関東地方、東北地方ではその傾向が強く、二地方のあちこちで変種と既存種の小競り合いが日常化。
既存種と変種それぞれに別れて、様々な勢力が産まれる。
そんな中、関東地方では若い変種三人を中心とした『道』と呼ばれる変種のグループが台頭する。
道の中心の一人が港湾区の一帯を壊滅させる(灰色の道の目覚め)。
その報告を受けて、国は変種……中でも純正種と呼ばれる変種に対する危機感により、国を守る為だけの専守防衛の軍隊から、積極的自衛の為の軍隊へと国の防衛部隊の在り方を変える法案が成立(国軍と呼ばれる)。
そして強力な純正種が何人も所属する『道』の壊滅作戦を決行(第一次危険変種掃討作戦)。
しかし逆に国軍は壊滅的打撃を受け、首都圏の港湾部から撤退を余儀なくされる。
道に純正種である『言霊』が加入する。
道の中心人物となった灰色の道が新皇と呼ばれ始め、本格的な関東革命軍としての活動を開始。
港湾部から周辺地域へと行軍を開始。
港湾部奪回の為に出てきた国軍と激戦を繰り広げ、再度撃破する(第二次危険変種掃討作戦)。
国会議事堂前で、総力を結集した国軍と革命軍が首都の制圧を巡ってぶつかり合う(第三次危険変種掃討作戦)。
しかし、数師団もの勢力を投入した国軍は、道のメンバーの少女一人に七割方の勢力を削られ敗走する。
首都圏内の国軍は北陸、東北地方の基地へと援護を要請。その援軍は途中、灰色の皇と濃紺の皇に撃退され、首都圏内の国軍は完全に孤立。
革命軍との間に屈辱的な和睦を結んだ末に、首都圏内から要人や国軍を撤退させる。
この争いにより、首都圏は完全に革命軍の勢力圏内に収まる。
道の時代から革命軍に所属していた芝浦尋が関東から抜ける。
後の白銀の皇、東北の始祖となりえた少女、スズカが革命軍に合流。
灰色の皇の妹分たるスズカが、北陸からの偵察部隊である変種ばかりの実験部隊とぶつかり合い、これを撃退する(スズカと後の北陸の皇、長尾まりあの邂逅)。
この件によりスズカの実力は知られ、言霊の皇と毒の皇の推挙を得て、スズカは革命軍に加入。革命軍の第五部隊のトップに立つ。
*構成は第一大隊、灰色の軍。第二大隊は無色の軍。第三大隊は濃紺の軍。第四大隊は山吹の軍。第五部隊は白銀の軍。
革命軍は東北地方南部に侵攻し即座に制圧。東北地方を掌握していた変種グループの連合を撃破。
この時の活躍により、革命軍の上層部ではスズカが本格的に新皇の一角と目されるようになる。
中部地方で国軍と争っていた『新羅』に、濃紺の軍が援護に向かい、侵攻してきた東北地方の部隊の迎撃に山吹色の軍が出向。
反革命軍的立場のまま北陸地方で勢力を確立すべく動いていた長尾まりあの撃破と、いまだ国軍が抗っている北陸地方の完全掌握の為に白銀の軍が向かう。
灰色の皇が関東地方を抜ける(灰色と無色の争い)。
この頃より、革命軍の動きは小さくなっていく。
約四年と少し前……アカツキとシャクナゲが出会う(『マークオブブラックメタル』)。
シャクナゲの無銘への加入。ミヤビと出会う。
スズカがシャクナゲを追って関東地方を抜け、無銘に加入。
ここからはネタバレ多数だから自粛。
この合間に関東からの圧力がなくなった長尾まりあが、北陸地方を制圧。
新羅が独力で中部を制圧。
坂上晴臣が軍を率いて、弱体化した国軍を撃破し関西を掌握。
マスターシヴァが東海を掌握。
水賊が廃都に襲撃してきたり、閃光を名乗るエリカが抜けたり、『リバティ』をシャクナゲが破壊したり、『ノーフェイト』にやられたり諸々があった。
約一年半前……
関西の第三勢力たるゼフィーロスが関西軍に敗れ、そのメンバーが黒鉄に加入。
ナナシの部隊が黒鉄に敗北、黒鉄に加入。
カーリアンとカクリがシャクナゲに拾われる。
オリヒメが拾われる。
廃都郊外で黒鉄、関西軍、各地の勢力がぶつかり合う大抗争が起こる。
ミヤビ、クロネコ他数名の黒鉄古参のメンバーが死亡。
この事件を裏から操って起こした関西軍・近衛総長・旭が、報復としてシャクナゲの襲撃を受ける。
半死半生の重傷を負い、関西軍からアサヒが抜ける。
一年前……
アカツキが死亡(『黒鉄色のノクターン』)。
関西軍の将軍を暗殺すべく、シャクナゲが光都へと向かう。
めっちゃ端折り、飛ばしましたがこんな感じです。
どうでしょう、端折った部分の方が多い年表ですが。
次に、今まではあとがきに書いていた人物紹介の特別編として、『錬血』こと雪代雅の紹介をここに載せておきます。
マークで書こうかと思っていましたが、あっちに書くとこちらでのネタが書けないのでここに書いておきます。
長くなりますしね。
雪代雅
黒鉄最古参のメンバーであり、『錬血』と呼ばれる高位の能力を所持した変種。
その能力とは、『自分が意識を向けた一つの物質を任意の形に固める』、『その任意の形に精製した物質を、自らの意識下において完全に支配する』という能力で、独特の物質精製能力と高位の念動力を併せたような能力。
その能力は非常に稀少かつ強力なもので、それを自在に操る彼女は、黒鉄でも随一の戦闘能力を持っていた(スイレン曰わく、『関東の仲間達の中にも、彼女ほどの戦闘技能を持つ者はほとんどいなかった』)。
黒鉄(当時の名前は『無銘』)に加入した当初は、戦闘に対して否定的なところがあり、未熟な面があったが、持ち前の才覚と努力でもってメキメキと戦闘能力を上げていく(スイレンでさえ、初めて出会った時はここまでの力を持っているとは思っていなかったほど)。
その能力で精製するモノが、ほとんど剣の形をしている事から『剣匠』と呼ばれる事もある(自らが精製した剣に乗り、宙を駆ける様から『ブレードライダー(剣の乗り手)』とも)。
アカツキには『剣の群れでテロを行う、リアルテロリズム女』『栗毛の戦闘向き小悪魔』などと呼ばれる。
シャクナゲには『機関銃を持ったアッパーシューター(乱射魔)より、怒り狂うミヤビの剣軍の方が何百倍も怖い』と言っていた。
その剣は、彼女の意志で固めたものであり、生半可な力では欠けもしない。特に『朱の刃張り』『朱袴の矛』と呼ばれる二振りは、戦車砲の徹甲弾とまともにぶつかり合っても、徹甲弾の方が砕けるとまで言われる。
その戦闘能力だけを見れば、普通なら他人に煙たがられるところであるが、彼女の場合はその明るい性格とさばさばしたところから、ムードメーカーとして周りには絶えず誰かがいた。
その性格は、心を閉ざしていたシャクナゲやカーリアンにも多大な影響を与え、人見知りなスズカですらも心を開いた人物。
面倒見のいい性格と、世話焼きなところ、身体能力の高さと抜群の戦闘センスから、黒鉄に入ったばかりの新人をしごく役割を持ち、『恐怖の鬼教官』として新人達には恐れられていた。
ただし、黒鉄の上層部で新人達に一番懐かれていたのも彼女だったりする。
その教え子達は『雅組』と呼ばれ、当時は黒鉄の中でもかなり大きなグループだった。
現役のコードフェンサーの中では、カーリアン、サクヤ、ヒナギクが彼女の教え子である。
他にも何人もの教え子達が現役の黒鉄として戦っているが、その全てが黒鉄としては優秀だと評価を受けている(中にはカーリアンやヒナギクみたいに、黒鉄としては優秀でもそれ以外では問題ありとされているメンバーも多い)。
一年と少し前に起こった各勢力入り混じっての戦いで、未熟な教え子と仲間達の背後を守る為に一人戦い、当時の関西軍・近衛総長直轄部隊の多数を道連れに戦死している。
個人的なプロフィール。
享年19歳(アカツキより下でシャクナゲと同じ学年。カーリアンとスズカの二つ上)。
163cm48kg。
栗色の髪と夜空のような濃紺色の瞳。
血液型・検査した事がない。
好きな食べ物・ナポリタンスパゲティ。 バニラジェラート。
嫌いな食べ物・椎茸、バナナのようにヌルッとした感触がある食べ物がダメ。胡瓜はサンドイッチに入ったものがべちゃっとしている為、やはり苦手。
好きな言葉・ケ・セラ・セラ。なるようになる。ケ・セラ・セラという言葉はシャクナゲに指摘されるまで、ちゃんとしたスペイン語だとばかり思っていた過去があり。
顔立ちに置けるアクセント・左目の下に泣き黒子。髪型はしょっちゅう気分で変わるが、ツーサイドアップかサイドポニーテールがお気に入り。
趣味・コスプレ(というより、色んな衣服を着る事が好き)。バイト。恋愛小説の執筆(シャクナゲしか見た事がない)。
バイト歴・コンビニ、焼き肉屋、ビラ配り、ファーストフード店、郵便局、スーパーマーケット、喫茶店、ゲームセンター、アカツキの手伝い、メイド喫茶『メイディ』他。
剣道経験者だが、段までは持っていない。
槍術や棒術をかじったが、棒術は性に合わず、槍術は習う人がいなかった為、個人的に作った槍を振り回して長物の扱いに慣れた。
居合いは経験者であり、個人的にも好みに合っていた(一撃必殺の辺り)が、こちらは特別誰かに師事した事がない。
独自の発想と修練により、我流の戦い方を身につけている。
手先は非常に器用なくせに料理や家事は苦手であり、行きつけの小料理屋で毎日晩御飯を食べている(マークでシャクナゲがジャガイモの皮を剥いていたところ)。
キャラクターモデルは特にないが、彼女がモデルになってカーリアンが出来た。元々は彼女がメインキャラクターな予定であったが、シャクナゲがベクトルイーター(数多の鎖)を使う事に対して、ミヤビが『錬血』で無数の刃を使う事でやや被る為、設定段階でいじくって過去の人物となった。
ちなみに、今のシャクナゲも彼女の影響が3、アカツキの影響が3、他仲間の影響が4ぐらいで性格や口調が出来ている。
ミヤビ・スキル
能力・AA(純正型にも勝る数少ない高位の能力。彼女しか使えない、他に類を見ない唯一無二の能力。スズカやシャクナゲほど稀少ではないが、スイレンの水鏡よりは戦闘に特化しており、カーリアンの紅よりも使い勝手がいい能力)
身体能力・A(シャクナゲとほぼ同等のものを持っている。得物を用いた近接戦ならば彼よりも確実に強い。ただし無手での戦いには慣れていない上、遠距離からの錬血で造った剣の爆撃は、命中精度があまり高くない為(チマチマ狙いなんて付けてらんないらしい)、その身体能力の高さも近接戦にのみ特化した使い方しか出来ない)
ポジティブ・A(ひたすら前向き。黒鉄には珍しいタイプ)
幸運・B(壮大にトラブルを起こしても、致命的な結果には陥らないという、幸運なのかどうかよく分からないスキル)
ルックス・S(ルックスはスズカと唯一タメを張ると言われていた)
カリスマ・A(周りに自然と人を惹きつける何かがある。シャクナゲやアカツキとは違うタイプのカリスマ)
部隊指揮・B(能力は高いが、部隊指揮は性に合っていない。人の上に立って物を言う事が好きではない)
鬼教官・A(そのしごきにはカーリアン逃げ出し、ヒナギクが泣かされたほど。逃げ出しても地の果てまで追いかけられ、さらに鉄拳制裁される事から、新人の黒鉄達にとっては最も恐れられていた)
トラブルメイク・A(たまにアカツキが真っ青になる事や、神を否定するシャクナゲが思わず神に祈りたくなるような事をしでかした)
女の武器・B(涙。つまり嘘泣き。マジ泣きも得意です)
仮病・A(古参黒鉄曰わく、しょっちゅうお腹が痛いと言っては、面倒な事から逃げ出して新人教育にばかり精を出していた)
このミヤビさん。実は設定でポシャっただけあって、当初はかけらも出さない予定でした。
完全に過去の人物として置いて、番外編やら過去編を書く時にでも出そうかというレベルだったのです。
ノクターンの当初から中盤くらいまでは、その傾向が強く見られるかと。
でもまぁ、お気に入りのキャラクターですし、愛着もあったから『過去から今につながる形』で出す事にし、カーリアンの師という立場を捏造したのです(新人教育係だった設定は元々あり。ただしカーリアンは弟子じゃなかった)。
当初のカーリアンは、もっと力ずくで攻撃力の高い能力任せなキャラクターでした。
彼女を出す事にしてカーリアンも変わったのですが、出して結果的に良かったんじゃないかと思っていたりもします。
番外編ラスト。
二部について。そしてその後の三部以降について。
二部はノーフェイトという過去との決別を。そして他勢力の顔出し。
三部は他勢力との争いや、名前しか出ていない『学園』、西に追いやられた『政府』などとの問題を。
四部は関東編で、五部はラストといった形に考えています。
本来は六部まであったのですが、自分が萎える可能性やら、その他諸々の問題が起こる可能性やらを考えて、編集して五部にまとめました。
まとめたといっても書く分量自体はそれほど減ってないんですがね。気持ち的な問題です。ぶっちゃけて言うと、減らすつもりで編集したのに、減らした分だけ増えた分もあったというオチです。
今回の二部。物語のキーとなるのは『エリカ』、『新皇としてのスズカ』です。
伏線は諸々ありますが、多分気付かれていないでしょう。特に『エリカ』の目的については自信があります。
ヒントは『ヨツバ』『シャクナゲ』。
これで気付いた方はエスパーです。
エリカの目的とカーリアン。
シヴァとスズカ。
ノーフェイトとシャクナゲ。
そして本編前にも書いた灰色対灰色。
おまけでシャクナゲとナナシ。
全てに繋がりがあるワケではありません。黒鉄色のノクターンという世界で繋がっているだけで、その世界観を補完するストーリーが二部、そして次の三部だと思って下さい。
ただ、ちょこちょこ繋がりがある点もありますから、最後までその辺りを楽しみながら読んで頂けたら幸いです。
最後に独り言。
早く五部を書きたい。三と四は飛ばして五部を書きたい。
五部の為だけに二・三・四部はあるようなものです。一部にもすでに五部の伏線が入ってます。二部にも入ります。
適当に話の冒頭で補完して、補足して、いきなり五部を書き始めたりしないか我ながら結構不安です。
そんな自分ですが、今後ともよろしくお願いします。