32・フェイタルブラック
今回は短いですが、今週半ばでもう1話上げる事になると思います。
アップは出来次第となりますので、詳しくは活動報告にて。
今回のあとがきはナシです。
暗い昏い部屋の中。
声なく打ちひしがれる私の前で──グチャグチャに頭の中が崩れているあたしの前で、狂った笑みを浮かべた純正型がケラケラと笑う。
何がそんなにおかしいのか。何がそこまで愉快なのか。
ただ嗤いながら快楽の笑みで見据えたあと、名残惜しそうな未練たらしい仕草でゆっくりと部屋の入り口へと向き直った。
──ジャラ……
「そろそろ来やがるかな」
そう言って坂上は、さっき感じた未練など嘘のように……もはや私など眼中にないとばかりに……まるで恋い焦がれるかのように部屋の扉を見据えながら嗤う。
それは恋焦がれるというには狂気にまみれたサイコなモノではあったが、間違いなく渇望に近い感情が窺えた。
「女、てめぇは黙って見てろ。関西の始祖が俺だって証明する瞬間を」
そう言いながらも、もうその視線がこちらに向く事はなく──
「そして関西の始祖が関東の──この国の皇を超える瞬間を見届けろ」
ゆっくりと立ち上がるとギチギチと不快な音を立てながら拳を握る。
「お前はその生き証人だ。それ以外は望まねぇ。俺がもう一度『将軍』呼ばれるに相応しいという証人だ」
その音はまるで腕にびっしりと生えた鱗が鳴っているかのような音で、私は小さく身をすくめた。
──怖かった。ただ怖かった。
ここにアイツが来て、坂上と話をして……その話が私の認めたくないモノを認めるような言葉だったら──
そう思うと、怖くて震えが止まらなかった。
『迎えにきたよ。ヴァンプとは違う君を』
その言葉が、『俺とは違う君を』と言われていたのだとしたら、私は何を信じていいのか分からなくなる。
私はアイツと同じになりたくて……アイツはヴァンプからは一番かけ離れていて……その位置からは遠くが見えると思っていたのに、それが勘違いによる単なる幻だったと言われたら、今までの私はなんだったと言うのか。
そう思えば頭がぐちゃぐちゃに乱れて、ボロボロと欠けていく気すらする。
──ジャラ……ジャラ……
扉の向こうから聞こえてくるのは、何か金属がこすれるような音。
カツンカツンと響く靴の音共に、それはどんどん大きくなっていき、坂上から漏れる殺気も膨れ上がっていく。
その気配にその音の源の正体が分かり、思わず小さく後退ってしまう。
そんな音にアイツ……黒鉄のシャクナゲが結びつかなくて。
その足音は靴音だからか冷たく感じられ──その金属音からは感情が見られなくて。
『この街、なかなか悪くないだろ?見ての通りあちこちボロボロだけどさ、ここじゃみんな同じだ。既存種……人間も変種も一緒に笑って、悲しんで、同じモノ食って、同じように頑張って生きてる』
初めて私やカクリ、あと数人の人達を連れて廃都に着いた時、そう言って少し自慢気に笑っていたのを覚えている。
『じゃあちょっと行ってくるよ。今回は街の外で人をさらってる武装盗賊が相手だから、そう長くは空けないだろうけど、何かあったら誰かに声をかけてくれ。多分みんな力になってくれる』
初めて黒鉄として出て行くのを見送ったのは、廃都に着いてすぐの事だった。それでも疲れなんか見せず、私達の為に空いている部屋を用意してくれた。置いていかれた私達が困らないように、周りにそれとなく気を付けてくれるように頼んでくれていた。
『ただいま』
そう言って──
初めて悲しそうに笑うのを見たのも、その作戦から帰還した時だ。あいつが連れて行った仲間達の数人が、モノ言わぬ骸になって帰ってきた事が原因なのはすぐに分かった。
安っぽい布きれがかけられただけの『人だったモノ』を見る視線は、言葉よりも明確に悲しみを語っていたから。
──それが初めてあいつの『弱さ』を見た瞬間だ。
先頭に立つ強さだけじゃなく、相反する弱さを持っているあいつと、今ここで確かに存在感を主張する『何か』の雰囲気がどうしても結びついていかない。目の前で嗤う狂喜と、あいつが『同類』だったなんて認められない。
近づいてくる音と気配に私は息を呑む。情けないくらいに膝が笑い、体が竦む。
もうすぐあの扉は開かれる。
その時──その瞬間に、彼は私をどんな風に見るのだろう。
そして私は──いや、『あたしは』、あいつをどんな風に思うのだろう。
自分の中にある狂気じみた紅が、今はどうしようもなく怖かった。
キィ──……
音もなく開いたハズの扉に、そんな恐怖感を煽る幻聴を聞く。
その先にいたのは見慣れた格好をしたよく知った顔。
いつも通りの黒コートに黒髪黒瞳。
ジャラ……ジャラ……
ただいつもと違う箇所を挙げるとすれば、そんな音を立てながら右手に引きずられている黒い鎖の群れ。そして本来は両手で握られているハズの銃が片方しかない事。
そしてその暗い瞳。光の届かない深い海の底のような瞳が、いつもの黒瞳とは全く違って見える。
「待ってたぜ、結城智哉の殉教者」
「…………」
『殉教者』──その言葉には嘲りの色などなく、事実をそのまま述べただけの気安さがあった。
だからだろう、ゆっくりと向き直っても、かけられた坂上の言葉には返事もない。
細められた視線はそのままゆっくりとあたしに向き──かすかに笑ったように見えた。
心の底から安心したように……思わず安堵を漏らすように……でもちょっとだけ悲しそうに。
「この女は証人だ。そして一年前、チェックメイトまでかけたくせに途中でいきなり退きやがったテメェが、また同じ事をやらかさないようにする為の保険だ」
「……どうして俺がこの街に来ている事が分かった?それに、なんでカーリアン──彼女を連れている事を知っていた?」
喜々として語る坂上に返す声も、いつも通りに冷静なモノだった。それはあたしがよく知っているモノで……その事に少しだけ胸が痛む。
「簡単なこった。テメェがあの後『廃都』に──結城の街に戻った事は簡単に調べがついた。ならまた俺の前に姿を見せるだろうってのも想像がつくだろうが。俺が『関西の将軍』としてある限り、テメェの敵なんだからな」
同じ声であたし達の敵と当然の事のように話す。あたしを置いてきぼりに話す事が……辛かった。
「だから一年前のあの時から、ずっと今みたいな時が来るのを待っていた。東海の『芝浦』や北陸の『長尾』と同じレベルで──いや、それ以上にテメェの動向は張ってたんだよ。廃都にも何人かテメェ専用に手下入れてるし、途中の関所やらこの街の周囲にやらにも腕利きを潜ませてる。関西軍が持つ通信網の類も、その為だけに一部割いてるしな」
淡々と、朗々と、でも喜々とした感情を滲ませて語る坂上と向かい合う表情はあくまでも薄い。先ほどあたしを見た時の『らしさ』が嘘のようだ。
殺気も敵意もなく、感情すらも消えたかのように感じられるその表情は、まるで能面か謝肉祭のマスケラみたいに思える。
一人言葉を並べ続ける坂上の方が、よっぽど緊張しているのは間違いないだろう。
その舌の滑りがその緊張を如実に語っている。
「それに備えてこの街にいる手下共……特に近衛の連中にあらかじめ厳命した事ぁ一つだけ。『もしシャクナゲが誰かを連れてきやがったなら、話がしてぇから手は出さずに俺ンとこに通せ』って事だけだ」
──まぁ、誰も連れてきやしねぇだろうって思っちゃいたんだが、万が一を考えて指示を出しておいたのが効をそうしたな。
そこまで言って、まくし立てるように語っていた坂上にようやくわずかながら余裕が見えた。歪んだ形ではあっても落ち着きを取り戻した。
恐らくは、あたしに全てを語ってみせた事を思い出したのだろう。それを知らしめる為に余裕を見せたのかもしれない。
彼は──シャクナゲは、あたしに知られる事を望んでいなかっただろうから。そしてそれを坂上も知っていただろうから。
今まで何も語らずにいたのは、多分語らなかったんじゃなく『話せなかった』から。
彼は多分、ずっとシャクナゲでいたかったんだろう。黒鉄として在りたかったんだろう。そして忘れたかったんだろう……そう思う。
その為には、『真実』を知る者は少ない方がいい。
そんな思いに葛藤しつつも、結局話せなかったんじゃないか……そうあたしには思えた。
何故そう思うなんて理由は考えるまでもない。
『あたしもそうだから』。
あたしとそっくりだからだ。
ずっと今のカーリアンでありたいと思ってきた。その為にカーリアンになる前の事は……誰にも知られたくない。
感情のままに人を傷つけた事も、そんなつもりはなくても変種に対する恐怖を多くの人に植え付けたであろう事も……。
自分自身すらも忘れたいとずっと思ってきたのだ。
そして、詳しく知ればみんな離れていくんじゃないかって怖がってきた。
だから二班でも、怖がる仲間達には近づけなかった。それ以上近づかれてもっと怖がられるのが嫌だったから。
だからあたしには……彼の葛藤がよく分かった。
「それだけでアドバンテージを取ったつもりか?」
だけど、対する男はあくまでも平静だった。平坦と言い代えててもいい。
それはまるで──すでに諦めを受け入れた罪人のモノ。今のあたしよりもずっと先にある深い諦観。あたしなんがじゃ理解出来ない深く暗い場所から響く声だ。
その声は、感情が見えないからこそ真っ暗な奈落を思わせた。
「だとしたら『関西の将軍』は随分と浅はかだな。哀れみすら感じるよ。あの男が命で稼いだ一時間を、単なる意趣返しに使ったんだと思えば……反吐が出る」
「はぁん?急に饒舌になったじゃねぇか。嬉しいぜ、かの『新皇様』が急に身近に感じられてよぉ」
敢えて『新皇』と呼んでみせた坂上は、すでに完全に地に足が着いていた。本心から笑う余裕すら見える。
一時間という言葉と状況からして、あの男とは間違いなくあたしをここに連れてきた男の事だろう。
敵の中でも『仇敵』とすら言える近衛の一人にして、あたしの紅すらも掻き消した男……そのハズだ。
それでも敵であるハズのシャクナゲの瞳には暗い感情が浮かび──対照的に味方であったハズの坂上の瞳には喜色が宿る。
「で、左近はどうした?どうやってぶっ殺したんだ?妹の右近はどうだったよ?あいつは普通の変種にしては異常に強かっただろ?命令違反の常習者だったがよ、ウチじゃ俺に次ぐぜ?」
──あいつまで殺られたならワリに合わねぇなぁ……。
そうボヤく坂上は、取り戻した余裕により狂喜を増幅し──その言葉の直後に空間が固まった。
固まったというよりも『凍てついた』と言った方がいい。一気に体感温度が零下にまで落とされた錯覚すら受ける。
その感覚が今までに感じた事のあるモノでなければ──そしていまだに混乱と恐怖に完璧に捕らわれていれば、あたしでも間違いなく気を失ったであろう圧迫感を持って、一つの気配が空気を震わせる。
それは間違いなくシャクナゲの殺気だ。あたしが知っているモノよりも、ずっと強大なだけの彼の本気だ。
その瞳はより深い闇を宿して坂上を見据えている。
「……本当にお前は俺を後悔させるのが上手いな。一年前の咎が胸に痛いよ。本当に重くて仕方がない」
そう語る声もただ静かに沈んでいて。
「──なんで殺さなかったんだろうってつくづく思わされる」
深く空間に満ちた殺気にまみれる。
それに伴い鎖達はジャラジャラと音を立てながら部屋を這い周り、ゆっくりとその先端をもたげた。
まるで五対の頭を持ち上げる蛇のように。もしくは合図を待つ猟犬が、低い前傾姿勢を取るように。
それが今のシャクナゲの『銃』にも勝る牙なんだという事が分かる。自然とそう理解する。
黒い鎖達は……その存在感が希薄なのと反比例するかのように『強大』だった。
不確かな存在感を補って余りあるほどに、不気味だったのだ。
「カーリアン」
向かい合いながらもあたしに向けた言葉は静かなモノだった。殺気乱れる空間にそぐわない弱い声だった。
それでもあたしには分かった。
シャクナゲと呼ばれた彼が、その殻を剥ぎ取って『別の誰か』になる事が。あたしには見られたくない姿だろうという事が。
そしてその誰かこそが、時折垣間見えていた本当の彼なんだと──分かってしまった。
「出来れば……出来るならば、今は手を出さないでくれ。全部終わったならどんな言葉も受ける。怒りも悲しみも憎悪すらも受け入れる。死をもって贖ってもいい」
そして悟った。
その誰かは、あたしが思い描いていた『憎い新皇(始祖)』とはちょっと違う……見慣れていた『シャクナゲ』よりも、ずっと悲しい存在なんだっていう事が。
「俺はこの国の──君の大敵だ。大事なモノ全部の仇だ。だから覚悟はしてる。覚悟して君を連れてきた。でも今はダメだ。いくら『紅』が強力でも──」
──今手を出されたなら、多分殺してしまう。
余りにも弱々しく、儚く、脆い言葉が胸をつく。
『大敵』、『仇』という言葉が心を穿つ。
しかしそんな言葉だからこそ、その言葉が真実なのだと理解させられてしまう。あたしを殺してしまうという言葉が、誇張や一時的な言い逃れじゃないと分かってしまう、そしてそんな事を望んではいないという事を悟ってしまう。
目の前にいる男がヴァンプだとは思えなかった。
こうしてここで向かい合うまでは、きっと彼の事も憎んでしまうだろうと思っていたのに……あたしの中から憎悪が溢れ出すだろうと恐れていたのに、何故か彼を真っ直ぐに見る事が出来た。ヴァンプとして紅を溢れさせる事はなかった。
それが少し不思議で──それでも自然とそんな自分を受け入れられる。
だってあたしが知るヴァンプは、父と母を殺した男達だ。そしてそいつらの元締めだった狂人だった。
何も与えてくれないのに、全てを奪っていったヤツらだ。
家族も、家も、友人も、平和も、日常や故郷でさえも。
彼みたいに『与えてはくれなかった』。
コイツは何もあげていないのに……あたしからは何も奪わなかったのに、望むモノはなんでもくれた。
食べ物や居場所、仲間、失った故郷の代わり、そして──
『迎えにきたよ、ヴァンプとは違う君を』
──狂いそうになりながらも、心の底から望んでいた言葉でさえも。
さらには『改めて守る機会』までくれたのだ。
一度は守れなくて、泣いて、絶望して、最期には壊れかけていたあたしに救いをくれた。ラストチャンスをくれた。
今も……全てを知らされた今でさえも、あたしから『生命』を奪うという選択肢があるのにそれを選んでいない。それは一番確実で、安直で、魅惑的な手段であるはずなのに──それでも奪わない。
自分が苦境に立つ方を選んでいる。あたしを連れてきた時点で全てを覚悟の上だったとしても、その選択は覚悟を覆しうるだけの魅力があるハズなのに。
全てを失う可能性があるのに、だ。
たしかに許せない、許さない、憎い、悲しい……そんな全てが入り混じってはいる。紅は猛っている。でも彼の事を『汚い』とか『怖い』とは思えないのだ。
あたしが知っているヴァンプにあったどす黒さが見えなかった。
憎悪はある。悲哀も確かにある。彼にそれを向けてしまうのだけは止められない。
──彼は原点だから。あるいは原点に近いから。
でも『嫌悪』と『恐怖』はなかった。そしてそれを不思議にも思わない。
ただ、いつしか落ち着きを取り戻している事だけを自覚する。
それは溢れた困惑がもたらした一瞬の静寂なのかもしれない。
それでもその一瞬であたしには十分だった。一瞬でこの一年でどれほど『シャク』の姿を見てきたかを思い出せたから。
「許さない。だから──」
彼がいなければ廃都は──あの最後の自由が許された場所はあり得なかった。
そしてあそこでなければ……あの場所でなければ、多分あたしは本当の意味で野垂れ死んでいた。
ヴァンプみたいになりたくない、あいつらみたいにだけはなりたくないという、脅迫観念にも似た想いに暴走して、憎悪と嫌悪にまみれて死んでいただろう。
……勝手なんだろうな。
そう思う。苦笑してしまいそうになる。
なんだかんだ理由を付けてみて、あたしは彼を憎まないようにしているだけだ。……そう自覚もしている。
きっと彼以外の誰かが『新皇』だとカミングアウトしたならば、多分一切容赦しなかっただろう。
でも……それでも仕方ないとも思うのだ。
あたしの過去はきっと彼の過去と合わせ鏡だ。
そしてあたしの現在は、彼の『シャクナゲとしての過去』の積み重ねがあったからこそだ。
なによりあたしは──
「だから、これが終わったらとりあえず死ぬ直前までぶん殴らせなさい。その後でどれだけこんがり焦がすか決めるからっ!」
──あたしは、シャクの姿を見ただけで、どれほどの混乱や落胆、絶望にも似た失望からも持ち直してしまうほど、彼を見てきてしまったんだから。
あたしはカーリアンで在りたかった。
ずっとそれにしがみついていた。
そうすればもう何も失わなくて済むと思ったから。失った事に対する罪悪感と喪失感を補えると思っていたから。
真っ赤に燃えた家も、復讐の想いだけで傷つけてきたヴァンプ達も、巻き込んでしまった人々も、何も思い出さなくて済んだから。
でもしがみついていただけで安心していた。何もしていなかった。黒鉄としての役割に依存していた。
あたしはカーリアンでいたかった。ずっと痛かった。
留まりたかった。だから止まっていた。
一人で歩くのは怖かったから、周りの環境を壊さないようにしていた。話しかけられない限り話さないようにしていた。
それは拒絶されるのが怖かったから。拒絶されて、価値観や世界が歪むのを恐れていたからだ。
自分の見える世界が広がれば、それだけ脆くなると思っていたから、あたしはずっと足踏みをしてきたのだ。
でも、これからは少しだけ──ほんの少しだけ前に歩いてみようかなって思う。
目の前で怯えたようにあたしを見て、呆然として、それでも坂上を相手に向かい合っている男を見て、そう思う。
だってあたしが前を歩けば、同じように足踏みを繰り返しているヤツを──強くて弱いアイツを、前に引っ張ってあげられるハズだから。
あたしの憎悪はいまだ近い場所にある。深い所まで浸透している。それはいつかあたし自身を殺すかもしれない。
それでもあたしはなってみたいと思った。
これからは『何かをあげる側』に立ってみたいと思ったのだ。
例えそれが『私』から全てを奪った原点の影響だったとしても、彼は『あたし』に全てを与えてくれた原点だった事も間違いないのだから。
そんな彼のようになってみたい──隣に立ってみたいと思った想いだけは、歪んでしまったあたしの中でも絶対に綺麗なモノだったハズだから。