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18・『ネームレス』

少し番外編ぽい話になってますが、この話に初登場した『彼』視点の番外編は別にあります。

シャクナゲ視点とカーリアン視点がストーリーのメインであり、後はサブ的な形としてあり、全体的な傾向として補足や番外編ぽく感じられるかもしれません。


日曜日更新とありましたが、土曜日に更新出来ました。

次回は一週間後の日曜日『までに』更新致します。





「よぉ、アオイぃ~。なぁんの用でウチに顔出してんのよ?珍しい──つか初めてじゃねぇ?アンタがシャクナゲ抜きで他班本部に顔出すなんてよぉ」


 ヘルメスとの会談を終え、それが上首尾だったと判断出来た事に一息ついた途端、そんな声をかけられ、私は思わず顔をしかめそうになった。


 ──面倒なヤツに会った。

 そんな思いに思わず天を仰ぎたくなり、作り慣れた笑顔の仮面にヒビが入りそうになる。

 場所が場所だけに、会いたくはなくても会う事になるかもしれない、とは思っていた。それどころか、ヘルメスとの話し合いが上手くいかなければ、こちらから『彼』の元へ出向くつもりですらあった。


 ヘルメスに『お願い』を聞いてもらえなければ、次善策として『彼』に会うつもりではいたのだ。だが、あんまり会いたくない相手──交渉の相手にしたくない相手である事は間違いない。

 ヘルメスとの話し合いが上首尾に終わり、その優秀さが確認出来、シャクナゲの依頼+αがこなせた以上、会わないに越した事はなかったのに……

 こうして向かい会う事になってしまったのは、偶然などではないだろう。


 声の主は振り向くまでもなく分かった。

 その声の主は、へルメスよりずっと『要注意』と認識している人物のモノなのだから、よもや間違うワケがない。


「これはこれはマルスさん。お久しぶりですね」


 振り返った先には予想通りの顔があった。

 『風塵』のコードフェンサー『マルス』……『夜鶴』のヘルメスの部下であり、第六班最大戦力たる男が『立っているのも面倒くさい』と言わんばかりに、壁に思いっきり寄りかかりながらそこにいた。


 ヘルメスがその能力の特性と身体能力の低さも相まって、支援や補助、そして『情報班』の部分に重きを置く人物だとすれば、彼はそんな彼女に代わって前衛に立つ前線指揮官と言えるかもしれない。


 その能力は、コードのままで『風』を操るモノだと聞く。

 多くの者が能力を把握しきれない『符号』を持つ中で、自らの能力を晒すかのようなコードを持つのだ。

 『紅』や『蒼』といった、その色から能力を想像出来るコードを持つ者は多いが(カーリアンとオリヒメの事だ)、露骨に自身の能力を示すコードを持つ者は、全黒鉄を見渡しても彼と『不死身』のナナシくらいのモノだろう。

 その能力を把握されないようなコードを持っているのが普通であり、手札を無闇に晒す2人が少数派なのは言うまでもない。

 まぁ彼の場合は、パイロキネシス(発火能力)やエレキネシス(発電能力)が、変種の力の中でも割とメジャーな能力であるのに対して、風を操るという自身の力が非常にレアなモノだと言う自信からか、はたまた他の理由があるのかまでは定かではない。

 だが、それだけに彼の名前は他班にも良く知られていると言えた。『風塵』のそのコードと共に。

 かつてはヘルメスと共に、『ゼフィーロス』という名前の変種集団のツートップの一角として、関西軍に抗っていた者として。


 ……そう、いい意味でも。また悪い意味でも、彼の名前は良く知られていた。


 その風貌からすれば恐らく私とそう変わらない年代だろう。

 それなのに──しかもコードフェンサーでもあり、ヘルメスの右腕たる立場でもあるのに、彼からは全くと言っていいほどに構えたところが見えない。

 寝癖のように軽く跳ねまくったダークブラウンの髪も、眠そうな瞳も、そして猫背気味の背が面倒そうに丸められているのもいつも通りだ。今日もいつも通り上下共に黒のジャージ姿な事もあり、余計にだらしなく感じられる。

 ヘルメスが黒のスラックスと真っ白のカッター、その上から黒のコートと、きっちりした服装をしていたのとは対照的だ。

 だが、別にその『やる気のないところ』を私は苦手としているというワケではない。


「ま、俺はちょっと街を出てたかんね。……で?」


「……で、と言われますと?」


「とぼけんなよ。アンタがここに来た理由さ。シャクナゲ抜きで動くなんて珍しいじゃねぇの」


「今シャクナゲは療養中でして。ウチは今上も下も大忙しなんですよ。書類仕事が溜まって仕方ありません」


「ふ~ん……」


 私の返答にもつまらなさそうな欠伸を漏らし、マルスは私に小さく首を傾げてみせる。

 そして相変わらず眠そうな瞳をショボショボさせながら、寝癖がついたままの頭をボリボリとかきむしると


「でもよ、シャクナゲの療養なんてブラフだろ?」


 そのままの表情で、そう切り返してきたのだ。

 構えたところも見せず、こちらを試す様子もなく、ただ事実を確認するだけの素振りで。


「……アナタは気付いていたんですね?ヘルメスは気付いてなかったように見受けられましたが」


「ま、ヘルっちはちょっと馬鹿正直なところがあるからさ。それよりそろそろ答えてくんないかなぁ?なんでウチに顔を出してんだい?」




 ……この男のこういった所が私は苦手なのだ。

 思ったままに喋っているかと思えば、こちらの手の内を見透かすような事を平然と言う。

 それに面食らう事もままにあるし、何より彼の言葉には、いつでもブラフやカマかけが含まれておらず、単に確認する色しか見られないのが厄介であり、いつもの飄々とした対応ではやりすごしにくい。

 また彼の確認の言葉は、いつであれ大抵が真実を射抜いている事も私に苦手意識をもたせる。それだけに簡単に話を逸らす事が出来ないし、言葉に駆け引きが含まれていないから、裏をかく事も言葉による牽制もままならない。


 二班のカクリさんなど、彼に比べればまだ可愛いモノだ。彼女よりもマルスは余程扱いにくく、なおかつカクリさんみたいな可愛げも全くない。


 そう……はっきりと言ってしまえば、マルスは『不気味』なのだ。

 何を考えているのか分からないのに、こちらの考えだけは読まれているかのような錯覚を覚える。それでいて構えたところが全くない事が、何よりも『怖い』。

 彼はどんな時でも率先しては動かず、面倒臭そうにしているだけなのが余計に気味が悪く、掴みにくい印象を持たせる。

 その怠惰な姿勢からか、他班の者に『役立たずのコード持ち』なんて呼ばれたりもするが、そんな連中こそ私からすれば失笑モノだ。

 私からすれば、その存在だけで警戒感を呼び起こされるのは、全黒鉄を見渡しても彼と『アゲハ』、そして『スズカ』くらいのモノなのだから。


 スズカはその力の強さゆえに警戒してしまう。その能力を知るがゆえについ身体が構えてしまう。

 圧倒的な異能を誇る純正型を前にして、素面でいられるモノなどそういない。

 私が知る中でも彼女と対等でいられるのは、シャクナゲとカーリアンの2人だけだ。

 カーリアンも異端と言えるほどの強力なパイロキネシストだから、強大なるスズカには親近感を持つのだろうし、彼女が黒鉄に来たばかりの頃からの付き合いがある。

 そして周囲から距離を置かれるモノ同士という共通点もあるだろう。

 また、シャクナゲは誰に対してでも態度が変わらないから、彼もスズカにも変わらず接する。

 スズカも彼にだけは素直に従ってくれるし、彼には話しかけているようだ。


 だが裏を返せば、この2人だけしかスズカとは向き合えていない、という事だ。

 他の班長連……既存種であるカブトさんも除けば、ナナシやオリヒメでさえも、スズカに対しては萎縮したところが見受けられる。それは他のコードフェンサーも然り、『私のような者』も然りだ。

 それは生物としての本能──つまりは強者に対して感じざるを得ないモノだと言えよう。

 それだけの力が『銀鈴』にはあるのだから。


 対してアゲハはその逆だ。その力が全く読めないだけに警戒せざるを得ない。

 いわば『未知』に対する警戒。『幻影』の如く全貌が見えない違和感と、掴みきれないモノを掴もうとするかのような錯覚……そんな不気味さを彼女には感じる。


 そして彼……マルスは、力も能力も分かっているのに、こちらも同様に見透かされているような感じが警戒感を呼び起こす。

 そう、彼の情報を知っている以上に、こちらの事も知られているような気がするのだ。


 この内、だれが……どのタイプが一番厄介で、タチが悪いかについては議論の余地があるだろうが、『幻影』と『銀鈴』に並ぶ男が役立たずなどと言えるのは、よほどお気楽な考え方だというのは議論の余地がないだろう。


「……内通者について少々。ヘルメスにもご報告と、少々お願いしたい事がありまして」


 だから彼と話す時は、ブラフ(ハッタリ)だけでは話せない。多少の真実を混ぜて言うしかない。

 言葉を濁す事も出来るが、それで変な懸念を持たれたりするのも面白くない。出来れば彼みたいなタイプとは好意的立場でいたい。

 いかにやる気が見えなくとも、彼が六班の最大戦力であり、かつて変種達による自衛集団・『ゼフィーロス』を率いていたのは純然たる事実なのだから。


「やっぱ二班ントコのガキんコがちょろちょろしてんのは──

ま、いっか。面倒くせぇし」


「すみませんね。あんまり大っぴらにはしたくないんですよ」


「アンタだけがこうしてウチに来てる時点で、結構大っぴらで怪しいと思うけどな?アゲハやコガネのヤツがウチを張ってんのもアンタの仕業だろ?」


「それはカクリさんの提案ですよ。カクリさんは、今の段階ではアナタ方を警戒しているみたいでして……」


 やはり彼もアゲハやコガネの動きを掴んでいる。ヘルメスに監視されている事を伝えたのも、ひょっとしたら彼の仕業かもしれない。

 そんな事を考えつつも、表面上だけは笑顔のままの私の言葉に、マルスはフンっと軽く鼻を鳴らしてみせた。

 そしてまた大きく欠伸を漏らしてから、涙の浮いた怠そうな瞳のままで私を見る。

 それは探るような色を一瞬だけ見せ──たかどうかを確認する前に、すぐさまいつもの気だるげな瞳へと戻っていた。


 ……そう、感情の揺れも、考えも押し込める『厄介な目つき』に。


「とりあえず派手な真似するにしてもウチは巻き込まないでくれや。ウチも二班ほどじゃねぇけど、戦力(人手)は万年不足気味なんだからよ」


「肝に銘じておきますよ、『風塵』」


「あぁ、それと一応言っとくか」


 もたれかかっていた背を壁から離し、そのまま私が来た方向へと歩き出す彼は、やはり私をここで待っていたのだろう。

 『偶然だな』とも『待っていた』とも言わないままでの会話の周到さ──私の考えの一端を、自分が何故ここにいるのかという事へと向け、最初から話の主導権を握った男は、やはり無感情で無感動のままだ。

 ここでした会話に、最初っから興味なんかなかった……と言わんばかりのその態度には、敬意すら覚える。

 自分からここで待っていたのに、いけしゃあしゃあと無感動を貫けるのは大したタマだ。

 そしてその態度のまま……しかも面倒そうな姿勢のまま、立ち去り際にさも今思い出したかのように『本題』へと入ろうする。

 全く、彼は無能のポーズが上手いのか下手なのか……はたまた上手すぎるのか、下手すぎるのかにはいつも悩まされる。


 そんな愚にもつかない思考をしている私へと、ペタペタと室内用のスリッパを鳴らしながら、彼はだらしなく歩いてくると、そのまますれ違い──


「二班のガキんコがアカツキの事をチョロチョロと嗅ぎ回ってるぜ?」


「……アカツキの事を?」


「今回の件──アンタらの作戦とやらで、五班と正式に渡りがついたから、カブトにでもそろそろ接触するんじゃねぇか?真実を保管する場所としちゃ、アンタんとこのシャクナゲや、ウチの機密文書庫(シークレット・クラン)よりも、カブトは断然ガードが甘いからな。幸い『厄介なアゲハも側にいない』しよ」




 ──その物言いは引っかかった。

 言葉だけをみれば、忠告を与えてくれているのだろう。それは分かる。

 だが、その言い方だと『彼も真実を知っている』ようには聞こえないか?

 確かにヘルメスとマルスが管理する六班の『シークレット・クラン』には真実がある。

 いずれ来たる未来を思って、真実を残しておいた……と『あの人』から聞いている。


 だが、『何故それを彼が知っている』?管理はしていても中を閲覧する権限などはないハズだし、何より中の文書は機密保持の為にパスワードがかけられ、その中身も暗号化されているハズだ。

 自らが管理するモノが真実だと……黒鉄の出来た由来と、『黒鉄の本来の存在理由』、『コードフェンサーの本当の役割』がそこに残されていると何故知っている?


「……前々からお聞きしたかったのですが、あなたはどこまで知ってるんです?」


「なんも知らねぇさ。今の黒鉄は気にいってるからな。それが壊れるような事はなんも知らない」


 ──嘘だ。そう思った。

 確信と言ってもいい。断言しよう。これはカマかけなんかではない。

 なにしろ彼は『いつであれ確認しかしない男』だ。そう私が認知している事も知っているだろう。

 それに彼の言葉こそが全てを知っている証拠だと感じるのも、決して穿ち過ぎではないと思う。

 どこで知ったのかは問題ではない。『知っているという事実こそが今の全て』だ。





 彼を最大級の危険と認識し、排除すべきだと意志を固め、意識を深め、内なる力を高める。

 温厚な副官ではなく、黒鉄の守り手としての自分を解放していく。


 自分自身にはコードを持つほどの能力はなくても、こんな時の為の力なら与えられている。

 それを解放していくだけだ。


 ──その為に力を『あの人』……黒鉄の創始者たる『暁』のコードフェンサーから頂いたのだから。


「やめとけよ、『ネームレス』。アンタは、こんなトコで俺とやり合うワケにゃいかないだろ?ここにゃヘルっちもいる。もしヘルっちもまとめて潰すってんなら、俺も本気で抵抗すんぜ?」


 だが、すれ違った後方からそう言った言葉が聞こえ──

 私は高めていた戦意を少し抑えた。


「……本当にあなたは何でもご存知ですね?」


「アンタに言われたかねぇな?最も古いコード持ち『名無しのアオイ』」


 その言葉は挑発するようでいながらも、彼は背を向けたまま、無抵抗を示すように諸手を上げていた。

 だが、それに相反して、周囲を流れる風が私の肌を妖しく撫でる。

 締め切られた屋内に流れる僅かな微風。それが彼の意志1つで、荒れ狂う暴風と化すのは間違いない。


「アナタが班長だったら、情報班は恐ろしい部隊だったでしょうね?」


「ふん、何を言ってんだか。今の御時世じゃな、ヘルっちみたいな甘ちゃんが上に立つのが正解なんだよ。厳しさと冷静さだけで生きるにゃ、今の世界はきつ過ぎる。俺みたいなのは下から理想と甘さを支えてりゃいいんだ」


 『俺みたいなの』には、何か含むモノがあったように感じた。それはきっと『俺やアンタみたいなの』といった含みなのだ分かり……

 私は戦意を完全に霧散させると苦笑を浮かべた。

 そして彼にならってそのまま踵をかえす。

 背中合わせのままの彼の言葉には、疲労感と現状に満足する心が見え、ちょっとした親近感を覚えたのもあるし、その姿勢が彼の本当の想いの現れだと思えたから。

 そして、甘さがある班長を支える苦労をしているのは、自分も同じだから。


「アナタとは今後一生敵対しない事を祈りますよ。」


 この言葉は忠告だ。甘さではなく忠告。自分に似た考えと立場を持つ男に対する忠告。

 そしてネームレスとしての最後通告だ。

 それは『これ以上深部に入り込むな』と暗に告げているのであり、敵に回れば『アナタの大事な誰かを私は躊躇いなく手にかけます』と、言外に込めた言葉でもある。


「あぁ、俺もさ。『アオイ』」


 その言葉に返ってきたのは短い言葉。そこで敢えてアオイと呼んだ彼の賢明さに、少しだけ安堵しつつ、私はその場を後にする。

 もう振り返りはしない。

 私を『ネームレス』と呼び、真実を知っている男には見向きもしない。

 真実を知りつつも、現状に満足していると言えるなら、彼はその真実を保管する『シークレット・クラン』の守り手としてはこれ以上ない存在だ。 その真実を守る為に……消えない過去を守る為に、彼は『風塵』のコードフェンサーとして戦ってくれるだろう。

 それは彼が気にいっている『今の黒鉄』を守る事にも繋がるから。


 そして、彼の弱味──本音が見えたのも大きい。

 彼が『ヘルメス』を大事に思っている、と分かったのは収穫だった。

 それが『真実を知った』彼が、私に対して支払ったペイ(情報)なのだとしたら、やはり全てが彼の思惑通りだったという感が否めないが。







 私はアオイ。

 コードを持たず、その役割も与えられていない名も無き変種。

 黒鉄という体制を守る為に……そして黒鉄の在り方を維持する為に存在するネームレス(名無し)。

 その為だけに今後の人生と自らの過去、1つしかない名前までも捨てた詰まらない男。

 シャクナゲの副官である為に、持ちうるペイ(代価)の全てを捧げた『ただのアオイ』だ。

ネームレス……コードを持たない変種。簡単に『名前(コード)を持たない』者達の意でネームレスと呼ばれいる。

黒鉄が本拠地とする廃都における一種の都市伝説の類。


その噂は主に黒鉄達をメインに広まっていったが、廃都の住民達でも噂だけは知っている話。

ただし、ほとんどの者達はそれほど信じてはいないあくまでも都市伝説。



曰わく──

コードの意味を持たず、人間である事を望まないネームレスは、黒鉄の暗部で暗闘し、その権力を握ろうとしている。


曰わく──

ネームレスは、かつてシャクナゲやスズカに敗れた武装盗賊が、素性を偽って入り込んでいる者達が大半である。


曰わく──

ネームレスはかつてアカツキが組織した黒鉄の暗殺者集団であり、裏切り者を粛正する殺人部隊の生き残りである。


曰わく──

ネームレスは、シャクナゲがいざという時の為に組織した部隊であり、黒鉄第三班の本拠地にある秘密訓練所で、毎日血が滲むような特訓を繰り返している。


などなど。


他の都市伝説としては、『第二班の本拠地では、人造パイロキネシス(ダミーカーリアン)を造る為の人体実験施設がある』、『アカツキは実は生きていて、黒鉄第三班の奥深くでその指揮を取っている』、『五班の本拠地である自動車工場跡地では、核をも上回る威力を持つ反物質の研究をしている』、『七班の銀鈴がほとんど人々の前に姿を見せないのは、天女か女神を彷彿させるほどの美女(これは逆に老婆という説もあり)であるのに、青い血が流れている為(緑という説もあり)』、『六班の黒鉄達の大半は、かつての日本の公安部の者達で構成されており、今は九州に押し込められた自衛隊と密に連絡を取っている』などなど多数。

もちろん根も葉もない噂が大半ではあるが、中には悪意を持って流された噂や、希望的観測が混じった噂、そして真実が織り交ぜられている噂もある……らしい。

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