表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界孤児が女魔狼王と契約してえっちして戦闘して出世しました  作者: 華咲 美月
第一章 魔狼王との契約
5/16

第五話 古代遺跡の秘密

ツクール製のRPGゲームでよくあるシチュエーションの霧が出てくるマップです。

 霧が流れてくる方向を見定めて進むと開けた場所に出た。

 霧の奥に建物が見える。

 近づいてみると古びた石造りの古代遺跡だった。

 五メートル四方ぐらいの入り口があって、そこから霧が吹き出してきている。


「遺跡の中に霧の元凶があるようだな」

「中に入るのは危険よ」

 リンダが深刻な顔で俺に目線を送った。

「でも、霧をなんとかしないとこの森から抜けられないわ……」

 マリアが俺の手を握ってくる。

 俺は何だかドキドキした。

 リンダもマリアも年上の女性で色気が凄いし、俺に好意を持っていてからかっているように感じるのだ。


「遺跡を調べてみよう。危険があれば引き返せばいい」

「そうね」

 リンダとマリアも同意した。

 四人で遺跡の中に入る。

 入口からすぐに階段になっていて、地下に降りた。

 内部も古びた石造りになっている。

 数百年前は荘厳で美麗な建物だったようだ。


 たいまつに火を灯して広い通路を真っすぐ進んだ。

 正面に大きな光る壁が現れた。

 その向こうには身長が五メートルはある石像があった。

 何か古代の悪魔を模したような禍々しい石像だ。

 霧はその石像から発生していた。


 光る壁に触れようとすると、バチッとなって弾かれた。

「あの石像が霧の元凶なんだろうけど、真っ直ぐには近づけないみたいだね」

「どこかに回り道があるはずよ」

「魔法で調べてみます」

 マリアがサーチの呪文を唱えた。

 右の壁が淡く光る。

 調べてみると隠し通路があった。


 隠し通路に入ると矢が飛んできた。

 通路の先に敵がいる。

 俺は走り出した。

 隠れる場所はないから倒すしかない。


 近づくと弓を構えたダークエルフの女がいた。

 リンダも俺についてきて攻撃を加える。

 ダークエルフの女は一人だけだった。

「くっ!」

 不利を悟って逃げ出した。

 追いかける。


 マリアとラザリンもついてきているようだ。

 通路を二十メートルほど走って追いかけると、ダークエルフの女は大きな部屋の中に逃げ込んだ。

 部屋の中には巨大な樹があった。

 それが、地響きを立てて動き出す。

「エビルトレントよ!」

「ボスの部屋に誘い込まれたんだわ!」


 ダークエルフの女は部屋の奥で、赤い珠と青い珠を両手に持って不敵に笑っている。

 罠にはめられたのか。

「あの珠でエビルトレントを操っているようね」

「くるわよ!」

 エビルトレントが幹に空いた大穴からガスを吹き出す。

 頭がくらくらして強烈な眠気に襲われた。

 眠りのガスなのか。


 動揺した所にビュンと何本も蔦が伸びてきた。

「きゃぁ!」

 マリアが両手両足を蔦で拘束されて逆さまに釣り上げられる。

 魔術師のローブがめくれ上がって白いパンティが丸見えだった。

 おヘソまで見えている。

 こんなときだが、戦闘中のラッキースケベで興奮してしまった。


 俺は迫ってくる蔦を切り飛ばしながら、隙きを見て真空斬りを放った。

 マリアを拘束している蔦を切断する。

 落下してきた彼女をリンダが受け止めた。

「マリアさん、魔法だ!」


「ファイア!」

 エビルトレントは樹の魔物だから火の魔法に弱い。

 マリアが放った火属性の魔法で蔦が燃え始めた。

 俺はその隙きに部屋の奥に移動して、ダークエルフの女に闇魔法のシェイドを放った。

 シェイドは身体だけではなく精神にもダメージを与える。


 怯んだダークエルフの女に接近して剣を突きつける。

「その珠でエビルトレントを操っているんだな。こっちに渡せ!」

「アタシの邪魔をするな人間!」

 女は珠を手放さず、蹴りを放ってきた。

 だが俺には通用しない。

 かわしてからタックルして床に組み伏せる。


 珠が手から離れて転がった。

 途端にエビルトレントの動きがおかしくなる。

 攻撃目標を失ったかのように、部屋の中をウロウロと移動し始めた。

 リンダは打撃武器のアイアンメイスでボコボコと打ち据える。

 マリアはファイアを何発も叩き込んだ。

 一方的な戦いになった。


 エビルトレントはメラメラと燃えて倒れた。

 倒したのだ。

 ボスらしく耐久度が高くて厄介な敵だったが、珠でコントロールされているので、それをなんとかすれば楽に倒せる相手だった。

 パーティーを組んでいる俺たち全員に経験値が入ってきた。

(レベルアップしてLV3になりました~。剣術スキル、火剣、水剣を覚えました~)

 脳内に謎の声が響く。


「私達もレベルアップしたわ」

「私もレベルが上ったよ」

 ラザリンは戦闘に参加していないがパーティーの同行者なので経験値が入っている。

「このダークエルフ女を尋問しないといけないな」

 俺はダークエルフ女を縄で縛った。

「それなら私達に任せて」

 リンダとマリアがニヤリと笑った。

「女の弱いところは熟知しているのよ。すぐに情報を引き出してあげるわ」


 それから一時間ほど、ダークエルフ女のあられもない喘ぎ声が響いた。

 ラザリンには見せられない光景が広がっていた。

「ほら、駄目よ。気持ちいいでしょ?」

「イカせてほしかったら、白状しなさい!」


 リンダとマリアの手管は流石だった。

 ダークエルフ女は息も絶え絶えで、とろけきった顔ですべての情報を白状していた。


 この迷いの森は元々ダークエルフの一族が住んでいたのだが、人間の国であるハイマルク王国によって追い出されたらしい。

 このメリアという名前のダークエルフの女が森を取り戻すために、古代遺跡の力を開放して、霧を発生させたというのだ。

 遺跡の深部には霧を発生させている、トロイダルと言うゴーレムがいる。

 入り口から真っすぐ進んで、光の壁の先に見えた奴がそうだろう。

 そのゴーレムを倒さないと霧を晴らすことはできないというのだ。


「あのゴーレムは強敵そうだった。俺たちのレベルで倒せるのか?」

「ゴーレムは土属性です。私のウォーターの呪文と、ユウヤくんの水剣があれば効果的にダメージを与えられるはずです」

 マリアがそっと俺の腕に手を置いてきた。

 スキンシップが多いな。

「私が囮になってトロイダルの注意を引き付けるわ」

 リンダがアイアンメイスを持ち上げてみせた。

「お兄ちゃん、私はどうすればいいの?」

 ラザリンが不安そうな顔をする。

「ラザリンは後ろの方でブロンズナイフを構えて防御してればいいんだよ」

「うん」


ダークエルフ女のメリアは柱に縄で縛って逃げられないようにした。

リンダとマリアが戦利品として貰っていくらしい。

戦闘奴隷にでもするつもりか。


遺跡の深部に進んでトロイダルのいるボス部屋に突入した。

身長五メートルある悪魔の石像が動き始めた。

これがトロイダルだ。

リンダが接近してアイアンメイスで右足を叩く。

ゴッという鈍い音がした。

「なんて硬い!」


 俺は覚えたばかりの剣術スキル、水剣を放った。

 ショートソードから水の刃物が回転して飛び出す。

 トロイダルの右足に命中してかなり削った。

「右足を集中して狙ってくれ!」

「分かったわ!」


 マリアがウォーターの魔法を放つ。

 直径一メートルはある水球が高速でトロイダルの右足にぶつかった。

 弱点である水属性で攻められて右足が砕け散った。

 トロイダルが地響きを立てて倒れる。

 リンダが頭をボコボコに叩いた。

 眼球のクリスタルが砕ける。


 俺は胸の位置にある魔核を狙って水剣を放った。

「魔核を狙ってくれ!」

「任せてください!」

 マリアのウォーターがトロイダルの胸に命中する。

 真っ赤に光る魔核のクリスタルがむき出しになっていた。


 それからは一方的な戦いになった。

 トロイダルは倒れたままで腕を振り回すしかできないので、リンダが頭を叩きながら、俺とマリアが魔核を攻撃した。

 三十分ほど攻撃を繰り返すと、魔核が光を失ってトロイダルの身体はばらばらに分解して崩れた。


「ノーダメージで勝ったわ!」

「まさか、こんなに強そうなボスをハメ殺しできるなんて」

「お兄ちゃん余裕だったね」

「推奨レベル7くらいのボスだったはずだけど、あっけないものだな」

(レベルアップしてLV4になりました~。闇魔法、シェイドⅡを覚えました~)

 脳内に謎の声が響く。


 リンダとマリアがまとわりついてきた。

「私達のほうが冒険者ランクが上なのに、ユウヤくんが仕切っていたね」

「いいんですよ、すごく頼もしかったです」

「ちょっ、ちょっと……」

「ハーレムを作るときは私達も候補に入れてね」

「年上の女性もいいものですよ……」

 左右のほっぺたにキスをされた。

 ラザリンがむくれている。

「お兄ちゃん、私が第一夫人なんだからね!」


 ダークエルフのメリアを確保して遺跡を出て目的地に向かった。

 霧はすっかり晴れていた。

 その後は何の問題もなくポーションをザルツ王国に届けることができた。


 ノウリプトンの町に戻ってきた。

 冒険者ギルドで報酬を受け取る。

 貯金が460万ゴールドになった。


 今日からは風呂と食堂のある高級な宿に泊まることにした。

 部屋は一つでダブルベッドが置いてある。

 夫婦用の部屋だった。

 今日からラザリンとここで暮らすのか。

 もう彼女を俺の嫁にするしかないな。


 宿屋の一階に食堂がある。

 外まで食べに行かなくていいのだ。

 俺はムクドリの焼肉とじゃがいもとベーコンのシチューを食べた。

 ラザリンは黒パンと卵と豚肉のスープを美味しそうに食べている。


 その後は、お風呂に入った。

 一階に宿泊者が共同で入る混浴風呂があるのだ。

 湯船に浸かって寛ぐ。

 ラザリンは俺の足の上に座って身体をもたれ掛けている。

 距離が近いなぁ。

 嫁だからいいのか。


 相変わらず他の男達がチラチラとラザリンの方に視線を送ってくる。

 俺の嫁の裸を見ようとするのは気に入らないが、混浴だから仕方ない。

 ラザリンを守るために身体をくっつけているのだ。

 俺は彼女の身体に手を回してギュッと抱き寄せた。

「お兄ちゃん……」

 彼女がうっとりとした顔をして俺に目を合わせる。

 幸せだ……。

 孤児院では孤独だったのに、ラザリンと出会ってからは夢のように幸せだった。


 ラザリンを幸せにするためにも、もっと冒険者として経験を積んで成り上がらないと。

 

 風呂から出て部屋に戻りダブルベッドで抱き合って眠った。

 ラザリンの柔らかな体を抱きしめて眠ったのでぐっすり眠れた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

よろしければブックマーク登録、広告下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ