第十二話 ナラク地底研究所
今回は冒険への出発です。エルフのフューメルが色々と謎が多くて……。
ユウヤSide
俺は今日もラザリンを連れて冒険者ギルドに来ていた。
貯金が2,900万ゴールドあるのでしばらくは働かなくても困らないのだが、大きな夢を実現するために稼いでおきたいのだ。
まずは王都に屋敷が欲しい。
大きな邸宅を持っていることは冒険者として成功したというステータスシンボルである。
メイドも美少女ばかり十人くらいは雇うつもりでいた。
功績を立ててA級冒険者になれば、男爵に叙爵されることもあるのだ。
平民から貴族に取り立てられた場合は、子爵までには出世する可能性がある。
ラザリンには貴族の夫人になってもらうのだ。
俺は貴族になってハーレムを作る気でいた。
リンダとマリアも俺のことが好きみたいだから、ハーレムに加えてやる。
ぐふふ。
欲望こそが生きる糧なのだ。
「お兄ちゃん、顔が崩れてるよ」
「はっ!?」
いかん。
ハーレムのことを考えていたら、涎をこぼしてニヤついていたようだ。
「もう、何を考えているかはだいたい分かるけど、仕事の話をしますよ」
ギルド職員のカリンさんが呆れたような声を出した。
両手で胸を強調するように体の前で腕を組んでいる。
よく見ると、白いブラウスのバストの部分に突起があった。
まさか、ノーブラなのか?
俺は鼻血を吹きそうになった。
「ノウリプトンの町から10kmほど東に行くとナラク地底研究所があるわ。そこの研究室で事故があって研究員が閉じ込められているの」
「救い出してほしいわけだな」
「そうね。研究所の中は侵入防止で罠が仕掛けられているから、研究所に詳しい人が同行するわ」
「どんな人ですか?」
「エルフの研究者でフューメルと言う人よ。ナラク地底研究所で働いたことがあるそうよ」
翌日、フューメルさんと引き合わされた。
驚くことに信じられないほど美人のエルフの女性だった。
研究者らしい白いブラウスと黒のタイトミニを履いている。
動きやすくするためかタイトミニには深いスリットが入っていた。
上からはロングコートみたいな白衣を羽織っている。
「よろしくお願いしますね。元ナラク研究員のフューメルです」
「俺はC級冒険者のユウヤです」
「妻のラザリンです」
「まだ、結婚してないけどね」
「仲が宜しいんですね」
カリンさんが任務について簡単に説明してくれる。
「ナラク地底研究所は古代文明のゴーレムを研究している施設です。中は魔物は少ないけどトラップが多いので少人数で潜入してもらいます」
「トラップは私が解除します」
フューメルさんが胸に手を当てた。
「地下五階に閉じ込められている五人の研究者を救助してください」
カリンさんの言葉に俺たちは頷いた。
「ユウヤさん。ちょっとお伺いしたいことが……」
「なんですか?」
「恋人はいらっしゃるの?」
「ラザリンが嫁ですけど」
「ラザリンさんはまだ子供でしょう。夜のお相手はどうしているのかしら?」
「そ、それは……」
俺は肩を落とした。
まだ童貞なんだ……。
「まだそういう事をするお方はいないんですのね。なら私が立候補してもいいかしら?」
フューメルさんの爆弾発言で俺の心は高鳴った。
こんな凄い美人のエルフと交尾できたら一生の思い出になるだろう。
「どうして俺に……?」
「一目惚れです。ユウヤさんはすごく清らかな瞳をしていますわ」
「そ、それは俺もフューメルさんみたいな美人と出来るのなら嬉しいです」
「まぁ、美人だなんて……でも、嬉しいわ」
「お兄ちゃん、またハーレム候補者を見つけたの?」
そばで黙って聞いていたラザリンが、ジトっとした目で見てきた。
「モテモテだね。でも、第一夫人は私だからね」
「そ、それはもちろんだよ」
俺って本当にモテるなぁ。
まさか、これが女神ディスティーネの加護の力なのか。
こんなにモテるんだから早く童貞を捨てないといけないな。
◇◇◇
冒険者ギルドで馬車を借りて色々準備した。
携帯保存食やポーションを積み込んで出発する。
今回の任務は俺とラザリンとフューメルさんの三人で行う。
魔物との戦闘はあまりないはずだから、トラップの解除が鍵を握るだろう。
例のごとく俺が馬車の御者台に座る。
後ろではフューメルさんがラザリンに房事について教えていた。
「ですから、〇〇を〇〇して……」
「うんうん」
ラザリンはメモを取りながら真剣に聞いている。
「〇〇が大きくなったら〇〇に入れるのです」
「なるほど~」
ラザリンは満面の笑みで頷いている。
ラザリンにこんなイケナイコトを教えるなんて。
いや、イケナイコトではなく気持ちいいことなのか。
それならいいのか……。
俺たちは孤児で親がいないからな。
普通の家庭だと年頃になったら親がそれとなく教えてくれるんだろう。
フューメルさんが親切に教えてくれているのなら感謝しないと。
色々と思うところはあったが、馬車は無事にナラク地底研究所の入り口に到着した。
見たところ普通の石造りのダンジョンのように見える。
「ダンジョンの中に部屋が沢山あって、それが研究室になっているの」
フューメルさんが教えてくれた。
入口の扉は閉じていたが、フューメルさんが左手に魔導書を持って右手をかざすと魔力が流れて開いた。
「気をつけてね、中はトラップが沢山あるから。私が先頭を歩くわ」
フューメルさんが先頭になり、そのすぐ後ろを俺とラザリンがついていく。
しばらく進んでいくと曲がり角に来た。
死角から魔物が飛び出してきた。
機械仕掛けの大きな蜘蛛のような化け物だ。
俺はフューメルさんをかばって前に飛び出でようとした。
フューメルさんは白衣の中から短剣を取り出すと、蜘蛛の化け物の頭に突き立てた。
雷のような火花が散って化け物は爆発した。
俺が呆気に取られていると彼女は笑った。
「これくらいの魔物なら私で対処できるわ」
魔法が使える上に短剣術も優れているのか、ただの研究員ではなさそうだった。
「先へ進みましょう。気をつけないといけないのは賞金がかかっているボスモンスターよ。五階までの何処かに脅威度Bランクのカニロイドがいるわ」
脅威度BランクならC級冒険者の俺たちには荷が重いな。
俺の不安を感じ取ったのか、フューメルさんが微笑みかけてきた。
「無理して賞金首と戦わなくていいのよ」
そう言われて少し安心した。
五階の研究員を全員救助すれば依頼達成になるのだから。
今回の任務は戦闘を避けるのも大事だな。
慎重に進もう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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