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井ぴエの毎日ショートショート  作者: 井ぴエetc


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811/1204

第811話 誰かの狂気

「うおおおおおおおお!」

 街道を走る。

 狂気のおたけび。

 手に持った刃物をふりまわす。

 誰でもいい。殺してしまいたかった。

 なにせ、もう、おれの命はないのだ。

 誰かを道連れに、あの世でもどこでもいってやる。

 警察どもがおれを捕まえることはできない。

 おれはすぐにでも、手の届かない世界に高飛びするのだから。

 余命一日を宣告された。

 こんなことってあるだろうか。

 最後の最後。それなら、自由にやらせてもらうだけのこと。

 別に人殺しが好きなわけじゃない。人を殺したことなどない。

 こうなれば、やけっぱちというだけ。

 やってみれば、案外楽しいかもしれない。

 なにごとも経験。こんなときでなければできない経験だ。

 道の向こうから誰かが走ってきた。

 誰でもいい。

 あいつでいい。

 おれは刃物をふりかざす。

 しかし、相手の手にもまた、ぎらぎら輝く刃物がにぎられていた。

 返り討ちにあったおれは凶刃に倒れ、命を落とす。

 最期の瞬間、おれを殺した誰かさんの声が聞こえた。

「ぼくの命は今日までなんだ。こうなれば好きにしてやるさ……」

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