マークの意味
「トランプの枚数で寿命が決まる?どういうこと?」
意味が分からない。
「意味はそのままなんですけど、ちゃんと説明しますね。まず最初に確認したいんですけど、トランプの購入した時の枚数って知ってますか?」
指折りをしてみるか。・・・いやいや、トランプって結構多いよな。
「えっと、AからKで13枚。それが4種類だから13✖︎4・・・52枚か」
「そうですね。そして買った時ってジョーカーが2枚あるので54枚なんです。」
「あっ、そうか。ジョーカー・・・。あっ、そういうことか。1週あたり1枚で54週までトランプを消費したら向こうっ!?」
イブがすごい勢いで口を抑えてきた。
「ちょっと待った。早く自己解釈しすぎです。読者に嘘設定教えたらダメですよ。」
嘘設定って何?
「ちゃんと説明しますからね。54週って解釈はあってます。ただ、消費は違います。この世界ではトランプを交換するんです。」
「ん?交換?どういうこと?」
「あそこを見てください。」
イブが指差した。何だあれ?グランドに円形に引かれてる白線みたいだな。
「あれは?」
「あそこに毎週水曜日、つまり今日ですね。集まってこの世界の人たちとトランプを交換するんです。」
「トレカみたいな感じ?」
「ああいうのとは違います。けどこの交換ってのがこの世界のミソになるんです。」
「まあ、ただ交換するだけじゃ終わらないよな。」
「やけに理解力が上がりましたね。さっきまでと違って」笑いながら言った。
「え?馬鹿にされた?」
「馬鹿にしてませんよ。ちょっと下に見てるだけです。それで続きですが、トランプの種類って分かります?」
やっぱり馬鹿にしてるだろ。
「ハート・ダイヤ・スペード・クラブだろ?」
「そうです、それがポイントなんです。」
「どういうこと?」
「それぞれの種類に意味があってそれを相手に渡すと相手にその効果が出るんです。」
「意味?効果?」トランプに意味なんてあったの?
「意味はハートは愛情。ダイヤは財力。スペードは行動力。最後にクラブは知識力ですね。」
知らなかった。そんな意味があるんだな。
「それで数字が大きいほど自分に与える影響が大きいんです。」
「さっき言って効果ってやつか。」
「そうです。例えば私があなたに対して(明らかに好意的なのにずっとツンツンしてて素直になって積極的になってほしい。)と思ったとしましょう。」
「一生無いだろうけどね。」「は?」
「すいません。」眼光が怖い。
「すると、その思いが大きいほど大きい数字のスペードがあなたに渡されるんです。そしてあなたから見て私があまりに馬鹿に見えたら」
「それはあるかも」「何いっとんねん、冗談に決まってるやろ」「」
関西出身なのかな、怖かった。まあでもそりゃ怒るよな。顔は元の冷静な綺麗な表情に戻って
「その時はクラブが渡されて交換されます。」
「なるほど。けどこれってそんな重要なの?」
さっきまでの表情が強張ったように見えた。
「もちろんこの世界でも意味があります。ダイヤつまり財力が増えればその分食事や住むところ何もかもが目に見えて増えていきます。ただ、肝心なのは死後です。」
「死語?元の世界に戻った時か。」
「さっき言ったこと覚えてます?やったことが自分に返ってくるって。」
「ああ、殺そうとしたら自分にも返ってくるってやつね。・・・まさか」
「そうです。こちらの世界でお金持ちになったら元の世界でもお金持ちになるんです。」
「なるほど、言うなれb」
「言うなれば、人生逆転異世界転生でしょうかね。」
こんな綺麗なドヤ顔被せ久しぶりに見た。
遮ってまで言われたけど、確かにここで人生やり直せるといえばやり直せるな。
「けどそんなこと信じられないな。根拠とかないの?」
「根拠・・・?ああ、聴いた話では2年前くらいに急に出てき始めた芸人いたじゃないですか、借金まみれでギャンブル大好き芸人のKOUKIさん。」
「あの借金自慢してる?」
「そうです、あの人はこの世界で色んな人にダイヤとクラブを渡しまくってその代わりハートとスペード貰いまくってあんな感じになったらしいですよ。」
信じられないけどここまで真っ直ぐの目で言われると信じざるおえないな。
「そんなことはいいんですよ。で、最後にトランプについて言っておくことがあります。」
「まだあるの?」
「これで最後ですから。先ほど2週間短くなるって言ったじゃないですか?」
「ああ、早く帰れる方法ね。」
「まだ残ってるカードがありますよね?」
「えっあっ、ジョーカーか」
「そうです、ジョーカーを使うと無くなります。」
「あっ、無くなるの?」
「無くなるんです。人に渡すこともできないです。じゃあどういう風にしたら無くなるかというと嘘をつくと無くなります」
「嘘?」
「正確には人を傷つける嘘ですね。」
「じゃあ例えば今日の晩御飯ハンバーグって言ってメンチカツだったら」
「そんな極悪非道な嘘ダメに決まってるじゃないですか!!!!」
メンチカツにどんな恨みがあるんだよ。咳払いをしてイブは続けた。
「冗談はさておき。人それぞれ傷つくことは違うので気をつけた方がいいですね。」
「分かった」
「私からは以上です。何か質問は?」
こんな状況になったんだ。何かありそうだけど・・・。あっ
「大事なこと聞かなきゃいけなかった。」
「急に真剣な目になりましたね。なんですか?」
「俺、どこに住んだらいいんだ?」
・・・
「あはははは、そんな目で言うからどれだけ重要なことかと思ったら」
「大事なことだろ」
「そうですね、大事なことですね。あー、おかしい。涙出てきちゃった。」
イブは目を拭いた後言った。
「しばらくは私と同じ部屋で暮らしてもらいます。」




