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スライム農園1

魔王城を出て、再興郷第一層中央広場に向かう。

隣にはシルヴィアさんが一緒に歩いている。

補佐官……もとい、先代魔王から秘書をやっているということもあってか、分からないことがあれば彼女に聞きながら作業をするのが日常になってきた。


それでも疑問に思った事などが出てくることがある。

例えば、今歩いている再興郷内部の環境状況だ。

再興郷は地下空間……それも、地下水路を再利用している施設なのだが、湿気などが感じないのだ。


(思えば、ここ元々地下水路の中に建設した地下都市だよな……その割には全然ジメジメしていないし、温度も適温……おまけに臭いなども籠らないから過ごしやすいな)


地下空間なのに過ごしやすい温度と湿度、そして臭いが籠らないので快適に過ごせているのだ。

だいたい気温は20度前後だろうか。

湿度も40パーセント近くなので、乾燥しすぎて喉や目が痛くなることもない。

これは明らかに何か外的要因等で調整されているのだろうか?


15年以上の年月を掛けて居住空間を広げたとはいえ、数百年が経過した状態で発見されたはず。

そのままの状態であったら、貯水をしていた関係上水などによって湿気まみれになっていてもおかしくはない。

それなのにジメジメとした感覚はない。


さらに下層には地下水などがまだ通っている状況なのに湿気がないのと、過ごしやすい温度で保っている状態というのは不思議だ。


下層階には飲用水や貯水湖に流れている水があるのだが、階層ごとにフィルターなどが発動しているのか?


(なんでこの場所……いや街は快適な条件で動かしているんだ?都市建設ゲームとかだと何かしら制約や条件などがあるはずだけどな……)


通常では少し想像がつかないが、翌々考えれば魔法が存在している世界。

魔法を使って地下の居住空間で快適に過ごせるようにしているはずだ。

ステータス画面でもどうして快適な環境にしているのか、詳しい記載がなかったのでここはシルヴィアさんに聞いた方が早そうだ。


俺はシルヴィアさんに尋ねる。


「それにしても、地下空間にいながら空気が湿気っていないのが不思議ですね……シルヴィアさん、ここは魔法とかで調整しているのですか?」

「それに関しては魔法を使っていますよ。風魔法、適温魔法の二種類を使っています」

「魔法を二種類使っている……?」

「はい、まず巨大換気扇に風魔法を付与して地下の湿気と熱を逃がす構造にしているのです。適度に換気口を通じて熱の籠った空気を逃がし、反対に外の空気を取り入れるようにしているのです」

「風魔法で換気扇を動かしているのですか?」

「ええ、巨大換気扇でも魔法を付与すれば5日間は自動的に動いてくれますよ。ただし、定期的に魔法を付与しなければならない制約はあります」


この巨大地下空間には空気などを送り込んだりしているがあり、外の空気を取り入れると同時に地下から籠ってくる熱や湿気を逃がす為に動かしているという。

空気の循環システムは停止こそしていたようだが、魔法を付与することによってカバーする事が出来たようだ。


「では、この再興郷が適度な温度に保っているのも同じ系列の適温魔法を使っているというわけですか?」

「その通りです。毎朝魔術師が居住区画全体に適温魔法を唱えているのです。これは外の空気を取り入れる巨大換気扇に風魔法と一緒に付与しております」

「成程、風魔法と同じように定期的な付与が必要というわけですね」

「そうしないと、すぐに温度が上昇してしまいのです」

「どのくらい温度が上昇するのですか?」

「10度以上は変わってしまいますね。魔法が付与されていないと物凄く暑いですよ」


10度以上暑い上にジメジメとした空間であれば、体感温度もさらに上昇するだろう。

蒸し風呂に入っているような状態になるだろう。

現に、シルヴィアさんもこの再興郷である『帝都外郭放水路』を見つけた際は、物凄く蒸し暑かったと語っている。


「この場所が発見された当時は、ジメジメと湿気があっておまけに温度も高かったですから……それはもう辛かったですよ」

「そんなに辛かったのですか?」

「考えてみてください。気温が30度以上あるのにジメジメとした空間で、身体で感じる体感温度が物凄く暑かったのです」

「30度以上で湿度が高いと辛いですね……」

「……とてもじゃないですが、上に身に着けていた服を脱いで調査したほどですから……べとべとしていて気持ち悪かったですよ」


話を聞く限りだと、相当ジメジメと熱気が凄かった空間だったようだ。

地下空間で湿気と熱気が籠っていた状態だと相当過ごし難い。

でも、風魔法と適温魔法を付与したお陰でその心配もないのか。

軽くチートじみたことになっている。

魔法で解決するのはやはりファンタジーゲームの特権というべきかな?


「成程……それで魔法を使って快適な温度管理をしているというわけですか?」

「それもありますが、一番は気温が高すぎるとスライムやリザードマンといった変温魔族は活動ができなくなってしまいます」

「気温が高すぎても問題というわけですか……スライムとかは割と高温でも耐えきれるイメージがありましたが……」

「気温が高いとスライムは身体の組織が崩れてしまうのです。スライムたちにとって、高温は天敵なのですよ」

「成程……それで過ごしやすい温度に調整する適温魔法を付与しているのですね」

「はい、彼らの健康状態を維持するためでもあるのです」


風魔法と適温魔法の両方の併用によってこの再興郷は地下空間でありながら快適に過ごせるというわけだ。

詳しく説明をしてくれるシルヴィアさん。

彼女の説明を聞きながら、再興郷の地上部分に作られたスライム農園に足を運ぶのであった。

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