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0-0.なぁに、ひとりで たそがれてるのよっ。

 過ぎ去る坂道の色。 切ない想いが 胸に迫る。 ためらいと あきらめの面影は、もの哀しく、陽炎は、アスファルトを ゆらゆらと揺らす。 会いたくとも、君は もうここに居ない。 さっきと同じように、石ころを ひとつ蹴り、ボクは、空を見上げた。


「なぁに、ひとりで たそがれてるのよっ。」


 え? 泰葉っ?



[乃木坂の事件簿]  【 1-0.プロローグ 】



 とうとう その日がやって来た。どうやら、あの桜の木の根元を、掘り返すらしい。


 乃木神社を西へ・・・道は、外苑東通りへと上る。葉桜は、新緑で覆われ始めた。


「・・・もう、春は、終わりだな。」


 あぁ、そういえば、今年も、【梅の御守り】を買い忘れたな。 もう、ボクには 必要ないけれども。


 そう呟いて石を蹴飛ばすと、駐車場の三毛猫が、ミャーと、小さくため息を吐くのが聞こえた。猫は、物憂げな表情を浮かべて、空を見上げる。その視線の先・・・雲一つない青空。なにもない深い青色。ボクが、手に持つ【桜の御守り】は、去年のものだ。


 梅の花はもちろん、桜の花びらは、もう散ってしまった。 それでも、ボクは、あの日の事を思い出すだろう。


 あの、かわいい桜の妖精の姿とともに。

桜より梅が好きな人は、高評価を押して次の話へ⇒

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