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第722話 男性限定!男夜(おとこナイト)


 女性限定甘味イベント、ガールズデーを行なった翌日の夕方過ぎ…。再び僕はギルドに併設された酒場の厨房にいた。既にギルド内からは女性たちの姿はない。それはシルフィさんたち受付嬢もまた例外ではなく、ここにいるのは男性たちだけであった。


 また、今回は際限なく客が来てしまっても困るので参加できるのは冒険者のみという入場制限を行った。その甲斐あってギルド内にいるのは男性冒険者のみであった。


「ではこれより…男性限定イベント、男夜おとこナイトを開催いたします!」


「「「「うおおおおっ!!!!」」」」


 僕の呼びかけに応じてそこら中から野太い歓声が上がる、僕はそこに商品説明を加えていく。今回の為に用意した商品を集まってくれた皆さんによく見えるようにトングで掴んで高く掲げる。いつもの大量買いをしているスーパーで在庫全て買い込んできた冷凍のウィンナー、特筆すべきはその大きさである。


「今回、ご用意いたしましたのはッ!!朝に販売するパンの中でも人気のウインナーパンのスペシャルバージョン、いつものウィンナーが凶悪なくらいに極太になっています。見て下さい、コレです!」


 ざわっ!!


「す、スゲェぜ…」


「あ、ああ…。立派過ぎる…」


「ゴクリ…」


 一般的には普通のウィンナーは一本が二十グラム前後だといわれる。だが、今回用意したのはそれよりはるかに長大な125グラムにも及ぶ。そんな大迫力なウィンナーを見ただけで男たちから騒めきが起こった。抱いたのは驚きか畏怖か食欲か…、様々な印象を持ったようだが共通しているのは掲げたウィンナーから目を離せずにいる。


「どうです…、凄いでしょう…?」


 ニヤリと笑いながら僕はウィンナーを鍋に入れた。


「このウィンナーをですね…、アツアツに茹でてやるんです…。それをね…この切れ目を入れたコッペパンにはさんで…、ちなみにホットドッグっていうんですけどね…これを皆さんなねご提供いたします。ちなみにお値段はいつもと同じ白銅貨五枚シロゴ(日本円で五百円相当)、白銅貨五枚シロゴでのご提供です!」


「こりゃ…ヤベェぜ…」


「おお、実に立派だぜ!」


「ちなみにウィンナーを茹でている大鍋は三つあります。真ん中のは肉を腸詰めにしたいわゆる普通のもの。そして左のはハーブを刻んだものを混ぜたもの、右のは肉の中にチーズが仕込んであります。お好みでどうぞ」


「おう、分かったァ!」


「あとは味付けにケチャップやマスタード、他にも定番のマヨネーズがあります。あと、マヨネーズでも少し色が違うのもわりますよね?あればワサビ風味やメンタイコ風味など少し味を変えたマヨネーズです。是非、お試しください。それでは販売ッ…、スタートォォッ!!


 ドドドッ!!


 既にお金を払った冒険者たちがコッペパン片手に鍋に押し寄せ好みのウィンナーを掬い上げる。それをパンにはさむとケチャップなど調味料を思い思いに手に取る。


「ぐはははっ!!やっぱ『まよねーず』だな、『まよねーすま』!!し、しかも今日は三種類もありやがるぜ!へへっ、みっつとも俺ばはかけちまうんだもんねー!!」


 妙なテンションでナジナさんが三種のマヨネーズをかけたホットドッグを作っている。一方でやはりというか一番人気はケチャップである。そこにマスタードをちょいと付ける一般的スタイルが異世界でもやはり一番人気のようだ。特にウォズマさんはピリッとした味が好きなようで少し多めにマスタードを…おや?粒マスタード入りの方も少し使って自分好みの味を作り上げている。


 生まれた土地や種族がバラバラなので味の好みもそれぞれである。初めて目にするであろうハーブ入りのウィンナーも人気のようだ。肉は好きだけどあまりあぶはっこいのは…という人が好んで手に取っている。


「うんうん…、良かった。売れ残っちゃったらどうしようかと思ってたけど…」


 その上々の反応に僕が思わず安堵しているとどこからか高い声が上がった。


「ああぁ〜んッ!!すごォいィィ!!ア、アタシ、アタシッ…どうにかなっちゃいそうよォォンッ!!」





 次回予告


 『連載開始以来、ゲンタ最大のピンチです』


 お楽しみに。

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