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第711話 異世界に建てよう、和風建築!!


 ひょんな事から土地を得た僕はここに家を建てる事にした。それはもちろんこの世界における結婚生活の為。


「どんな家にしたいかっていうのはもう決めてたりしてね」


 僕は自宅アパートの部屋にあるパソコンで調べた書院造の建物の画像をプリントアウトしていた。それは修学旅行でもおなじみの慈照寺銀閣。現代日本の和室の基礎にもなっているとされる建物に僕はそこはかとなく愛着を感じていた。そこで異世界に身を置いているけれども日本人的な自分のルーツを忘れない為というか静かな自己主張のような思いを胸に異世界で日本建築を建てようと考えた。


 様々な画像を紙に印刷してガントンさんに見せて相談すると彼だけでなく弟のゴントンさんもニヤリと笑って口を開いた。


「見た事もない建物じゃが…」


「やってやれないものじゃないべ」


 そう言ってくれたので新居はガントンさんたちドワーフ職人の手による建設になった。これは正直とても贅沢な事、ドワーフの手による建物は貴族とかの住まいや大きな神殿ぐらいしか見受けられないらしい。日本で考えたら将軍家や大名の城とか屋敷、あるいは現代でもその姿が残り観光名所になっている大きなお寺や神社ぐらいの感覚だろうか。有名な建築家とか宮大工の職人さんが手がけた建物、いずれにせよ一般人が持てるような住宅でないのは間違いない。


 また、奥さんになってくれる予定のシルフィさんたちに建設予定図といった感じでプリントアウトした外観を見せたら変わってるけど良いんじゃないかという返答。特にシルフィさんは木を存分に使った建材、そしてさらに工夫を加えると日本の建築の技術を用いて手間はかかるが一本の釘も使わずに建てる事も出来る事を知ると大賛成してくれた。


 それというのもエルフ族は友とも言うべき精霊たちが鉄を苦手としている事から自分たちも鉄からなるべく離れようとする。ただ、生活には鉄で作った道具は不可欠な事も理解しているから忌み嫌うというほどではない。そんなシルフィさんに住居となるものに鉄を使った釘がなければ精霊たちにとっても居心地の良い場所になる。彼女にとってはそれがとても嬉しかったようだ。


 そんな訳でマオンさん宅の裏、地続きの場所に自分の城とも言うべき居を構える事になった。幸いな事に裏の土地は広くちょっとしたスーパーの店舗と駐車場を合わせたくらいの面積がある。うーん、こうなったらとことんこだわるかな。実際の銀閣のように建物の周りに池を配すとか…、異世界に日本の文化を持ち込んでみようかな。中世ファンタジー的な世界も良いけど和風の庭園を作り心のよりどころになるような…、そんなのが良いかも知れない。そもそも書院造の建物の周りにある庭は鑑賞用だ。それを見て心を落ち着ける、なんならもの思いに耽ってみるのも悪くはないか。今後どうしていくか、ゆっくり考えていこう。


 そうと決まればもうすこし書院造の事を調べてみよう。どんな家にするか…いや、素晴らしい家になるように考えていこう。






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