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第707話 その家、建てる必要あります?


「やっぱり豪商が構えるような豪華な屋敷かな?」


「いやいや違う!ぬすが来るかも知れねえ!要塞みてえな堅い守りの建物にするんだ!」


「あ、あの、お二人とも、僕はそんな豪華な家でなくても…。それとグライトさん、要塞みたいなものは建てられませんよ。ナタダ子爵家だって城は持ってないんですから…」


 当事者である僕よりも盛り上がっているナジナさんとグライトさんを宥めるように声をかける。僕が屋敷を持つ…、そんな事は考えてもいなかった訳だけどグライトさんの言う要塞みたいな家を持つ訳にはいかないからそこはちゃんと言う事にした。


「ん?なんでだ?守りを固めるのは大事だろう?なんたって新人ルーキーは金持ちなんだから用心は必要だろう?」


 ギルド内の明かりにスキンヘッドの頭を光らせながらグライトさんが応じる。


「いや、城を持てるのは基本的には伯爵家以上の家格がないと…。それも王室となんらかの姻戚があるような…、それがない人が勝手に要塞みたいなものを建てたら王家から反乱を計画してるんじゃないかと疑いを持たれてしまうかも知れませんよ」


「そ、そうなのか?うーむ、それはいかんな。だけど新人ルーキー、よくそんな事を知っているな」


 正直に言えばそんな法律とかしきたり、取り決めがあるかどうかは分からない。だけど江戸時代の事とかを考えると…、僕は高校では日本史の授業を選択したし戦国時代とか江戸時代の事に興味があるから雑誌や本を読んだりもする。その中には江戸時代の大名制度の話もあり彦根とか姫路のような石垣やらくるわ、そして天守閣を持つような有名で大きな城もあれば石垣などはなく堀や塀などがあるだけであとは陣屋だけの地元だけの人が知るような知名度があまりなく小規模な城もある。こういう城は大名とはいえどもいわゆる大身たいしんではない家のものだったりする。


 そんな観点から言えば勝手に要塞みたいなものを建てる訳にはいかない。ナタダ子爵家にそんなつもりは無くても町にそんなものを建てるのは屋敷の手前に前線基地を建てているんだろうなどと難癖をつけられるかもしれない。僕はそのあたりも付け加えて話していく。


「たまたまそんな話を聞いた事があったような…。まあ、そうでなくても現在の僕はモネ様の婚約者という事になっていますので…、そのあたりからもナタダ子爵家にご迷惑をかけられませんから…」


「ふむ…、なるほどね。ところでゲンタ君…」


 僕た地のやりとりを聞いていたウォズマさんが口を開く。


「はい、なんでしょう」


「君はナタダ子爵家のご息女、モネ様の婚約者だ。そのあたりはどうするんだい?」


「え?ど、どうする…とは?」


「仮にこのまま結婚する事になればおそらく君はナタダ子爵家の屋敷に迎えられる事になるだろうし…」


「な、なるほど…」


「それにね、これはゲンタ君ひとりが住む訳ではないからシルフィ嬢たちの意見も聞いてみたらどうかな。これから夫婦になるのだから…」


 さすが奥さんがいるウォズマさん、この意見はごもっとも。そんな訳で僕はシルフィさんたちに話を聞いてみる事にしたのだった。

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