ここから引き上げる×
フードを被っていると大丈夫だ。
落ち着いていられる。
いやそれどころか
俺は救ってやったんだ!
死にたくてたまらないやつ、
毎日死のうとしてるやつ、
生きてたって仕方ない奴がごまんといるなかで、
死にたいという願いを叶えてやったんだ。
思いとどまらせることもした。
何も悪くなんかない。
「テスラ、お前はこれを知っていたのか?」
「はい。すべて知っておりました。」
「言えば俺がやりたがらないだろうと
言わなかったのか?」
「そうです。すみませんでした。」
「これはつまりは
人の生死に関わって
誰かが死ねば夢に近づいていくって
ことなんだよな……」
「そうともとれますね……」
「べつにまぁいい、俺はこのナイフで
死にたがり達を殺せばいいんだからな。
」
「秋川様、私とともに、どうか夢をつかみましょうね。」
こんなことなら、さっきこいつを刺していればよかった。
「あぁ、そうそう。
さっきお前を刺しかけたよ。
パーカー切って凌いだけどな。」
「そんなことがあったのですね。
そのパーカーのせいですよ。
お気になさらず。
あなたと私はパートナーです。
困ったことがあれば
いつでもおっしゃってくださいね。」
「殺されかけたのによく平気でいられるな。」
「慣れっこですから…ふふふ」
相変わらずの笑顔で答える。
周りの人たちは落胆するもの
盛り上がっているもの様々だった。
泣いている人もいた。
誰かはドロップアウトしていくのだろか?