羊を被った、、、×
無機質な廊下をあるき
エレベーターでエントランスに向かう。
ここは1階、
エントランスとやらは地下にあるみたいだ。
ドアが開いた時、驚く光景が目の前にあった。
さっきまでの装飾とはうって変わって
豪華な装飾、
赤を基調とした壁紙
金色のカーテン
巨大なシャンデリア
巨大なスクリーン
何もかもに圧倒された。
「すごいですよね!
はじめて来たときは心おどりましたよ。」
「あぁ…すごいな…」
…!
なんだこれ!?
エントランスの4分の1は占めるだろう場所に
何メートルもある巨大な木があった。
「あれはここの
“VIP”の方たちの席ですよ。」
「“VIP”?」
「ゲームでたくさん敵を倒して、
ポイントを多量にもっている人のことです。
ここでは手に入れたポイントで
いろんなことができるんですよ。」
「ポイントで大きな木を作ったのか?」
「ええ、そうです。」
ふと見上げるとそこには、
自分の背丈と同じくらいに長く
ふわふわの白いパーマのかかった髪の人が
大木に腰かけていた。
髪で顔が見えない。
羊のフードを被っていた。
能力に関係してくるんだろか、、、、。
見ているとふとこちらを向き、目があった。
…!
青い瞳、白い肌
なにより表情、、、
人を殺すのを
なんとも思わないと言うか、
なんとも表現しがたい、
警戒心が働いてしまう雰囲気を
表情から読み取れた。
あいつはヤバイやつだ。
「おい。あいつは誰だ?」
「あの方ですが?
あの方は、レイチェル・ブラッド。
ここでもっともポイントを所有している方です。」
「あいつと戦ったりもするのか?」
「いえ、どちらかというと
共闘ですよ。
今のところ、敵はここにはいませんよ。」
内心ほっとした自分がいた。
「もうすぐゲームの説明がはじまりますよ。
あの方にみとれてないで席につきますよ。」
「だっだれが見とれてるだ!
ただ見ただけだ!」
「ふふふ…まぁこの辺りにでも座りましょう。」
「あぁ…」
席に着くとそのタイミングを待ってたかのように
映像がスクリーンに写し出された。
ようこそ、
殺戮ゲームの世界へ。
共に夢をつかみましょう。
そんなメッセージとともに、
男がスクリーンの中に現れた。