天国と花言葉
登場人物
ユリカ
車にひかれ、亡くなったネコ。
主人公に木の下に埋めてもらい
夢の中で恩を伝えに来る。
家の近くの道路にネコが倒れているのが
窓から見えて、私は慌てて外へ飛び出した。
青い首輪をしたネコがぐったりと横たわっている。
車にひかれてしまったのか、
すでに天国に行ってしまっていたその子を
モミジの木の下に埋めることにした。
帰り道、涙が止まらなかった。
泣き疲れて、いつのまにか眠ってしまったようだ。
色とりどりのイルミネーションが彩る
夜の庭園に気がつくと立っていた。
カ「ここはどこなんだろう?」
楽しそうに話しあう人々をかき分けて
一人の女性が私のところにまで来ると、
こう言った。
ユ「とっておきの場所にまで案内するわ」
彼女はユイカと名乗った。
金色に輝く階段を登り、彼女の後をついていきます。
そこには見たこともない花が咲いていました。
ユ「モミジの木の下に名もなき花が咲くでしょう」
カ「実は今日、かわいそうなネコが亡くなっていたから
その木の下に埋めたんだ。それって関係あるかな?」
ユ「とにかく花を見てくれれば全てわかるはず。
今は説明している時間がないのですいません」
カ「どうしてあてにならない人や
動物がいるのかな」
ユ「どうにかなる世の中になればいいんですけどね。
どんなに技術が発達したところで
命には限りがあるのかもしれません。
ところでこんなに美しい場所に来たのは
これが初めてなの」
カ「私もここまで美しい夢は見たことがなかった」
ユ「どうやらここまでのようね」
よく見ると、ユイカの姿が真っ白く輝き始めている。
カ「どうしたの?」
ユ「次、生まれてくる時はすばらしい日々だといいな」
彼女は突然消え、青い首輪がぽつんと残されていた。
何ヶ月か過ぎて、モミジの木に埋めたネコの墓から
白い花が咲いているのを見つけた。
ダイヤモンドリリーという花らしい。
花言葉は「また会う日を楽しみに」だ。