シホと消えないしゃぼん玉
シ「わああ、ひさしぶりに会えて
うれしいです」
カ「いきなり背後から抱きつくから
おどろいたよ」
シ「今日、目いっぱい遊んでくれて
楽しかったです」
カ「シホなの?」
シ「そうでっすよー」
カ「なんだかまだちょっと信じられなくて。
一度くらい現実でも人間の女の子として
出てきてくれたらいいのにな」
シ「いっしょにシャボン玉吹こうー」
カ「いいよ。あれ、なかなか膨らませられないよ」
シ「大丈夫?」
カ「ようやくうまくできた」
七色にまばゆく輝きながら、
ふわふわと泡が飛んでいきます。
夢の中だからか、いつまでも消えないで
私たちのまわりを気まぐれに漂い続けています。
シ「あはは、きれいだね。泡さんがいっぱいだー」
カ「現実じゃすぐに消えちゃうのにな。
夢の中みたいにいつまでもなくならないでいたらいいのに」
シ「あるよ。ここにあるよ。なくならない愛が」
そう言うと、突然シホが私の手を握ってきた。
カ「手、あったかい」
シ「私、人間のこと信じてたいんです。
でもそれもあなたがいてくれたから」
カ「夢なのがもったいないな」
シ「起きても、そばにいるからね」
カ「ありがとう」
朝、目が覚めると私の身体の上に
のんきにシホが眠っていた。
頭をなでたら、耳をぴょこっと動かしたりして
かわいい。