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風が強い。

作者: 牛丼はやまかけ


とてもくだらないけど、こんな日常きたらちょっと笑う話。そんな考えのもと、お話を書きました。

風が強い。〜カツラ編〜




風。それは空気が流れる現象であり、時には強い日があったり、弱い日があったり。さらには気温が手伝い、気温によって、冷たくも暖かくも感じる。



まあそんな当たり前な話しは置いとこう。なぜ話したかって?そんなのただの気まぐれだ。


強いて言うなら、一つは、俺が理系の大学生だからということ、


そして、もう一つは、今日はやけに風が強いからだ。


それにしても風が強い。

ヒュオオオ、ではなく、もはやビュオオオというような音が、俺の耳に響く。


周りの木々も横揺れだけではなく、縦にも横にもグラグラ揺れまくり、折れるのでは?という不安も少しよぎる。

しかも木々だけではなく、道に転がっている紙くずも、なかなかのスピードでカラカラ音を立てながら転がっていく。


近くにいる歩行者も、風が強いため、前を向けず、踏ん張って一歩を踏み出し歩いている感じた。


そして俺もまた、一歩一歩踏ん張ってあるいている。


それにしても風が強い。

こんな日は早く帰宅してしまいたいが、普段のようにスタスタ歩けないがために、帰宅に遅れる。


風、素直にうざいな。


あまり感情を荒立てない俺も、さすがにイライラしてきた。

音はすごいし、前に進めないし、やっと前に顔を向けたらと思ったら、ちょいちょい砂やらゴミくずが顔に当たるし。


ふぅ。疲れたな。早く帰宅してしまいたい。

 

ビュオオオ!!


すると突然、今までとはケタ違いの突風が一瞬俺達を襲った。


「うわっ」


さすがの俺も、突然の突風には驚いた。


ふと、周りを見渡せば、


「きゃあ!!」


叫びを上げる女性。


「わ、わしの、、、がぁぁあ」


叫びというか、嘆いているじいさん。

あのじいさんに関しては、何かを無くしたのか、頭を抱えている。


残念だな、風を恨め。と、じいさんにお悔みを申し上げていたその時、


パサッ


という音と同時に、俺の視界は真っ暗になった。


なんだ?何かが顔に飛んできた。


なんというかファサファサしている…とても髪の毛に似てる感触というか… 


毛?かこれは。なんで毛が飛んでくるんだ。


俺はこの毛のようなファサファサしたものを取ろうと手を伸ばした瞬間、


ビュオオオオオ!!!


また突風だ…!しかもその突風によって手は伸ばせず、取れないない上に、顔にさらに密着してくる。


あーもうファサファサする!

かゆい!!

鼻を地味に刺激してる!むずむずする!


ちくしょう、早く取りたい!


そして再び取ろうと手を伸ばすと、


ビュオオオオオ!!!


またか!!また邪魔して来やがった!!


さらに顔に密着してきたし、俺はこいつといつまでディープキスしてればいいんだ!((半ばヤケクソ


あーもう、そもそも何だこれ。

毛みたいだけど、てかなんで毛が飛んでくるんだ。


いや、でもまて、普通に考えて、


毛が飛んでくるか…??


理論的に考えて、毛というものは、何かの物質に生えているものであり、単体で飛んでくるとしたら、たんぽぽの綿毛とかの少量の毛なら一気に飛んでくる可能性はある…


しかし、今俺の顔にあるのは、膨大な量の毛。


もしや、なにかの生き物が俺の顔に?

犬?猫?

にしても小さい、いや俺の顔がでかいからそんなこと無いとか?((自分で言ってて悲しいな


いや、まて、それ以外となると…


地球外生物か…??


これはまさか地球外生物!

毛むくじゃらの生物が飛んできたというのか!!!


これはすごい発見だが恐ろしい…!!


未知なこいつを野放しにすることで、この世に何が起こるかわからん。毛で人類を滅ぼして来るかもしれない…


なんて危険な毛だ。


だがしかし、それを回避するには…


今俺の顔にくっついてる、ということは俺にしか出来ない。


つまり、俺にしかこの世は救えない…!


何と言う使命!!


そしてこの未知な生物を捕獲した事によって、様々な研究機関からは、


ファァァンタスティ〜ッッック!!!


という賞賛の声が飛び交うに違いない!!!


そして晴れて俺は名誉賞を受賞し、さらには専用の研究所を持ち、また新たな発見をする完璧な循環!


素晴らしい…この毛むくじゃらの生物、なんとしても捕獲せねば。


それにはこの風をどうにかしたい。


風、やめよ風!


すると、俺の念が通じたのか、風がピタリとやんだ。


これからビッグな研究者になる俺の力にひれ伏したか、風よ。フッ。


そしてその瞬間、視界が明るくなり、同時に足元にファサ、と、何かが落ちた。


顔からとれた解放感を感じつつ、視線を下に向ける。


そこにあったのはやはり毛。


こいつが毛むくじゃらの正体か。


見た目は、なんというかやはり毛むくじゃらだし、色はなんというか、シルバーか?これは。


俺が毛むくじゃらを観察していたら、向こうのほうから、さっきいたじいさんがトコトコやってきて、


「おーい!そこの若いのぉー!それはわしのじゃー!」

と叫びながら俺を呼んだ。


この毛むくじゃらの持ち主!?

そういえば、突風きたとき、なんか頭かかえてたわ、このじいさん。


大事な物無くしたのかとは思ってたけど、これか大事なもの。


この毛むくじゃらの持ち主だとしたら…


このじいさん…やばい人なんじゃ…!?


俺の計画が崩れる!!


俺はじいさんに言った。


「この毛むくじゃらは危ないから俺が保護しておきます!」


そしてじいさんは俺に言った。 


「保護じゃと!?そいつは渡さん!それはわしの、



カツラじゃ!!」




「は!?」


俺はじいさんの言葉を聞いて、また毛むくじゃらを見た。


か、カツラ…そうか、カツラなのかこれ…


カツラ、この三文字によって、無常にも俺の野望は消え失せた。


「お前には必要ないじゃろ若いのぉ!ワシのかつらを保護して何がしたいんじゃまったくー」


そういってじいさんは、俺の足元にあるカツラを取り、自分の頭にファサっとかぶせ、トコトコ行ってしまった。


俺はそれをボーッと眺め、立ちすくんでいた。


ヒュオオオ


また風がふく。






一言、とてもくだらない話でした笑

またつらつら書きます。

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