度数6未知との出会い【中】
眠っていたシマを起こすアルサム
アルサム
「起きろ今日は出かけるぞ!」
パンイチのほぼ全裸で寝ているシマを声だけで起こすアルサム
彼はそう簡単にボディタッチしてハプニングを起こさないギャグ殺しな紳士である
シマ
「あと5時間~…」
アルサム
「昼過ぎるだろうが!」
二人の親子のような会話をみていたバラムが思いついた
バラム
「アルサム、今ならこの酒瓶を調べ放題ですね」
バラムの一言に、たしかにそうだと思い
アルサム
「バラム、今日は瓶を調べておけ」
バラム
「え、出かけるのはどうするんです?」
アルサム
「俺が行く、だからバラムは瓶を調べていてくれ」
バラム
「お留守番ですか」
アルサム
「お留守番だ」
そんなやり取りをして、バラムは瓶を調べに、アルサムはシマと未探索エリアを行くことにしました
未探索エリアは住宅地で、古い家が多くある、どことなく不思議な場所だった
シマ
「なつかしいなぁ~ここ」
アルサム
「以前はここに住んでいたのか?」
シマ
「うん、子供のころね、おとうさんとおかあさんと一緒にいたの」
シマは笑ってはいるが少し寂しそうに見えた
シマの過去は不明な点が多い、正確には記録に不一致がある
年齢に2歳の誤差、両親の名字、地域住民の認識
この女はあの瓶以上に謎がありそうだ
だが、追求はしない、今は
アルサム
「そうか」
シマ
「あ、ここの駄菓子屋まだあったんだ~!」
アルサムの『そうか』をガン無視して駄菓子屋に入るシマ
アルサム
「…いいさ、毎度の事だ」
空をみて何かをこらえるアルサム
シマが駄菓子屋の中ではしゃぐ声が聞こえる、とても無邪気な明るい声だ
その声を聞いてアルサムは少し笑ったのかもしれない
かもしれないというのは直後に見た物による硬直で顔がひきつったからである
【駄菓子屋ねこまたひらき】
明らかに狙ってやったに違いないその名前にただ呆れるアルサム
シマのはしゃぐ声を聞き仕方なく中に入るアルサム
そしてアルサムは先程の事を忘れるほどの衝撃を受ける
シマが話しかけているソレは
人間と同じサイズで直立するエプロン姿の猫であったからだ
『いらっしゃいニャ』
しかもしゃべる