度数4海鮮鍋
アルサム
「はぁっ!爆発があったから走って来たが…なんだこの状況は」
アルサム達が到着したのは爆発から10分ほどたった後
辺りの住民は避難し
警察がスーパーミナゲを囲っている
バラム
「アルサム!あれを!」
少し遅れてきたバラムがスーパーミナゲを指す
ソコには巨大なカニが陣取っていた
アルサム
「アレはギャランビーフトナカイ!」
【ギャランビーフトナカイ】甲殻生物
惑星ギャランビーに輸入された甲殻生物が住み着きギャランビーに適応した個体で、全長5メートル体重3トンの大型甲殻生物である
陸、海、空、宙、と全てに適応している大変珍しい生物
見た目は地球のタイワンガザミに似ており、色は黄色からピンク、オレンジ、赤、などの色がにじむような非常に気色悪い色となっている
泣き声は「イカ」大変美味
ちなみに名前の区切り方はギャランビー・フト・ナカイである
アルサム
「なぜギャランビーの特産物がここに!?」
バラム
「地球に持ち込んだ人がいて逃がして帰化したんしゃないんですかね」
アルサム
「無責任な星人め!」
他星人に怒りを叫ぶアルサム
しかし上を向き息をととのえてバラムにつたえる
アルサム
「ダノソードは危険とみなされ本部に送った、今ある装備でアレを倒すぞ」
バラム
「貸しですよ」
アルサム
「なんでだ!」
ギャランビー
「イカ~!」
ギャランビーが囲っていた警官を吹き飛ばしてアルサム達に接近してきた
アルサム達は左右に避けてギャランビーも急旋回してアルサム達のほうを見る、向い合わせの状態
アルサム
「バラム!会わせろ!」
アルサムのかけ声にうなずきバラムの角が青白く発光しだす
それを確認してアルサムが特攻、同時にアルサムの口から火炎弾が吐かれる
火炎弾がギャランビーに着弾し視界を一時的にさえぎる
アルサム
「バラム!」
アルサムの呼びかけとほぼ同時にバラムの角から雷撃が放たれる
火炎弾で視界をさえぎられていたギャランビーは雷撃をモロに食らう
雷撃が終った瞬間、アルサムがギャランビーの背中に飛び乗り右手を大きく上げる
アルサム
「食らえよ!バンカーガン!」
アルサムの右手が展開し、光がクイのような形になる
それを轟音と共にふり下ろしギャランビーの背中を攻撃した
バラム
「アルサム!大丈夫ですか!?」
アルサム
「ひ…ひさしぶりにバンカー使ったから肩イテェ…」
無事なアルサムをみて安心するバラム
だが
バラム
「っが!」
バラムの体に巨大なハサミが襲いかかる
アルサム
「バラム!こいつまだ!…なに?!」
アルサムは目を疑った、それもそのはず
アルサムが使ったバンカーガンはゼロ距離で当たればまずどんな装甲でも貫通する代物、だが本来バンカーガンのクイに当たる部分は特殊な合金を使っているのに対してアルサムのバンカーガンは義手に内蔵しているためフォトンバンカーを使用している
そのため陸、海、空、宙を移動し生きる事の出来るギャランビーの装甲は《フォトンビーム等の攻撃は通じない》のだ
よって、アルサムの眼前には無傷の殻がうつっている
驚きと油断によりギャランビーが体を揺さぶりアルサムは落下
巨大なハサミを振りかざしてアルサムにトドメをさそうとするギャランビー
バラム
「あ…アルザム!!」
ハサミの攻撃により内臓の一部を損傷したのか血を吐きながらアルサムの名を叫ぶバラム
アルサムはこんなところで死ぬわけにはいかないと立ち上がろうとするが落下時に展開した義手が破損し
手をついて立ち上がる事が出来なかった
その時を狙ったかのようにふり下ろされるハサミ
アルサムは目をつぶり死を覚悟した
だがハサミは下りてこない
アルサムが恐る恐る目を開けるとそこには
シマ
「へいへ~い、二人でカニパーティーかぁ~?ズルくね?アタシもまぜなよ」
ハサミを片手で掴むシマの姿がそこにあった
その姿を見てアルサムは言う
アルサム
「どこの世界にこんな危険なカニパーティーがあるんだよ…俺ら襲われてんじゃねーか、むしろ食べられる側になりそうだったんだよ」
あっはっはっはと笑うシマを見て、つられて笑うアルサム
シマ
「じゃあ、今からカニパーティーよ!」
掴んでいたハサミをはなしギャランビーに酒瓶を叩きつけるシマ
ギャランビーは地面にめり込む
アルサムとバラムはポカーンと口をあけて驚いていた
もう一丁!とシマが酒瓶を振り上げると
突然ギャランビーから突風が発生
シマ
「ナンだぁー!」
まるでUFOのように浮かび上がるギャランビー
それを見たアルサムが宇宙に逃げる気だとシマに叫ぶ
シマ
「逃げるゥ~?させるかぁー!!」
酒瓶
《形体変化、ブラスト》
酒瓶が光りシマの腕に手甲のように合体していく
シマはそれをギャランビーに向け
シマ
「たまや~!」
緑色の光弾がマシンガンのように無数に発射される、反動が強いのかシマの足が地面に埋まっていく
光弾はギャランビーに直撃だがギャランビーはフォトンビームはきかない
が!
アルサム
「なんでだ、効いてやがる…」
シマの光弾はギャランビーの装甲をまるで紙のように貫通している
バラム
「ゴホっ…あれは…物質ビームですね」
【物質ビーム】
空気中の水分やその他チリなどを使用して発射するビーム
通常のビームと違い熱をもたず光りと同じ速度で極小の弾丸を打ち出すためビームと言っても実弾武器である
目にうつっている光の弾は残像のようなものである、緑色の光が特徴
アルサム
「なんなんだあの女は、あの武器は…」
シマの光弾をくらい落下してくるギャランビー
だがその目には光が満ちていた
アルサム
「ヤベェ!野郎こんな町中で真下にレーザー撃つ気だ!女!逃げろ!……あれ、女どこ行った?」
バラム
「ゴホっ…上です」
アア?!っとアルサムが見上げると空に向かって走るシマの姿があった
アルサム
「なんでもありか!あの女は!」
シマ
「ひゅひゅヒュ~!」
酒瓶
《ヘルメス展開中、レーザー反応確認、禁止します》
酒瓶からオレンジ色の球体フィールドが広がり
フィールドに入ったギャランビーの目から光が消える
そして
シマ
「カニ鍋!いただきます!」
この後
ギャランビーは四散
回収され町ぐるみでの鍋会が開かれた
スーパーミナゲは宇宙災害として被害申請し1ヶ月後に再開
シマはギャランビーをしこたま食いまた酒を飲み寝た
町を救ったということで感謝状を我々3人はもらい
住民たちの信頼は増したと言えるだろう
観察対象のシマ ユキコの強さは彼女の持つ酒瓶ではないかと推測される、今後も注意していこうと思う
地球滞在、アルサム