第4話:冒険者ギルド
追い出されて居ないことになってるので正門から出る訳にもいかず、城の勝手口を通り城門のとこでディオラさんと別れ冒険者ギルドへ足を向けた。元の世界のような高層ビルなどもちろん無く主に2~3階建ての家が中世ヨーロッパの街のように並び、通りの方は馬車が2台並んで走ってもまだ余裕がある程の広さだった。冒険者ギルドはディオラさんの話通り街の中央にあり道に迷うことなくすんなり着き、ギルド内は20~25人程色々な装備した冒険者の会話が飛び交って活気があった。
「へー、やっぱ異世界だけあって色んな種族がいるんだなぁ。あっちの獣人(って言うのかな?)の耳やシッポとかどうなってんだろう?」
若干的はずれな感想を持ちながら受付の方へ歩いていった。受付は3つあったが左右が男性・中央が女性だったので迷うこと無く女性を選んだ・・・男として当然ですよ。
「こんにちわ。冒険者ギルドへようこそ、本日はどうのような御用でしょうか?」
「こんちわー、えっとですね今日は冒険者ギルドに登・・・録・・・」
俺は驚愕した、その女性がエルフで美人だったからという理由も少しはあるがそれ以上に他はスレンダーなのに一部分だけデカかったのだ・・・・・胸がっ!! テーブルに胸が乗ってるとかFいやGくらいあるのではと思考しつつ目が離せず固まってしまった。
「あの~、どうかなさいましたか?」
「・・・い、いえ田舎から来たばかりで貴方のような美しいエルフの女性を見たのは初めてで驚いてしまっただけです」
「あら、美しいだなんてお姉さんをからかっちゃダメですよ♪」
咄嗟に上手く誤魔化せて女性の俺に対する第一印象がエロいにならずにすんだかな。
「それで来たばかりという事は、本日は冒険者ギルドに登録でいいの?」
「はい、お願いします!」
「了解、それじゃこちらの用紙に名前・年齢を記入してもらっていいかしら」
サラサラ~と記入を終えるとお姉さんが1枚のプレートを差し出した、プレートはテレホンカードを1.5倍程大きくしたカードと考えてくれればいい。
「これは?」
「それを持って転写って言ってもらえる」
いまいち意味が分からなかったが言われるがままプレートを持って転写と言うとプレートの表面に俺の名前・顔・Fの文字が表示された。
「お、お姉さんこれ!?」
「うん、無事登録完了ね。それが君のギルドカードになるから無くさないように」
(は~魔法はこんな事も出来るのか、便利だねぇ)
「登録料は無料だけど、ギルドカードの再発行には金貨10枚必要だから」
「!! 金貨10枚ですか?」
「そうよ、プレートはミスリル金属で高価だし特殊魔法で加工してるから費用がかかるのよ」
(なるほどだが理由が生々しくて少し悲しいですよお姉さん)
俺が少し悲しい気持ち浸ってる間にお姉さんがギルドの注意事項を話してくれた。と言っても一般常識のような項目がほとんどで、今のとこ気にかけといた方がいいのは
・受けられる依頼は自分のランクと同じか一つ下のランクまで
・依頼の報酬金は依頼者が支払う金額をギルドが手数料として3割引いた金額
・依頼の破棄・失敗時は違約金として報酬金の2割をギルドに支払う
の3点かな
「以上で登録時の説明は全て終わりだけど、テツヤ君から何か質問はある?」
「はい、お姉さんの名前を教えて下さい!」
「・・・くす♪ そういえば名乗っていなかったわね。私はミーニャ=ファラリスよ、これ以上の情報はもっと仲良くなってからね」
(これは誘ってる・・・・・いや、単に名前しか教えませんという壁だな)
「それじゃ依頼はあっちのボードに貼ってあるから頑張って」
ミーニャさんにお礼を言って受付を離れ、さっそく何か依頼を受けようと考え依頼ボードの確認を始めた。