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第2話:世界の事情と夢の第1歩

「どうぞお掛け下さい」


 連れられて入った姫様の部屋は甘いいい香りが充満した感じで理性を保つのに苦労するよ。


「まずわ自己紹介ですね、私はこの国の第2王女ルーシア=イングヴァルトです」

「テツヤ=カミナシだ」

「テツヤ様ですね、この度はこちらの不手際により無関係な貴方様を召喚してしまった事まことに申し訳ありませんでした」


(うーん実際は俺が召喚を邪魔したようなものだし丁寧に謝られると逆に困るが、そこを説明してこんな美少女の好感をあえて下げる必要もないな)


「いや、間違いは誰にでもあるから気にしないでくれ」

「そのようにおっしゃって頂けるとは・・・ありがとうございます」

「むしろ俺が勇者じゃなかった事でそっちの方が困るのではないのか?」

「いえ現状では勇者を召喚する必要はそれほど高くありませんので私共はそれほど困っておりません」

「うん? 魔王とかが暴れていて人類が危ないから勇者を召喚したとかじゃないのか?」

「魔族と争っていたのは200年以上前の話で、現在は人類・亜人・神族・魔族は戦争はしておりません」


(どういう事だ、戦争も何もしてないなら何故召喚を行ったのだろうか?)


「不思議に思われて当然です、その理由を説明するには戦争終結から説明しないといけなくなり少し長い話になりますがどうなさりますか?」


 暇だし理由が分かるなら少し長い話でもいいか、その分王女と長く一緒に居られる訳だし


「長くても構わない、聞かせてくれないか」

「かしこまりました、それでは・・・」


 全て聞くと思っていたよりかなり長かった。王女の話を簡単に纏めると


・200年以上前に人類・神族vs亜人・魔族で戦争をする

・激戦区だった中央大陸に突然「破壊神」と名乗る者が降臨しモンスターを次々と生み出して全種族を攻撃し、以前からいたモンスターも凶暴化し始めたので戦争どころではなくなる

・一時休戦をして全種族で破壊神とモンスター討伐を開始

・破壊神は降臨場所に城を創りその四方に塔を創って結界を張る

・一時休戦をトップ会談を何回も行うことによって完全終戦にし人間・亜人で結界を支えている塔の攻略を開始

・塔の攻略は未だ終わらず現在に至る


 この6点に収まる・・・・ん?


「どうして塔の攻略をしているのが人間・亜人の2種族のみなんだ?」

「神族の中でも上位の力を持つ1人が破壊神に破れその力を吸収されたそうです、それから神族・魔族は二の前を演じて破壊神を強くしない為に武具・魔法技術を2種族に提供し支援に徹しているのです」


(たしかに敵を強くしないのは当たり前だが、その考えはどうかな)


「各国家の騎士・兵士は周辺モンスターを平定し国民の安全に努め、未知の素材が手に入るという事から塔は冒険者が攻略に努めています」

「ちょっと待ってくれ、長い話だったが召喚を行った理由が出てきてないぞ?」

「はい、それらを踏まえた上で言いますと召喚理由は勇者を召喚し国が抱え込み勇者の力を使って塔を攻略し未知の素材を集めて国を発展させ他国より優位に立つ為です」


(ふむ勇者召喚が少なからず国の為というとこには好感を持てるが、勇者の有り難みがかなり低く感じるのは気のせいか)


「それじゃ次に俺はいつ頃元の世界に帰してくれるんだ?」

「そ、それは・・その・・あの・・」


(何だかやけに歯切れが悪いな、それに顔色も曇ってきてるし)


「もしかして帰れないのか?」

「い、いえ召喚術と対になる送還術がありますので元の世界に帰ることは可能です。ですが送還術を使うには召喚術と同じ条件が必要になりますので早くて1年後となりますが、王は勇者召喚を優先するでしょうから数年先になるかと・・・」

「数年先!?」


(数年先か良かった、せっかく異世界に来たのに勇者じゃなかったからすぐに追い返されるかと思ったがこの分だとこの世界を十分満喫できそうだな)


「お父様の勝手な都合で召喚しておいて帰せるのは何時になるか分からないという状況、身内の責任ですので私にできる事でした何でも致します!」


 俺が真剣な顔をしてこの世界をどう満喫しようかとか異世界だからいろんな種族のハーレムでも創ろうかとか思案している姿を見てどうやらルーシア王女はかなり怒っていると勘違いしたようで慌てて頭を下げてきた。王女がどうしてここまでするのか後になって分かった事だが異世界人はこちらの世界に召喚された時多大な力を保有してる事があり、何十年か前に別の国が今回と似たような状況で異世界人の怒りに触れ壊滅状態に追い込まれた事があったという歴史的記述を読んだことにより今回はそのような事にならないように尽力した結果だったらしい。だがこの時の俺は深く考えることもなくチャンスではという思いしかなかった。


「ほんとに何でもしてくれるのか?」

「はい! と言っても私個人に出来る範囲になってしまいすが」


(ふむ、ここは一度かなり無茶な要求をして断られてから簡単な要求をした方がすんなりいくかも)


「それじゃ、君の全てが欲しい・・・解るよね」

「そ、それは私のカ、カラ・・・もということでしょうか?」


 ルーシア王女が頬をほんのり赤く染めながら消え入りそうな声で返事をしたので俺は頷いた。


(よし!ここまで無茶振りすれば次の簡単な要求はすんなり容認してくれるだろう)


「なんてね、冗『わかりました』談・・・えっ!?」

「・・・・・ほんとに良いの?」

「はい、私も一国の王女として何でもすると言った以上約束は守ります」


 よくよく考えると王女は微かに声や身体が震えていたが、この時の俺はまさか容認されるとは思わず頭が真っ白となって理性が働かず欲望のままに近くのベッドに王女を引き連れた。


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