仮想編第1話Act2-2
Act2-2
~決意!~
「なくなってる・・・」
診療所跡地はお祭り会場の如きだ。悦びではない。“困惑”と、“絶望”と、“憤慨”と、“八つ当たり”・・・もう次に起こることは素人でも予想がつく。
「ここはもうすぐ戦場になるわ・・・」
手が引っ張られた。そんなことしなくても・・・とるべき行動は同じだ。
不安は誰にでもある。特にこんな状態なら・・・。
VRから出て、現実世界で生きると決めたはずだったのに・・・。これは誰かに押し付けられた試練なのか?ブラックすぎる・・・。
「あたし達・・・どうなるの?・・・死ぬの?」
「死なない!・・・断じて!」
「根拠・・・聞かせて」
「この事件を起こしたのが何者なのかはわからない。だが、何者であろうとGM権限を奪えるくらいだ!そいつは、ゲームシステムを乗っ取り、改変する力を持ってる」
「・・・」
「犯人は”今の私達”をいつでも殺せる」
だが、実際に私達はまだ生きている。何故か?目的は“殺し”ではないはずだ。
「多分犯人は私達が苦しむ姿を見たいんだ!そいつが飽きるまでは少なくとも生きていられる」
これが私の出した結論だ。だが、私達はモルモットなどではない。
「許せない!」
「気に入らねえな!」
「Sね!それも超弩級の」
第1グループはどこにいるかわからない犯人に怒りを向けた。第2グループは誰もが抱いていた不安を口にした。
「私達・・・ずっとこのままなのかしら」
「断じて!」
もちろん根拠はある。
「この世界はリアルよりも時間が加速される。即ち、現実サイドから常時監視することはできない。そいつが”私達がパニクる様”を見たいなら、必ずここに来ている!」
そして犯人は必ず脱出方法を知っている。
「どうするつもりだ?」
「決まってる!」
やることは一つだ!
「どうやってやる?」
「征服する・・・この世界全てを!」
さすれば、必ず脱出方法が見つかる!この行動が私達の人間たる存在証明だ!
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「次なんだが、北上した方がいいんじゃないか?そっちの方がフィールド少ないし」
「私は南進を押すわ」
「あたしは北上の方がいいと思うなー」
「私は・・・どうしましょう・・・」
正直、難易度がわからないから迷うな・・・
「これを見て」
エリー姉が紙を取り出した。A3・・・いや、その2倍はある!
紙にはあまりうまいとは言えない絵が描いてあった。手書きの丸に近い形の中が複数のエリアに区切られている図表だ。
中央に“首都:ノビスシティ”と書かれた丸が書かれていた。
“ノビスシティ”北方のエリアには“廃墟”、更に北には“畑”、“畑”のエリア内に“農村:マイルストン”の丸が書かれていた。
東方面には“スラム”さらに東方に“岩場”エリア。“岩場”の東端境界付近に“街:レイライン”と書かれた丸があった。
西には“平原”エリア、さらに隣には“湖”、“湖”の中心あたりに“拠点:マイアクシズ”の丸が書かれていた。
南には“森”エリア、その南方には“ステップ”エリア、さらに南方には“キノコ”エリア、“キノコ”エリアの南の境界付近に“都市:ホナー”と書かれた丸があった。
「“ノビスシティ”の周辺の町よ」
「これなら北だろう!」
「東・・・かな?」
「強さ的には?」
「南が最弱だ。次が北、3番目が西、東が最強だ」
分かれるところだ・・・
「・・・私なら・・・南かな」
「根拠聞かせろよ」
「見た目、北から攻略するのが簡単そうだ。それでは、競合が多すぎる。苦労の割には実入りが少ないんじゃないかな?逆に南なら敵は弱いようだが、ボスが3体に、エリア自体も広い。進出する人数は少ないだろう。だから、私達で占領できれば効率よく資源を集められるんじゃないかな?」
「北ならボスが1体だけだ、そっちの方が早く次の町に着く!北だろう!」
「南よ!ホナーは装備素材関係が充実してるからね!私達の中にシェフはいないでしょ!」
「北ね。打撃ならこっちの方が有利じゃん」
「・・・やっぱり南にするわ」
「3対2だ」
「姉ちゃん!」
「テウルギア、ごめんね、弱虫で」
「押し切られたー」




