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第八章 其の6

      ○●○●○●○●○●



 7月26日。午前7時45分。破壊の樹伐採作戦が開始された。


 第2富士基地の全兵員、全兵器が投入される大作戦だ。


 他にも防衛基地や警備基地の兵員も動員され、大包囲網が敷かれるという。


 空には戦闘機やら戦闘ヘリが飛び交い、降下部隊や空挺部隊がいつでも降りられるように帰らずの森の周辺を大きく旋回し、海では世界各国から集められた戦艦やらミサイル艦が帰らずの森に向けて照準を合わせている。


 ……まったく、こんな短時間で良く準備できたもんだな……


 あの日から精力的に動くばーちゃんと馬車馬のような日々を思いだしてため息をついた。


「着陸よ! 準備して!」


 真子の言葉に輸送ヘリが降下を始めた。


 窓から見えるのは新横浜基地。数日前とは違い沢山の一般兵士や戦闘車輌で溢れていた。


 輸送ヘリが新横浜基地へと着陸し、後部ハッチが開かれた。


 魔銃───MG-X2を持った真子が真っ先に飛び出すと、甲魔兵たちが続いた。


 最後におれたちが出ると、他の輸送ヘリも着陸し、甲魔兵や甲機兵が続々と出てきた。


「第1から第4甲殻隊は位置に着け! 第1甲機隊は車輌の最終確認を行え───」


 真子の命令に甲魔兵や甲機兵が散って行く。


 独立遊撃隊───『聖魔隊』と、なんの捻りもない名称をつけられたおれたちは、皆さま方の邪魔にならないようにと端っこに移動した。


「さて。エルクラーゼで待ってるからな」


「気をつけろよ。敵はお前の重要性を熟知しているんだから」


「わかってるよ。加奈美も綾子も手こずるようなら甲殻隊に任せて先に進めよ」


「うん、わかった」


「はい、わかりました」


「それと一樹。お前は綾子が心配だからって作戦を忘れるなよ」


「何度もいわれずともわかっているっ!」


 何度いっても聞かないからブラコンやシスコンは怖いんだよ。


 でもまあ、そうなったらそうなったで良しとしよう。どうせ一樹のシスコンパワーで殺されるのは敵なんだから。


 全員を見回し、こーゆー場面のお約束として右手を突き出した。


「戦って勝つ。それだけだ」


 そんなおれの心情を察した睦月が手を乗せた。


「ああ。戦って勝つさ」


「うん! 戦って勝つよ!」


 元気な加奈美が手を乗せた。


「はい、戦って勝ちましょう」


 続いて綾子が手を乗せた。


「必ず勝つッ!」


 最後に一樹の手が置かれた。


 重ね合う5つの魂が溶け合い、激しくも温かい光が世界を照した。


「「「「「───ベルフェルン!」」」」」


 5つの魂と5つの光が天へと放たれる。


 ベルフェルン───それを訳すなら『明日を得るために』が1番しっくりくるだろう。


 それは勝利の呪文であり光の女神への感謝でもある。そして、魂となった愛する者への聖なる誓いでもあった。


読んでもらえて嬉しいです。

ありがとうございました。


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