オリガの覚醒再び
(いや!いやよ!アルバ!!アルバーーーー!!)
その時、またあの感覚がオリガを襲った。世界が軋むように歪み、音は意味を失った。
ただ私と、私を害する者だけが、異様に鮮明に浮かび上がる!
「ああ、オリガ……お、り、が……」
刹那、マテオの口の動きが遅く感じられた。またあの感覚だ!私の周りだけ遅くなる感じ!
時は凍りつき、世界を呑み込んだ。
ざわめきは途絶え、時の奔流すらもひれ伏す。
残されたのは一一私と、打ち倒すべき敵だけ。
私はオリガ!この国の王妃!!
そして……
「私はアルバの妻よ!!」
私は手近にあった壺を取り、マテオの頭上に思いっきり落とした!
「ぐぁぁぁ……!!ああ!!」
(約束した!私が、アルバの安らぎの場所になると……!)
ーーああ、この人の言葉も、この抱擁も、全部大切にしたい。
ただこのぬくもりを大事にしていきたい。
ただアルバを愛したい!
私の心はただ一人。
アルバで満ちている。
夢の話を打ち明けた時も、アルバは馬鹿にせずに聞いてくれた!!
『オリガ、俺は絶対にお前を傷つけない。夢の中の俺が何と言おうと、現実の俺は違う。お前の考えも、涙も、全部大事にする。全部愛している!』
私もよ、私こそ……この体。この心。この命!全てをかけて……!!
『愛しています!アルバ!』
* * *
アルバの命でオリガの自室を伺っていたカミラは、一瞬にして空気の変化を察知した。
(大変! 陛下に知らせないと、オリガ様が危ない――!!)
胸を突き破るほどに心臓が暴れ、視界が揺れる。それでも足を止められない。オリガ様のためなら、骨が砕けても構わない!
あの方は、私を庇い、救ってくださった女神――命を賭してでも守るべき人!
石畳を蹴るたびに、脚が悲鳴を上げる。呼吸は喉を裂くように荒れ、涙まで滲んでいた。
それでも走った。走らずにはいられなかった。
* * *
「ん?」
「どうされました?アルバ様」
「いや、」
(気のせいか?今オリガの部屋から悲鳴のような声が……)
『いや!いやよ!アルバ!!アルバーーーー!!』
いや、気のせいではない!!オリガが危険だ!!
「ヤマト、あとは頼む!!」
その瞬間、カミラが息を切らし、重厚な執務室の扉を力任せに押し開けた!
「陛下っ! マテオが――王妃さまを!!」
ああ、オリガ様かっこいい〜!!(レティの真似)
カミラは一度オリガに助けられているので必死です。
そしてついにアルバ登場!間に合え〜!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




