マテオの暴走②
オリガ視点です。
お前こそ……お前こそ……
「お前こそなぜだ、なぜあの日から変わってしまった?」
「……なんの事よ!?私、あなたに何かした!?」
「ああ、まさに今している!俺を裏切り、届かない光を纏って、俺の知らない男の前で女神のように笑っているだろう!!違う、違う!違う違う違う!お前は俺を見上げて、縋るはずだ!俺を忘れるはずがない!俺を裏切れるはずがない!!そうだろう?そうに決まっている。俺は覚えているんだ!」
まるで壊れた玩具のようにマテオは捲し立てる。縋るとか、裏切るとかなんなの?!
「私そんな事あなたにした覚えがないわ!やめてよ気持ち悪い!!」
「……黙れ。黙れ!俺のオリガが……そんな言葉を吐くはずが、ない!」
は、話が通じない!!
狂ってる!!マテオは狂ってるわ!!
私は咄嗟に距離を取ろうとするが、鋭い手が私の手首を掴む。力強さに抗えない。
――息が詰まる恐怖。叫ぼうとしても声が出ない。
恐怖に震える私に、マテオの魔の手が忍び寄り、次の瞬間、布が裂ける音が響いた。
「……っ!!」
恐怖で喉が引き攣り、声を上げられない!!
「ああ、オリガ、夢のようだよ。やっと俺たちは一つになれる……」
マテオはゆっくりと顔を寄せ、私の髪先に頬を擦りつけるようにして、狂おしいまでに深く息を吸い込んだ。
「この匂い……ずっと欲しかった。抗えば抗うほど、俺を呼んでいるみたいだ……」
彼の瞳は焦点を失い、笑みだけが貼りついている。そこにいるのは人ではなく、欲望の形をした獣だった。
「俺はずっと触れたかったんだ!!この髪に、この肌に!!」
(いや!いやよ!アルバ!!アルバーーーー!!)
ずっと気持ち悪いマテオ。
マテオ……お前はもうどうしようもねぇよ……
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