些細なことで……?
最初だけ三人称であとはオリガの一人称です。
中庭には噴水があり、白大理石に反射する陽光が眩しい。金糸を織り込んだ絨毯の上に果実とパン、蜂蜜の小瓶が並ぶ。
柔らかい影を落とすナツメヤシの木のそば、アルバとオリガが座っている。
その横には、アルバの愛馬ソウタが草を食みながら寄り添っていた。
今日は中庭でピクニック!!
アルバが、マテオの動きなどで気が滅入っている私のために時間を割いてくれたのだ。
「アルバ!ありがとう!」
「ん?いや、容易い事だ。言っただろう?オリガの為ならいくらでも時間は作ると」
(礼を言うのは俺の方だオリガ。俺の愚かな思いをかき消してくれてありがとうオリガ……)
『もぉ〜、アルビャ〜?あんあんしちゃいますよぉ〜!!』
「くくっ……」
「……??」
アルバがさっきから一人で笑っている。
一体何がそんなにおかしいのかしら??
「まあいいわ!いいお天気〜!」
今日は張り切ってして来たことがあるの!いつもより気合いを入れて、私のお気に入りのサファイアを髪に編み込んでもらったの!
褒めてくれると嬉しいな……
私は期待の眼差しでアルバの方をチラチラ見る。
でも期待とは裏腹にアルバはソウタにおやつをあげて、黒く艶々としたたてがみを撫でていた。
……そんなに夢中になって。アルバって黒髪も好きなのかな……
「アルバって黒髪が好きなの?」
「えっ?」
「もういい!何よ!私の金髪が好きだって!女神だって言ってくれたのに!」
わわわ、何これ!これじゃ完全に私の醜い嫉妬じゃない!落ち着くのよオリガ!私は王妃、私は王妃……
「オリガ……何を言っているんだ?俺は昔も今も、この金髪と白い肌、それにこの青い瞳の虜だというのに」
そう言ってアルバは私の顎を撫で、自分の方に向ける。
こ、これは!キスする流れ!!いつもこうやって流されてうやむやにされるんだから!今日は気付くまでしない!
ぷいとアルバから顔を逸らす。
「オリガ、何を怒っているんだ」
「もぉー!!気付いてくださいよ!!この髪!」
そう言って私はアルバの前に金髪に編み込まれたサファイアを見せた!せっかくアディと二人で頑張って編み込んだのに!!
「ああ……」
「ああ……って何よ!」
「気付かなくて済まなかった。本当に美しいオリガ、まるで太陽を宿した髪に、夜空の星を散りばめたようだ」
(また始まった!いつもそうやって歯の浮くようなセリフを……)
まさか……
「他のお嬢様方にも『それ』やってたの?アルバ?」
「『それ』とはなんの事だ?」
「その、太陽がなんちゃらとかいう歯の浮くような言い回し!他のお嬢様方にもしてたの??」
「ん?ははは、オリガ以外にするかこんな事!オリガを見ていると勝手に言葉が出てきてしまうのだ!……あまりに眩しいからな」
「なっ、なっ……」
そのずるい言い回しに何故か悔しくなって、私はそっぽを向いて果物を齧り始めた。
「オリガ?」
「知らない!ソウタとでも話してなさい!」
ソウタが小さく鼻を鳴らす。私はますます頬を膨らませ、アルバから顔を逸らしたままだった。
アルバはそんな私を見つめーーふっと小さく笑った。
「……まったく。俺のお姫様は、本当に手のかかるお方だ」
オリガ視点の方が書きやすいなぁ。アルバ視点で書くとなんか文章が硬くなるの何でやろな。
オリガ〜こんなことで拗ねちゃってー
ここまでお読みくださりありがとうございました。




