アルバの葛藤②
アルバ視点です。
「オリガ、いるか?」
「アっ、アルバ!?」
私がアディの手を借りて寝着に着替えていると、入り口の方からアルバの声が聞こえた。
「ごめんなさい、すぐ行きます」
「いや、いいよ。急がなくて」
「アルバ、会いたかったわ。あのマテオ、いつも私を見てるのよ。それにね!不気味なのが必ず私が一人の時を狙って見て来るの!それに!カミラの話を聞いて……」
着替えた後、オリガは今まであったことからカミラに聞いたことまで歩きながら一気に捲し立ててきた。
「オリガ、落ち着け。そういうことは飲み物でも飲みながら話そう」
俺がそう言うと、アディが飲み物たちをサッと揃えてあっという間に部屋から出て行ってしまった。
「オリガ……今宵は月が綺麗だ。バルコニーに出て話そう」
「ええ、喜んで」
「でね!あのマテオ、どうにもおかしいのよ!いつも私が一人の時を狙って来るし……だから私部屋に引きこもっていたの!そしたらカミラが来て、マテオは私を好きだなんて言って来るの!」
オリガはそこで自らを庇うように自分の肩を抱きしめて震える。
「想像しただけで震えちゃう!だってあの人私の事嫌いだったはずだもの!護衛の仕事も嫌々やってたし!」
「オリガ……すまん、俺がついていながら」
(いや、何かと言い訳をしてオリガを避けていたのは俺だ!オリガの肌に触れてしまったら、歯止めが効かなくなりそうで……)
「……?なぜアルバが謝るの?悪いのはマテオですよ?アルバは仕方ないじゃない。マテオの事とかで忙しかったんだから!その、人事異動的な?」
正直に言わないとな……
「オリガ、嘘なんだ」
「えっ?」
「オリガの事を考えるのが嫌で、仕事だと言い訳をしていただけだ。本当はオリガの為になら、俺はいつでも時間を開けられるのに」
「どういう事?私のこと考えるのが嫌って……もしかして、夢の話が気になっているの?」
「違う!!」
いきなり大きな声を出したからオリガの体がビクッと反応する。
「違うんだ、オリガ……」
言いながらオリガの白い小さな手を引いて抱き寄せる。
この肌、どれほど触れたかっただろう。柔らかくて、いい匂いがして……
「アルバ、今日はどうしたの?何かにすごく怯えているみたい……」
「……っ!」
俺はオリガにそう言われて思わず口を噤む。
「あのな、オリガ……実は、お前が夢の話を打ち明けて来た事があっただろう」
「ええ、アルバ」
「……あの時からずっと、オリガの距離感が近くてな、抑えきれそうにないんだ。本当はオリガを守ってやりたいのに、その俺がオリガを傷つけそうで……」
……怖いんだ……
「?えっ?その、てことは、アルバは……」
オリガは頬に手をかけて何事か考えている。
「もしかして……あのエロ本に書いてあったみたいな事をアルバはしたいってこと!?」
俺は頭を抱えた。なんて可愛いくて純粋なんだオリガは……
いやそんなキラキラした瞳で見つめられても……なんと答えれば良いのか。
「違う……いや、違わない……かもしれん」
「へへ……アルば、私はいいと思いまふよ〜」
「……オリガ……お前は……本当に可愛いすぎる」
思わず俺はオリガを抱きしめた。
だが、オリガの様子がおかしい。白い肌は真っ赤になっており、体中が熱っぽい。
「……オリガ!お前まさか……」
俺は咄嗟にオリガが持っていたグラスを取って匂いを嗅ぐ。この匂いは酒だ!きっとろくに確かめもせずに飲んだのだろう。オリガならあり得る……
「ふへへ、アルバのあの本のやつ……」
……意味がわからない。が、すごく可愛い。
あいにく俺は酔っているオリガに手を出す気は毛頭ない。オリガが酔っている姿を見て、逆に俺の方はすっかり酔いが醒めていた。
ーー別に今じゃなくてもいい。焦らなくてもいい。
こうしてオリガに触れているだけで俺は……
「もぉ〜、アルビャ〜?あんあんしちゃいますよぉ〜!!」
「ぶはっ!!」
なんだそれは!俺は思わず吹き出した。
オリガを寝台に横たえさせ、俺はその可愛い寝顔を眺めた。
オリガ、お前は本当に俺を翻弄してばかりだな……
「それでもーー俺が守りたいのは、オリガ。ただ一人、お前だけだ……」
いや〜なんとかなってよかったよかった(笑)
なんか忘れてる気がするけど。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




