アルバの葛藤①
アルバ視点です。
本当は、俺が側にいるべきなんだろうが……
『アルバ……嬉しい!大好き。ありがとう、アルバ!』
『アルバ!!』
『アルバ!見て!中庭に綺麗な花が咲いていたので、飾ったの』
『アルバ、好き!』
なぜか最近オリガのあの声を聞くと、理性が抑えられん。
夢の話を打ち明けてくれた後からだろうか?
オリガは俺を完全に信用し、それまでは遠慮がちだった「好き」という気持ちを、俺に惜しみなくぶつけて来るようになった。
その度に考えてしまうのだ。この愚かな頭は……オリガの肌を。
あのオリガの甘い唇で名前を呼ばれると、抱きつかれると、一瞬頭が真っ白になるのだ。
オリガめ、俺に悩みを打ち明けてもなお、俺を苦しめ悩ませる……
「クソッ!しっかりしろアルバ……!」
俺が執務室でイライラしていると、大抵の者は俺と距離を取るのだが、一人だけこの状態の俺でも話しかけられる者がいる。
「なんだ?言いたいことがあるなら言え、ヤマト」
「ほっほ、なんのことですかな?私はただこの書類を提出しに来ただけですが」
ヤマトはすっとぼけて言ってのけた。
「わかっておるだろう、それになんだこの書類は!?」
その書類には「オリガ」と思われる絵が描かれており、美しい金髪がキラキラと輝いていた。結構上手く描かれているのが何故か悔しい。俺はその絵を丁寧に巻いて包んだ。
「お前は俺をバカにしているのか?」
「バカにしているなど、とんでもございません。ただ……」
ヤマトは一呼吸おいて今度は語気を強めた。
「陛下。国を治めるのも王の務めですが……王妃様を笑顔にするのもまた、王にしかできぬ務めでございます。それを侍女や老骨に任せるのは、あまりに勿体ない」
「……!」
そのあとに続く言い訳の言葉をぐっと飲み込んだ。ヤマトにはどうせ全てバレているのだ。
「ああ……今夜、オリガの部屋へ行くよ」
(行って、ちゃんと話し合おう)
「それでこそ我が陛下。王妃様もアルバ様のお出を待っていることでしょう」
ヤマトは鼻歌を歌い出しそうな感じでそう言って去っていった。
この夫婦本当になかなか上手くいかないね!笑
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