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わがまま王妃の奮闘記!  作者: 杉野みそら
第十三章

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新しい軍人②

久しぶりのオリガ視点です。

「オリガ、お前の故郷ロミナ出身の男が軍人として派遣されてきたぞ。名はマテオというそうだ。バルト将軍が言っていた。バラムの城の強化を確実にしたいと思ってな。ほらここ数日何かと物騒だっただろう?バルト将軍によると腕は確実らしい」


 ……マテオですって!?


 嫌な男がバラム城に軍人として派遣されてきた。


 この男には嫌な思い出しか無い。私は四人姉妹の末っ子で、上の姉たちはとっくに別の国に嫁いで、私には姉たちの思い出はあまりない。アルバも私の家族構成は知っていたけど、そもそも私にあまり姉たちの思い出がないから話すことがなかったのだけど……


 ところが両親が末娘の私を心配して?護衛を付け出したのだ。それがこいつ、マテオだ。


 マテオは私より十も年上のくせにとにかく性格が悪かった。多分私の事が嫌いだったんだと思う。


 内心では「なんでこんな小娘の護衛を俺がしなきゃ」と思っていたはず。

 まだ騎士見習いだった彼は、先輩に従わなければならないという義務感から私のお守りをしていたみたいだけど。

 

 こちらこそお断りよ!大体何?騎士って?私には侍女がいればそれで充分なのに。


「えっ体調不良で故郷に帰ったの?」


 聞けば私の侍女は病気がちで故郷に帰り、代わりの侍女が来るその間だけこのマテオとかいういけすかない騎士がそばにいるみたい。


 マテオは十四歳、私が四歳の頃だった。


 十五歳で私がバラムに嫁ぐことになって、ロミナを離れる時にはもう新しい侍女が来てマテオはいつのまにかいなかったけど。 


 こいつは本当に、私が四歳の子どもなのをいいことに、「なんで俺が」とか「あーあ、早く代わりの侍女来ねえかな。お姫様の護衛なんて退屈なだけだぜ」とかしょっちゅう言っていた。


 でも人前では擬態がうまく、マテオは外面だけはよかったので、幼い私がいくらマテオが私に意地悪されて困っていると訴えても聞き入れられる事はなかった。


 そのマテオが今、よりによって再び騎士として私の前に現れたのだった!


「ねぇ、アルバ……」


 私はアルバに、私がマテオに対してあまり良くない印象を持っている事を告げた。意地悪をされて困っていた事、内心では見下されていた事、マテオが私を嫌っていた事。


「……そうか。そんな事が……安心しろ。バルト将軍に言っておく。すまないオリガ、お前を守るつもりでやった事なのに……」


「いえ、アルバは悪くないわ。アルバは私を守ろうとしただけです。それにマテオは私を嫌っているので、何もしてこないですよ」


「ああ、だが一人でもこの城にそういう奴がいてはやりにくいだろう。俺が将軍に言ってオリガとは遠ざけておくからな」


 そう言ってアルバは私のおでこにキスをした。私はアルバのその仕草だけで、胸の中の不安が無くなっていくのを感じた。


「アルバ……嬉しい!大好き。ありがとう、アルバ!」


「……ッ……」


 そう言って私が抱きつくと、アルバは一瞬困ったような、何かに耐えるような表情を浮かべた。


「アルバ?」


「いや、いいんだ。なんでもない……オリガの気持ちが楽になってよかった」


「……?うん」


 アルバは私の頬を撫でて優しく囁いた。

マテオ怪しいな〜!!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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