新しい軍人
「なんかよ〜、新しい軍人さんが来るらしいぜ。バルト将軍が言ってた」
そう得意げに言ったのは、騎士見習いのルイスだった。
「はぁー?あんたみたいな末端の騎士が、将軍なんかと話せるわけがないじゃない!」
すぐさまレティが鼻で笑う。
「嘘じゃない!将軍のさらに下の階級のさらに下の下の階級の俺の知り合いが耳をそば立てて聞いた話だから確実だ!」
ルイスは必死に抗弁した。
「あんたらってほんと暇なのね!ほら今日は洗濯よ!」
腰に手をあて、レティが言い放つ。
「また今日は何をやらかしたんだよ!洗濯物なんかで……」
ルイスが呆れ顔をすると、
「お姉様方がせっかく洗濯し終わった洗濯物をいざ干そうって時に私がつまずいてドボンしちゃったの!以上よ!」
レティは胸を張って開き直った。
「お前何やったらそんなドジ踏めるんだよ……もはや天性だろ」
ルイスが額を押さえる。
「説教はお姉様方からうんと聞かされたわ!あんたもどうせ暇なんでしょ?その新しく来た軍人様とやらのおかげで!ははは!」
レティはからかうように笑った。
「笑い事じゃないんだよぉ!このままじゃ俺騎士じゃなくて侍女になっちまうよ!」
ルイスは泣き言をこぼす。
「あらお似合いじゃない!私も弟子が欲しかったところなのよ!」
にやりと笑うレティ。
「誰がお前なんかの弟子になるかよ!このドジっ子侍女!!」
ルイスは声を張り上げた。
「なぁんですってぇ!!」
レティが怒鳴り返す。
「あんた達またサボって!レティは罰なのに全然進んでないじゃないの!」
そこへ別の侍女が顔を出して叱りつけた。
二人がギャンギャン言い合っているところへ、アディがのんびりとやって来た。
「ほらルイス!洗濯はこうするの!こうして生地をパァン!て!」
アディが当たり前のようにルイスに洗濯の仕方を教えていた。
「ちょ、ちょっとアディさん!俺侍女じゃないってば!!」
ルイスは慌てふためいた。
「あらそうなの?でもどうせ新人なんだから覚えといて損はないわよ!」
アディはさらりと返す。
「あ、そういえばルイス、その新しく来た軍人の話って何だったの?」
レティが思い出したように尋ねる。
「ああ!聞いてみたらさ、オリガ様の故郷出身で、しかもなかなかできるやつなんだってよ!」
ルイスは胸を張った。
「ははは!あんたとは大違いね!」
レティが笑い飛ばす。
「笑ってる場合じゃないわよレティ!あんたが一番ドジなんだから……いや、ルイスと同じくらい?」
アディは首を傾げた。
「誰がこんな奴と同じですか?」
レティが眉を吊り上げる。
「誰がお前なんかと同じだっつーの!!」
ルイスも負けじと叫んだ。
はぁぁ、どっちもどっちよと思いながらアディはレティのせいでぐしゃぐしゃになった洗濯物をまとめた。
「ほら!まとめるだけはしといたから!あとは干すだけよ!レティはもちろんルイスあんたも手伝うの!」
アディが命じる。
「だからなんで俺がーー!!」
ルイスの情けない声が中庭に響いた。
このトリオいいなぁ。笑
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