アディへの贈り物
アディ視点です。ちょっと癒し枠です。
「アディ、ありがとう!あなたのおかげで最近はアルバと前よりも絆が深まった気がするの!」
久しぶりのオリガ様の自室の鏡台の前で、私はオリガ様の髪を整え、今日は何色の宝石を髪に編み込むかを考えていた。
「ん?私?私何かしましたっけ?それに前よりって……前からお二人とも仲は良かったですよ?」
「それが違うの!前まではアルバはこのバラム城では公私混同をしていなかったでしょ?それが最近、城のあちこちで私を見かければ手を取ったり、わざわざ私の隣に来たりするの!」
「はあ……」
(そういえばオリガ様はご自分が毒を飲まされて前後不覚になったことをお忘れだったのだったわ。それでか……あの時のアルバ様の取り乱し用を知らないのは)
あの時のアルバ様のオリガ様への執着。もはや愛情という言葉では言い表せないほどだった。箝口令だって、すべてオリガ様への愛情からしたことなのに……というか、すでに何度も何度もこちらが見ていて恥ずかしくなるような言葉も言われていたような……?
いや、なんせお相手がオリガ様だ。アルバ様の言ってることがわかってないって事もありうる……
「まあそれでもうまく行っていたなら私は何でもいいんですけどね!」
「それでね、アディにこれをあげようと思って……」
ライラと相談して作ったの。
と言われて出された品物は私のドレスだった!
シルエットはノースリーブで肩を出したすっきりとしたIライン。スカート部分にはスリットが入っている。私の黒髪に合わせた深い黒を基調に、装飾や刺繍は太陽を思わせる金糸。
胸元には幾何学模様を象った金属プレート。
ベルト部分は革に金細工をあしらい、実用と装飾を兼ね、さらにアクセサリーは額に細い金のチェーンを垂らしたサークレットを。耳元は小さなフープピアス程度でシンプルに。
「まさかこんな見事なドレスを私に!?嘘でしょ!?」
「全体の印象は『王国を背に立つ若き獅子』よ。男勝りのアディにピッタリだと思って。気に入ってくれたかしら?」
「気にいるも何も……、こんな立派なの、私なんかにはもったいないですよ!!」
「それと、これは私から。私がデザインして、作った靴よ。気に入ってくれるといいんだけど」
そう言ってオリガ様が出して来たのは、黒革を下地にした仕立てに、つま先に太陽を思わせる金糸の幾何学模様が施され、かかとには蔦の花をかたどった刺繍が静かに絡んでいる靴だった!!
いずれも細やかに織り込まれた金糸が、歩を進めるたびに光を受け、きらきらと儚くも鮮やかな輝きを放つように作られている。
「こ、こんな豪華な靴……とても受け取れませんよ!」
「アディ受け取って。私がアディのために作ったの。感謝の贈り物として。そして友達としての特別な贈り物として」
「オリガ様ーー!!!!」
私は感動のあまりその場で靴を持ったまま号泣していた。
「履いてもいいですか!?」
私は焦って聞いた。オリガ様の靴があまりに素晴らしく、早く履きたい気持ちが先走っていた。
「ええ、どうぞ履いて。あなたのための靴よ!」
そっと靴を履く。それは足に吸い付くように馴染み、一歩踏み出すと、金糸が光を受けてきらめく。
「見てください、オリガ様。この靴、私にピッタリだわ!」
その姿に、オリガ様は微笑みを浮かべ、私とオリガ様の間に新しい未来の光が差しこんだ気がした。
久しぶりにドレスのデザインと夢のような幾何学模様に想いを馳せることができて作者が幸せの話でした(え)作者はラブラブな話も好きだけど誰かに何かを贈る話も好きみたい。
アディはただの侍女という関係を超えてもはや親友です。「王国を背に立つ若き獅子」頼もしいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




