夢の話
オリガ視点です。
ハンナや老婆、オリガの秘めたる力の件、色々あって数ヶ月が経った。
アルバと私はしばらく誰にも邪魔されず、穏やかな日々を過ごしていた。
事の発端となった巫女もすっかり形をひそめ、バラム城に立ち入る姿は見なくなった。
(※巫女は王の管轄下にいないのでアルバが刑を下す権限はありません。アルバが巫女を疎ましがるのもそういう理由です)
「巫女ども(あいつら)すっかり城に寄り付かなくなりましたね!これでオリガ様もアルバ様も心置きなくラブラブできるわけだ」
「……」
「ん?また考え事?今度は何?」
「ねぇアディ?おかしなことを言ってもいい?いや、聞いてもいいかしら?」
「ん?おかしなこと?例えば?」
「笑わないで聞いてね。もうずっと前から引きずっている事なんだけど……」
私はアディに、アルバに殺される夢を見たことを打ち明けた。誰かに話すのはこれが初めてだ。
アディは黙って聞いていてくれた。一つもチャチャを入れる事なく、真剣なまなざしで。
「それでね、夢の中でアルバが『お前の考えはお見通しだ!』って言うの」
私の声は震えていた。手のひらが少し冷たく、心臓が胸の奥でぎゅっと締め付けられるようだった。
「目が覚めても怖くて、ずっと心に引っかかってた……」
アディは少し考え込み、やがて柔らかな微笑みを浮かべた。
「なるほどねぇ〜、でもオリガ様。それは昔の自分を怖がってるだけですよ!今のオリガ様はどう?昔と全然変わったじゃない!」
アディの言葉に私は思わず目を見張る。そっか……今の私は、違うんだ。少なくとも、アディや他の侍女たち、城のみんな、さらには……
【オリガ様万歳!オリガ様万歳!】
さらにはバラムの国民がそう思ってる。過去の私はもうどこにもいないと感じた。
そしてきっとアルバも?
アディの言葉に、悪夢に囚われていた心が少しずつほどけていく。
「アルバ様もそうですよ!きっと今のアルバ様ならオリガ様をそんなふうに思っていないと思う。だから。アルバ様に打ち明けてみたら?夢の話を」
「えっ……でも、変な夢を見たって笑われない?」
「笑いませんよ。むしろ安心させてくれますって。アルバ様なら」
すみません少し短めでした。
ついにあの夢の話をするオリガ!頑張れ!
※オリガは老婆が処されたことを知りません。オリガがそのあたりの記憶を失っているのでみんな黙ってます。
最後までご覧いただきありがとうございました。




