オリガの容態②
アルバ視点です。
「失礼ながら申し上げます」
そう言って俺の前に出てきたのは老侍従ヤマトだった。
「オリガ様が自室に戻った時、何かおかしな様子はありませんでしたかな?」
「おかしな様子……?」
「そう、たとえばアルバ様を見て、違う誰かと勘違いしていたとか……」
(来ないで!どうせあなたも同じ、私を汚しに来たののでしょう?!)
(ああ、アルバ……私、記憶が混同して)
「確かにそんなことがあったような気がする……あれは一時の気の迷いだと思っていたが……」
「医師の毒の話を聞き、こんな魔女の伝承を思い出しました」
【一度でも、その魔女の毒に触れたならば......心の明かりはたちまち曇り、記憶は濁りて、まるで深き淵に沈むがごとし。潜みし闇は決して消えず、ただただ、忌まわしき時を呼び覚ますのみ......耳傾けよ、胸震わせよ。これぞ古の戒め、これぞ末代にまでの戒めとぞ語り伝えたるーー】
「そ、それはなんと……」
俺は狼狽する。なんとこの世には強力な毒が存在するのかと……
そしてそのような毒を、オリガが飲まされた……という事実に、俺は王としても夫としてもあまりの無力さに、ただ首を垂れるしかなかった。
医師の見立ては間違えてなどいない。魔女の毒ならば、そのようなものを作り出すことなどいとも容易い……
「なんとかならないのか!?」
「……毒が抜けきれば、心の安定は保たれるでしょう。ですが一度失った記憶は、もう元には……」
医師がそこまで言って、ヤマトが割って入る。
「アルバ様」
その声は俺に言い聞かせるように、あるいは諭すようにヤマトは続けた。
「今回の件は我々にも、オリガ様自身にも辛く悲しい事でございました。オリガ様にはこのまま記憶を失ったままにしておいた方がいいかと」
老侍従ヤマトはそう言って頭を下げた。
(確かにそうだ。オリガにとっては屈辱的で、忌々しい記憶ばかりだ……)
「しかし、城の者には何と致す。もうこの城の末端にまで広まっているのだぞ。オリガが城を出たと」
「それについてはこのヤマトに考えがあります」
ヤマトの灰色の瞳がキラリと光る。それは何かを確信したような光だった。
どうもアルバ視点だと説明口調でつまらない文章になる気がする。お硬い文章ですみません。汗
アルバが王だからかな?(え?)
ここまで読んで頂きありがとうございました。




