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わがまま王妃の奮闘記!  作者: 杉野みそら
第十一章

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ひとときの安らぎ

オリガ視点です。蕩けるように甘い二人。

 ーーまぶしい。


 重たいまぶたを持ち上げると、最初に目に飛び込んできたのは柔らかな光だった。


 天井の装飾。見慣れた寝室。

 

 そして.....私のすぐそばに座る、大きな影。


「アルバ.....?」


 掠れた声が、知らず零れていた。


 振り向いたその瞬間、翡翠色の瞳とぶつかる。険しさも威圧もなく、ただ安堵の色だけを湛えて一ー

 

 彼はそこにいた。 


「オリガ!」

 

 強く、けれど震える声。私の手が彼の掌に包まれ、流れ込んで来る。


 ああ......


 私はこの人の、アルバの腕に抱かれるために生きてきたのかもしれないわ。だって、こんなに心地よいもの。


「……ごめんなさい。私アルバにまた心配をかけてしまったのね」


 言葉を紡ごうとした途端、なぜか涙が込み上げてきた。


「謝るなよ、ほら。おいで」


 アルバの低い声が、真っ直ぐ胸に響き、その大きな体に抱きしめられる。


「オリガが目覚めた時に一番最初に俺が側にいたかった」


 オリガは顔を上げるが、視線が絡んだ瞬間、慌てて逸らしてしまう。耳まで赤く染まっているのを、アルバは微笑ましく見守る。


「私も、アルバのことをずっと考えていた……」


 私が小さく呟くと、アルバの低い声が、真っ直ぐ胸に響く。


「よかった……お前が生きている。俺はそれだけで……」


 それを聞いた時、言葉にできない想いがあふれて……気付いたら涙が止まらなかった。

 

 胸いっぱいに広がるのは、安堵と幸福。

 

 差し伸べられた彼の腕に、私は迷わず身を預けた。

 広い胸に抱きしめられ、鼓動を聞く。どくん、どくん、と力強い音が伝わってきてーーその音が、私を生き返らせる。


 ふと、アルバの耳に光るものがあった。私が贈った耳飾りだった。


「この耳飾り……」


「ああ、お前が握っていたものだ」


(私がアルバを無意識に握っていた……?)


 思いのざわめきは、アルバの温度の底へ静かに沈んでいく。

 私も、今はただアルバの胸を、ぬくもりを、鼓動を感じていたい……


「本当に……愛してるわ、アルバ」


「俺もだ。永遠に、お前だけを」


 彼の囁きに、胸いっぱいの感謝と愛が溢れて、私はただ、涙をこぼしながら微笑んだ。


(愛してるわ、アルバ……言葉にできないほどに)


 涙と微笑みの中で、唇がそっと触れ合った。

緊張感のあるシーンが続いたので、久しぶりに甘々な二人をご覧下さい。今だけは、アルバの優しい腕に抱かれて穏やかな時間を過ごしてね。オリガ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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