愛してる、アルバ
オリガ視点です。砂糖菓子のように甘い二人。
その夜、夫婦の寝室にて。 私は裸足で絨毯の上をうろうろし、落ち着かない気持ちで指をもじもじと絡めていた。どうしても黙っていられない。
「……アルバ」
か細い声が夜の静けさに溶けていく。
「ん?なんだ?」
裸足のまま絨毯の上に立っていた私を、アルバが寝台へと促した。けれど私は、ただ俯いて言葉を探していた。
「ききき、今日、ご側室の話を聞きました。お城では先王様以来のご祈祷以来では、そういう制度があるとか」
「はあ、それで?」
アルバの顔が一気に険しくなるのを見て、胸が締めつけられる。
ーーやはり私に不満があるのだろうか。
「その、ご側室のお嬢様でしたら、アルバの望みも叶えてくれるんじゃないの……?アルバは、本当に私で……私でいいの?」
自分で言ったくせに、涙が出そうになった。情けない。泣いちゃだめ。子どもみたいって思われちゃう。
でも瞳の奥に熱いものが広がり、どうしても堪えきれない。
その時。
アルバが側に寄り、そっと私の顎をすくいあげた。
瞳が揺れた瞬間、堪えていた涙が零れてしまう。
頬を伝うのを、自分でも止められない。
(ああ、オリガ。お前は本当に可愛いらしい)
「いいも悪いもない」
アルバの低い囁きが胸に落ちる。
「俺にとってお前は唯一無二だ。他の女など目に入らん。側室だと?笑わせるな。俺が欲しいのは、お前一人だけだ」
「……っ!!」
ーーずるい。そんなこと言われたら。
頬が一瞬で熱くなり、私は慌てて視線を逸らす。
やっぱりアルバは大人なんだ。こんな言葉をスラスラと言えちゃうんだもん……
唇を噛み、潤んだ瞳でアルバを見上げる。
「そんな可愛い顔で見るなよ」
アルバの言葉にさらに顔が熱くなる。
「そ、そんな……恥ずかしいこと……」
するとアルバは笑い、私の手を取り、指先に口づけた。
「お前が未熟でも構わん。お前が泣き虫でも構わん。お前であれば、それでいい。俺は生涯、お前の夫であり続ける」
「アルバ……」
思わず名前を呼ぶ声が震えてしまう。
私は顔を覆ってしまった。耳まで真っ赤に染まっているのが自分でも分かる。
次の瞬間、包み込むように抱かれた。アルバの体は大きいので小さな私はすっぽり収まってしまう。
唇が触れ、体がびくりと震える。けれどそのぬくもりに抗えず、私は彼の胸に身を預ける。
(アルバの体、大きくて安心する……この大きな体に包まれていると、この世のありとあらゆるものから守られているみたい)
「……あったかいわ。アルバの体」
私がポツリと呟くと、アルバはすぐに低く答える。
「当たり前だ」
アルバは私の髪に顔を寄せた。
「お前を冷やすくらいなら、この命ごと燃やしてやる」
私はアルバの胸に顔を埋めたまま、小さく笑った。
「……そんなこと言う人、アルバしかいないわ」
ーーああ、この人の言葉も、この抱擁も、全部大切にしたい。
ただこのぬくもりを大事にしていきたい。
ただアルバを愛したい。
私の心はただ一人。
アルバで満ちている。
愛しています、アルバ。
私は体格差が好きなので、すっぽり覆われるオリガを書けて思わずニッコリしてしまいました。
ここまでお読みいただきありがとうございました!




