パレードの余韻
アルバ視点です。
「しかしあのドレスは見事だったな、とてもお前を殺めかけた手で作られたとは思えぬ」
パレードの熱気と喧騒を後にして、オリガと二人で寝室に戻ると、室内には俺の趣味で集めた香料の甘くしっとりとした香りが漂っていた。
金色の装飾が施された家具やカーテンは、優雅さをたたえ、夜の月明かりに柔らかく反射している。外の喧騒が遠ざかるたび、二人だけの世界が静かに広がっていく。
「ライラの腕は確かですもの。ライラの腕を褒めてくれて嬉しいわ。ありがとうアルバ」
俺はふっと笑うとオリガを引き寄せた。オリガは相変わらず綿菓子のように軽く小さい体だ。
「オリガ……今日のお前は本当に美しかった。街中の誰もが、お前の姿に目を奪われていたはずだ」
オリガは少し照れたように微笑む。胸の奥に込み上げる誇らしさと愛おしさを抑えきれず、俺は言葉を続ける。
「そして……ライラの腕も素晴らしかった。お前の衣装をここまで完璧に仕上げるとは。正式に、オリガ専属の衣装係として認める」
オリガは微かに息を飲み、俺の言葉を受け止める。ライラのことを心から信頼している彼女の目には、誇りと安心が映っていた。
「ああ、アルバ……嬉しい、わ……」
その後、オリガは疲れからか、ベッドに横たわるとすぐに眠りについた。眠りに落ちた彼女の顔は、昼間の緊張や喧騒をすべて忘れたかのように、柔らかく穏やかだ。
思わず彼女の額にそっと唇を寄せる。
「可愛い顔しやがって……」
部屋の沈黙が痛い。
自分で言った言葉なのに照れくさい。
オリガの顔を前にして、胸の奥がただ満たされる。
香料の甘く柔らかい香り、金色に煌めく装飾、そして静かに差し込む月明かり。すべてが、俺とオリガのこの瞬間のためだけにあるかのようだ。
外の世界がどれほど騒がしかろうと、この部屋の中では、俺たちはただ二人きり。
穏やかで愛おしい時間に包まれていた。
オリガが穏やかに眠る顔を見下ろしながら、俺の胸にはまだ熱が残っていた。
今日のパレード、あの熱気と歓声、そして何より彼女の美しさ――すべてが鮮明に思い出される。
「今日のお前は……本当に、誰よりも輝いていた……いや、俺の目には、世界で一番美しかった」
口に出すと、少し自分でも恥ずかしくなるほど直球だが、オリガが聞いていない今だからこそ言える。
オリガの愛しい寝息に混じって、俺の心の声だけが部屋の静寂に溶けていく……
《オマケ》(オリガが聞いてないからこそ言えるアルバの愛の独白・独占欲吐露)
「俺は……お前を誰にも渡したくない。国民に見せることも必要だ、でも……お前の美しさは、俺だけのものだ」
布地に触れた手の感触、香料の甘い香り、金色に煌めく装飾……すべてがこの夜の贅沢を演出している。
月明かりがオリガの髪に柔らかく反射し、青い瞳は閉じられているのに、胸の奥にいつまでも焼きつく。
そっと彼女の額に唇を寄せる。小さな寝息が返ってくるだけだが、それで十分だ。
俺はそっと囁く――
「俺は……お前を、心から……」
何度も何度も言ってもお前は照れるばかりで。その度に俺はいつも新鮮な気持ちになる。
気付いているか?
静かに部屋を満たすのは、香料の甘い香りと、愛でいっぱいのこの独白だけ。
今日の思い出、民衆の歓声、オリガへの称賛――
そのすべてが俺の胸に余韻を残す。
眠るオリガの傍らで、俺はしばらくその幸福と独占的な想いに浸った。
オリガの寝顔を見て可愛いなとアルバに言わせたかっただけの話(冗談です)。
ライラもアルバに認められてよかったですね!
今度は寝てない時に喋ってほしいなぁ!
ここまでお読みいただきありがとうございました。




