オリガの祝賀祭
オリガ視点です。
夜が明け、陽光は王都の屋根を金色に染め上げた。
今日は、王妃オリガの誕生日。城下の街路は花びらと旗で彩られ、すでに人々の歓声が渦を巻いていた。
私が鏡台の前で支度を整えると、侍女たちが一斉に息を呑む。
ドレスは白銀に輝く絹の衣、胸元には王家の宝石が煌き、裾は夜明けの光を抱き込むように揺れている。侍女たちは話さずとも皆こう思っているはずだ。
『このドレスは、まさにオリガ王妃に相応しい』と。
けれど心は……ほんの少し、不安で震えていた。
――この姿を、国中の人々が見つめる。 あの夜、アルバが抱きしめながら吐露した「見せたくない」という言葉が胸に残っていたからだ。
「オリガ」
振り返ると、アルバが立っていた。軍装に身を包み、バラムの紋章の入った王にのみ着用を許されたマントを羽織っていた。背筋は凛として、しかしその瞳はただ私ひとりに向けられている。
彼は一歩近づき、私の手を取った。
「……自信を持て。これはお前の誕生日であり、国の祝祭の日だ。民はお前を待っている」
私は微笑もうとしたが、唇がかすかに震えるのを彼は見逃さなかった。
「だが安心しろ」
その声は、王としてではなく、ただの夫のものだった。
「どれほどの人々が目を凝らそうとも――お前を護るのはこの俺だ。視線ひとつ、お前を傷つけさせはしない」
彼の大きな掌が、私の頬を包む。 心の奥に積もっていた不安が、春の雪のように溶けてゆく。
「アルバ……ありがとう」
小さく囁くと、彼はふっと微笑んだ。
「行こう。お前は俺の女神。この国を照らす光。国民に示すにふさわしい、唯一の王妃だ」
やがて、城門の扉が開かれた。 眩しい陽光とともに溢れる歓声。花びらが空から舞い落ち、民衆の笑顔が波のように広がる。
アルバが私の手を強く握る。 その温もりがあれば、もう恐れるものはなかった。
――私は、王妃として。
――そして、ただ彼の妻として。 この祝福を受け止め、歩んでいこうと心に誓った。
なんかアルバってこんなキャラだったっけ??いえ、アルバは元々こういう男です!オリガに対してだけ、甘い言葉を囁くのです。
そしてオリガが無意識なのがなんとも言えない笑
ここまでお読みくださりありがとうございました。




