オリガのドレス②
オリガ視点です。少し短めです。
ノックの音がし、アルバの命令で扉がゆっくりと開いた。
そこには、かつて伯爵家として堂々としていた娘の姿はなく、本当に反省して心を入れ替えたように見える一人の少女がいた。
背筋は少し丸まり、目は伏せられ、指先をもじもじと動かすその仕草からは、かつての傲慢さのかけらも感じられない。
あの威圧的な態度や鼻にかけた笑みは消え、ただ恐縮しながら扉の前に立つ姿は、以前とはまるで別人だった。
「失礼します……」
私は思わずほっと息をついた。
「ライラ……来てくれたのね」
でも隣に立つアディは、私の安心感などお構いなしに、鋭い目をライラに向けた。アディはまだ完全にライラを許していない。それはアルバも同じ。
当然よね……
「ライラ。あなた本当に……オリガ様の衣装係を務めるつもりなの? 以前の件を忘れたわけではありませんよね?」
アディが語気を強める。
ライラは小さくうなずく。
「……はい……もう二度と、オリガ様を困らせることはいたしません……。心から反省しています……」
アディの目がさらに細くなる。
「ふーん、反省しているだけで済む問題ではないでしょう。私も、アルバ様も、慎重に見極める必要があります。もし手抜きでもしたら、オリガ様にどれほど迷惑がかかるか……わかっていますね?」
「は、はい……わかっています……!」
ライラはうつむき、声がかすれるほど恐縮していた。
私は胸の奥でそっと安心する。
「ライラ……大丈夫。私はあなたのことを信じてるの。だからこそ、お願いしたのよ」
その言葉にライラは少し顔を上げ、目にほんの少し光が戻った。アディはまだ疑いのまなざしを向けているけれど、私の信頼の力が少しずつその頑なさを和らげてくれる気がした。
「……わかりました。オリガ様のために、精一杯務めさせていただきます」
ライラの声は小さいけれど、覚悟が込められていた。
私は小さく頷き、心の中でほっと息をついた。
これで、ドレス作りの戦いは始まる――でも、きっと大丈夫。信頼と努力で、素敵な一着が出来るはずだと、私は信じて。
ライラは染め物で有名な街の伯爵家の一人娘です。
詳しくはhttps://ncode.syosetu.com/n0920kw/28
「エピソード28.銀糸の甘い香り」をよかったらご覧ください。
かつては傲慢だった心も、今ではすっかり改心しています。この話ではライラが本当に改心している様子と、まだ懐疑的なアルバとアディを書きたかったため少し短いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。




