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わがまま王妃の奮闘記!  作者: 杉野みそら
第五章

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長い夜の終わり

長く、永遠にも感じられた夜の夜明けです。

 俺はオリガの手を握りしめたまま、夜明けを迎えた。 

 窓の外では鳥が鳴き始めている。長い、果てしなく長い夜だった。


 それでも、こうして彼女の鼓動が伝わってくることに、俺は救われていた。


 オリガは生きている!


 不安に押し潰されそうになっても、その事実だけが確かな答えを返してくれる。


 俺は深く息を吐き、まだ眠りの中にあるオリガの可愛い顔を見つめた。昨夜の苦しい表情は今はもう取り去られ、ただ無防備な、まだ幼さを残すあどけない顔。頬は血色を取り戻し、ほんのり薔薇色に染まっている。


 俺はオリガの額に手をやる。


(もう熱は引いたか)


 オリガが生きている。その事実に俺は自分でも驚くほどに心からの安堵を覚えた。 


 守りたい。たとえ何を失おうとも、彼女だけは失いたくない……!


 その思いを胸に刻み、朝の光がアラベスク模様と金箔で描かれた壁を縁取り、部屋を満たしていくのを、ただ黙って見つめていた。


 (恐怖に震えた夜だとしても、朝は普通にやってくるのだな……)


 俺がその当たり前の事実にふ、と息を漏らした時、オリガのまつげがかすかに震えた。


 「……アルバ?」


 弱々しい声に、胸が詰まる。それと同時に、俺は安堵のため息を漏らした。


 (オリガ!!)


 オリガはゆっくりと目を開け、俺の手を取ると、そのまま頬に当てた。


「……よかった」 


 小さく呟く声は震えていた。


「もう二度とアルバに会えないかと思ったの」


 そう言った途端、(せき)を切ったように涙がこぼれ、彼女は俺にしがみついてきた。


「ふぇぇ〜ん!アルバ!アルバ!」


 俺にしがみつくオリガの小さな手は震えていた。声をあげて泣く姿を見て、オリガもまた、俺と同じ気持ちだった事に気付く。


 ――オリガを失うことが何より怖かった。


 俺はオリガの頭を撫でながらその小さな体を強く抱き返した。


「大丈夫だ。俺はここにいる。オリガ……もう離さない」


「アルバ……」


 その時、窓から差し込んだ朝の光が、まるで二人を祝福するかのように寄り添い、長い夜の終わりを告げていた。

このお話は二人の絆に焦点を当てました。そのために短いです!すみません。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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