長い夜の終わり
長く、永遠にも感じられた夜の夜明けです。
俺はオリガの手を握りしめたまま、夜明けを迎えた。
窓の外では鳥が鳴き始めている。長い、果てしなく長い夜だった。
それでも、こうして彼女の鼓動が伝わってくることに、俺は救われていた。
オリガは生きている!
不安に押し潰されそうになっても、その事実だけが確かな答えを返してくれる。
俺は深く息を吐き、まだ眠りの中にあるオリガの可愛い顔を見つめた。昨夜の苦しい表情は今はもう取り去られ、ただ無防備な、まだ幼さを残すあどけない顔。頬は血色を取り戻し、ほんのり薔薇色に染まっている。
俺はオリガの額に手をやる。
(もう熱は引いたか)
オリガが生きている。その事実に俺は自分でも驚くほどに心からの安堵を覚えた。
守りたい。たとえ何を失おうとも、彼女だけは失いたくない……!
その思いを胸に刻み、朝の光がアラベスク模様と金箔で描かれた壁を縁取り、部屋を満たしていくのを、ただ黙って見つめていた。
(恐怖に震えた夜だとしても、朝は普通にやってくるのだな……)
俺がその当たり前の事実にふ、と息を漏らした時、オリガのまつげがかすかに震えた。
「……アルバ?」
弱々しい声に、胸が詰まる。それと同時に、俺は安堵のため息を漏らした。
(オリガ!!)
オリガはゆっくりと目を開け、俺の手を取ると、そのまま頬に当てた。
「……よかった」
小さく呟く声は震えていた。
「もう二度とアルバに会えないかと思ったの」
そう言った途端、堰を切ったように涙がこぼれ、彼女は俺にしがみついてきた。
「ふぇぇ〜ん!アルバ!アルバ!」
俺にしがみつくオリガの小さな手は震えていた。声をあげて泣く姿を見て、オリガもまた、俺と同じ気持ちだった事に気付く。
――オリガを失うことが何より怖かった。
俺はオリガの頭を撫でながらその小さな体を強く抱き返した。
「大丈夫だ。俺はここにいる。オリガ……もう離さない」
「アルバ……」
その時、窓から差し込んだ朝の光が、まるで二人を祝福するかのように寄り添い、長い夜の終わりを告げていた。
このお話は二人の絆に焦点を当てました。そのために短いです!すみません。
ここまでお読みいただきありがとうございました。




