オリガのまぼろし
オリガとお腹の子の事を考えて急に怖気付いたアルバ。そこへ……
オリガがまだ俺と結婚して間もない頃は、こんな未来が来るとは思っていなかった。
王の代も、血筋や伝統も、俺の代で終わってもいいと思っていた。
ーーこんな孤独と悲劇の先には地獄しか待っていないだろうと……こんな孤独は俺で終わらせてしまおうとーー
あの頃の俺は、全てを諦めていたような気がする。
「うーん……」
「オリガ……?どうし……」
慌ててオリガの顔を覗き込むと、変わらず幸せそうな寝息を立てて眠っている。
俺はホッとして短く息を吐いた。
こんな風にオリガの寝顔を見つめる事もなかったかもしれない。
『アルバ』
声がした方を見ると、結婚当初のオリガがいた。
今より少し顔つきが違う。気が強そうな眼差しで。
『私は過去のオリガ、アルバ、オリガを幸せにできるのはあなただけよ。そしてお腹の子も』
「え……」
『オリガがこんな穏やかに眠れる日を……迎える、なんて……』
「オリガ!!」
『お願いアルバ……オリガとその胸の奥で眠る子を……守って』
手を伸ばすと、"過去のオリガ"は消えてしまった。
(今のはまぼろし??)
不思議に思って寝ているオリガを見ると、幸せそうに寝ている。
『オリガとその胸の奥で眠る子を守って』
俺はかすかに笑みをこぼす。
なんでもいい。今の幻が、俺の不安が見せた幻影か、それともオリガの代わりに出てきたものであろうと……
「ああ、約束しよう」
のらりくらりと嫌なものから目を逸らして生きていた過去の俺と、わがままだった過去のオリガはもういない。
夫として。父として。俺は今度こそ必ず、オリガとお腹の子を守り抜くと……
震えていた手は、いつのまにかおさまっていた。
過去のオリガのまぼろしはオリガの力が見せた幻じゃないかな?過去のオリガもこれはこれで可愛いな!
また短めですみません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




