変わらないオリガとアルバ
お腹に子を宿していると聞いたオリガは慌てたが……
三人称です。
※先程は間違えて表記していました。すみません。
「しかし失うどころか……俺は父親になるらしい」
「…………は?」
「医師がそう言った。お前は……子を授かっている」
オリガの青い瞳が大きく見開かれる。
「……えっ、えええ!?!?!?」
慌てて上体を起こそうとするが、アルバが慌てて抱きとめる。
「おい、無理をするな!ほら横になっていろ」
「だって……だって……そんな急に言われても……」
オリガは頬を真っ赤にしながら、言葉を失う。
アルバはその様子に思わず吹き出し、唇をオリガの額にそっと重ねた。
「本当にいつも、お前には驚かせられてばかりだな」
「……アルバ……」
頬に熱が広がり、オリガの目からは自然に涙が零れた。
「どうしよう、すごく……嬉しいわ……」
アルバはその涙を指先で拭い、オリガを抱き寄せる。
「ああ……俺もだ」
(先程までは、あんなに不安だったのに……今はオリガが笑っている。それだけでこんなにも)
心の痞えがほぐれて行く……
お互いの温もりを確かめ合いながら静かに笑みを交わす。
二人は安堵と幸せを噛み締めながら見つめ合い、そっとオリガの唇にアルバのそれを重ねる……
「あっ!そういえば!」
「なんだ?いい雰囲気の時に」
アルバの眉間にシワが寄る。
「ルクスはどうしました?!」
「ああ、ルクスは……」
* * *
「ここにルクスがいるの?でもここはソウタの馬小屋では?」
「いや、それが……」
オリガの目には、ソウタのたてがみに顔を埋めるルクスと、まんざらでもないソウタが映った。
「なっ、なっ……」
その様子を見て、オリガの手が震える。オリガは休んでいろとアルバに言われたのを無視して馬小屋に来ていた。
「……オリガを急いで運んだ後、ソウタがルクスを迎えに行ったらしくてな。いつのまにかこんな状況になっていた。珍しいよ、ソウタは俺以外に心を開かないのに」
「そっ、そうなんですか?でも見て!ソウタはまるで前から知っている相手だったみたいにルクスのしたいようにさせているわ!」
「ああ、そうだな……不思議な事もあるものだ」
「……飼い主に似たのかしら」
オリガがそうボソリと呟くと、アルバは吹き出した。
「あのまんざらでもないソウタの顔、どこかで見た事があるわ……ん〜?」
「おいオリガ……馬鹿な事を言うんじゃない」
ふわりとオリガの両肩にアルバが普段から着ている外套がかけられる。
「……ルクスは大丈夫だ。世界一の名馬が隣にいるからな。そして、お前には俺がいる。今度こそ守らせてくれ……お前に万一の事があれば俺は……死んでも俺は自分を許せそうにない」
「う…………//」
(久しぶりに聞いた、アルバの歯の浮くようなセリフ)
「じ、じゃあ部屋に私を連れてってください//」
オリガはそう言って両腕をアルバに突き出し、抱っこをねだる。
「くく、オリガは子を宿していると言うのに、まるで子どもだな」
「……私もルクスみたいに甘えたいの。ダメ?」
潤んだ瞳でアルバを見上げる。
「うっ……仕方ないな……そのかわり、部屋に戻ったら今度こそ大人しく寝てるんだぞ」
「はぁい」
通りすがりの侍女が、アルバが抱き抱えたオリガと仲良さそうに戯れ合う様子を見た。その姿はまるで一枚の絵画のようであったと……
変わるものもあれば、変わらないものもあるという事で……
ところでソウタは誰に似たんでしょうねぇ……
最後まで読んで頂きありがとうございました。




