アルバ、愛してる
巫女どもを追い出したアディ。後に残された二人は……
前半部分はアディ視点です
*以降はアルバ視点
「やれやれ、それにしても巫女の発言には驚いたな。"神聖なルクスフィーナ様を汚さないでいただきたいのです"なんて。血筋がどうの言う割に矛盾してないか?」
私はアディ。今巫女どもを城から叩き出してアルバ様の部屋に戻っているところだ。
「もしかして巫女どもは天からの授かりものを額面通りに受け取ってるんじゃないかね」
* * *
「綺麗ね、アルバ……」
「ああ……」
巫女どもが立ち去ったあと、俺たちは祭りの様子を上から見ていた。
街は騒がしいほどにきらめいていた。
緋色の灯りが道を縁取り、店先からは甘い焼き菓子の匂いが立ちのぼる。
魔女の帽子をかぶった子らが駆け抜け、吸血鬼や怪物の姿をした若者が笑い声を響かせる。音楽と笑いが絶え間なく混じり合い、まるで街全体がひとつの仮面舞踏会に変わったようだ。
「……綺麗だな」
祭り独特の優しい明かりに照らされたオリガの横顔は、瞳がその光を受けて煌めき、息を呑むほど美しかった。
「本当に、綺麗だ……」
ん?とオリガがこちらを振り向く。
オリガの作った天使の羽根が、微かな風に揺れる。
「オリガ、こっちへおいで」
「うん!」
素直に俺の膝に乗って来たオリガは、ちょこんと座ったまま俺の胸に額を擦り寄せてきた。
小さな手で俺の指を探して絡めて、嬉しそうにくすくすと笑う。一つ一つの仕草が可愛い。俺はそんなオリガの頬を寄せ、そっと口づける。
「確かに、これは背徳的だなオリガ」
「ん?何がですか?」
「あの巫女が言っていた言葉。堕天使が天使を汚すなど……という言葉を思い出したんだ」
「ふふ、なんですかそれ?私にはピンとこないわ」
「……何故だ?」
「だってアルバは私を汚してなんかいないじゃない」
見上げるオリガの瞳に俺が映る。吸い込まれるような青い瞳が扇状的に揺れるのは祭りの独特な雰囲気のせいだろうか?
「……そうだな、オリガ」
「そうですよ」
その時広場の喧騒がひときわ大きくなった。
花火が上がったのだ。
「わぁ〜!!すごい!花火よ、綺麗ね!私の誕生祭は昼だったから花火は見れなかったわ!」
「……ああ」
俺は膝に乗ってはしゃいでいるオリガを強く抱きしめた。
少し前までは、感じられなかった感覚。この感覚はなんだろうか?嫉妬とも独占欲とも違う……
「愛してます、アルバ」
ふと下を見ると、オリガがこちらを見上げていた。
「愛してます、永遠に……」
へへっと照れくさそうに言ってへにゃりと笑うその姿に胸が熱くなった。
(そうか、この感覚は……)
その瞬間、ひときわ大きな花火が上がって夜空に大輪を咲かせ、街は一層歓声に包まれた。
オリガと街の人々が花火の美しさに目を奪われている中で、俺の胸の奥ではオリガの笑顔だけがいつまでも輝き続けていた。
もう完全に二人の世界ですね。みんなで祝いましょうちょうどお祭り回だし(?)
へにゃへにゃなオリガは可愛いbyアルバ
最後まで読んで頂きありがとうございました。




