アルバとオリガとアディ
一方こちらは山小屋のオリガ。
「ん?アルバ?どこ?」
私はオリガ。城の中庭にいたんだけど、色々あって今はどこかの山の小屋にいる。
「アルバがいないと寒いわ……」
ふと部屋を見渡すと、暖炉が目についた。でも、火がついてないしつけ方もわからない。
(アディがいたらちゃっちゃとやってくれるんだろうな……)
『オリガ様、今日の髪飾りはどうしますか?』
『オリガ様!またアルバ様と何かあったんですか?』
『きっと今のアルバ様ならオリガ様をそんなふうに思っていないと思う』
ふふっ、思えばアディには苦労かけっぱなし……あの時も、あの時も、思えばいつもアディは私の側にいてくれたな……
そういえばアディと別れてから何日経ったのかしら?バラム城は大丈夫かな?私にまた何かお茶会のような公務があったらアディに迷惑かかるよね……
「オリガ、起きていたのか」
「アルバ!」
「暖炉に入れる薪を取って来たんだ。待ってて、今火をつけるから」
「ねぇアルバ。私達お城に戻らなくてもいいの?」
私はアルバの大きな背中に語りかける。
「ん?んーそうだな……どうだろう。……城に戻りたいのか?オリガ」
「いえ、ちょっとその……気になっただけです。私にまた何かお茶会みたいなお話が来ていたら、アディに迷惑かかるかなって……」
「ふむ……」
暖炉に火がつき、ぱちぱちと弾ける音と共に橙色の光が壁や天井を染め上げていく。冷え切っていた空気は次第に溶け、じんわりとした温もりが部屋の隅々にまで満ちていった。
「わぁ……暖かいわ……」
アルバが私の隣に腰を下ろす。
「……しばらくはお前には来ない。お茶会で疲れただろう?大きな仕事は、今度開催される収穫感謝祭くらいだ」
「収穫感謝祭?年に一度、五穀豊穣を願って食物に感謝するお祭りのことね!カボチャをくり抜いたランプが特徴的で……魔女や黒猫の格好をした人達が街を歩くの」
アルバが目を丸くした。
「驚いたな、調べたのか?」
「いいえ、アディに教えてもらったんです。収穫感謝祭の時は、お城の方たちもみんな仮装するんだとか」
「そうか、アディが……。お茶会の時も思ったが、アディには俺も助けられている。いつか俺も感謝の意を示したい」
「ふふっ、その気持ちは伝わっていると思いますよ。なんたって私の侍女なのですから!」
私はそう言ってふんぞり帰った。アディが褒められて嬉しかったのだ。その様子にアルバが微笑む。
「……アディに会いたい?」
アルバはそっと私を抱き寄せる。
「えっ?ええ……会いたいです」
「そうか、でも俺はもう少し……お前と一緒にいたい……」
「アルバ……」
部屋に甘い沈黙が流れて互いに唇を寄せる。
暖炉の炎が揺れて、二人を暖かく包み込んでいった。
アディはアルバにとっても大きな存在。
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