オリガの噂
三人称です。ほのぼのしたお話。
レティはいつものごとく洗濯物干しの罰を受けて、一人で大量の洗濯物を干しているところだった。
「ねぇルイス聞いた?!オリガ様のお茶会での伝説!!」
そこへルイスが通りかかって足を止めた。
「ん?ああレティか。お前また罰を受けてんのか」
「そんなことよりオリガ様よ!聞いたの??」
「ああ聞いた!貴族のご令嬢達をその瞬きだけで虜にしたらしいな!!」
「ほんの一言だけで夢中にさせたとも聞いたわ!!」
「さすがオリガ様だぜ!!」
「しかもね、オリガ様がひと口お茶を飲んだだけで、部屋中に花が咲いたんですって!」
「えっ!?花まで!?それもう奇跡じゃないか!」
「その様子を見ていたご令嬢達は感極まって、全員ひれ伏したらしいわ!!」
「さすがオリガ様だぜ!!人類のレベルが違う!!」
ルイスは手伝いのために洗濯物を手に取りながら、オリガ様の噂話でさらに盛り上がる。
「それにね、オリガ様が笑っただけで鳥が窓辺に舞い降りたらしいの!!」
「ええっ!?笑っただけで鳥まで!?」
「その鳥がまた、天井の燭台の光に照らされて、部屋中が宝石みたいに輝いたらしいわ!!」
「ちょ、ちょっと!人類レベルが違いすぎるだろ!!さすがオリガ様!!」
レティとルイスの口はとどまることを知らず、延々と話し続けた。山積みの洗濯物は山積みのまま……と、そこへ……
「レティ!嫌な予感がして来てみれば……全然進んでないじゃない!!」
「うわぁ……アディお姉様!!」
「ヒェ、アディさん!こ、今回俺はレティに話しかけられたからで罰の邪魔しようとかは全然……じゃ、俺はこれで」
ルイスは慌ててその場を離れようとした。
「待ちなさい!ルイス、あなたの直属の上司に会ったわよ!」
「えっ俺の上司って、アラン先輩のことっすか?」
「そ!アランも許可してくれたわ。これからはレティと一緒にルイスも教育してどうぞってね」
「そんなぁ!!アラン先輩酷いっすよ!!」
ルイスは泣き言を漏らす。
「はっは!ついでにルイスの軟弱な精神も鍛えてもらいたいだとさ!」
「わはは!いつも私のことを馬鹿にしているからよ!」
レティが指を指して笑う。
「レティは人のこと笑えないでしょ!口より手を動かしなさい!ルイスも!」
「はい!!」
「はいい!!」
レティとルイスは慌てて作業に戻るが、内心ではまだオリガ様の伝説話に夢中だ。
アディはため息をつきつつ、二人の暴走と先日のお茶会でのご令嬢の様子に思わず頬がゆるむ。
(やれやれ、確かにオリガ様は見た人を虜にしてしまう不思議な魅力があるけど、こんなにも多くの人を魅了してしまうとは)
「しかもこんなに噂話に尾ひれがついて広まるとは!はっは!大したお方だよ」
「アディお姉様!今の"お方"ってオリガ様のことですか??」
「もう、レティはオリガ様のことになると必死ね。あとで話してあげるから、早く片付けなさい!!」
「はい!すみません!」
白い石畳みの上、陽光を受けた洗濯物が、まるで三人のやりとりを笑うように風にはためいた。
本当に、何なんでしょうねオリガ様の魅力って…
最後まで読んで頂きありがとうございました。




