初めてのお茶会成功?
三人称です。楽しいお茶会は、もうすぐ終わろうとしていた。
「えっもうこんな時間ですの?」
ご令嬢の一人、エレナが慌てて懐中時計を取り出し、わざとらしく肩をすくめる。
「まだこの目に王妃様のお姿を焼き付けていないのに?」
ご令嬢の一人、エヴィがため息混じりに身を乗り出す。
「ちょっと何ぬけがけしようとしてんのよエヴィ!オリガ様を焼き付けるのは私よ!あなたはサンマでも焼いてればいいわ!」
エレナは机を叩いてエヴィに突っ込みを入れる。
「エヴィはその程度で満足できるの?ほほほ、まだまだね!私はオリガ様の香りをこの小瓶に詰めたわ!」
ご令嬢の一人、エリザは胸を張り、懐から怪しげな小瓶を取り出した。
「待ってエリザ!その小瓶を売ってくださらない?」
物欲しげにエレナが手を伸ばす。
「ダメよ!これは私の生涯の宝物なのですから!」
エリザは小瓶を抱きしめ、宝石でも守るかのように背中を向ける。
「ぐぬぬ……私も負けられないわ。オリガ様の身体中から溢れる光を浴びてやるわ!」
エヴィは拳を握りしめて立ち上がった。
「……」
お茶会が終わるまでずっとこの調子だったので、この頃にはアディは呆れ果ててもう何も言わず黙っていた。
「……まあ、楽しい時間が過ぎるのはあっという間ですね」
オリガがため息混じりに呟く。
「聞いた?!『楽しい時間はあっという間』ですって!名言だわ!記録係!記録して!そして世に広めるの、今の名言を!」
「ちょっと!何ボーッとしてるの??今のオリガ様の『……まあ』の部分を切り取って持って来なさい!!そして私の生涯の宝物にするわ!」
「それよりオリガ様の身体中から溢れる光をかき集めて!この小瓶に詰めてちょうだい!」
「ちょっとあんたらいい加減にーー」
暴走が止まらない令嬢達についにアディが止めようとした時……
「皆様、本日は楽しい時間をありがとうございました。麗しいお嬢様方と過ごせたこのひと時は私の宝物です」
「ぎょえー!オリガ様が……た、楽しいとおっしゃった……なんたる光栄……ぐふっ」
「ヒェー!私の宝物……おお、もったいない……グハッ!」
「ああああ!!なんて……神々しい……ガクッ……」
令嬢達は泡を吹いて同時に倒れてしまった。
「ちょっと大丈夫ですか!?」
アディが慌てて駆け寄ると、三人それぞれのお付きの侍女が出て来た。
「王妃様、アディ様、私たちの主人がすみません」
「このお嬢様方たち、いつもはこんな風に心は乱されないのですが……」
「王妃様があまりに魅力的だったもので、興奮され、ついにぶっ倒れたのだと思います。ここは我々に任せて、王妃様は先に」
「ええ、お嬢様方をお願いね。アディ行きましょう」
そう言うとオリガは身を翻してその場をあとにした。
三人のお嬢様方の名前をつけたしました。みんな「エ」で始まります。三人の侍女達も色んな意味で苦労してそうですね。
急に涼しくなりましたね。お身体に気をつけてくださいね!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




