貴族のお嬢様方
引き続きこういうのは序盤ですることじゃない?という疑問が溢れてきそうな話です。三人称です。
「はあ、やっとお出ましだそうよ。あのお嬢様」
「全くアルバ様の過保護にも困ったものだわ」
「でも此度はどのような風の吹き回しでしょう?まさかようやく私達の前を立つに相応しくなったのかしら」
「おほほ、ご冗談を。あんな小娘につとまるはずがないわ」
一足先に応接室についていた貴族の娘達は、オリガについて噂していた。アルバが頑なに出そうとしなかったお茶会に、この度ついに王妃が参加するという事で各々(おのおの)浮き足立っていた。
さすが貴族のお嬢様。庶民とは輝きと風格が違う。だがその瞳の奥には嫉妬と嫌味と、値踏みの目が光っていた。
「王妃様のおなりでございます」
アディの声にお嬢様方は全員振り返る。
その瞬間、それまで喋っていたお嬢様方は一斉に口を噤み、息をのんだ。
扉が開かれたその瞬間、背景が霞んでしまった!
オリガは、純白の絹の生地に波を思わせる金の刺繍が施されたドレスと、それに合わせた真珠の髪飾りと、波や太陽を模した金糸の刺繍が入った絹の靴という出立ちで登場した。
真珠が編み込まれた美しい金の髪は、まるで女神を彷彿とさせ、青い瞳が瞬きするたびに光を反射して煌めいていた。
陽光に照らされたその姿は、まるで天が祝福を授けたかのように輝いてーー
他の貴族の令嬢たちがいかに着飾ろうとも、その瞬間、彼女の前ではまるで影法師に過ぎぬことは誰の目にも明らかだった。
「な、なんと……お美しいのでしょう」
「おお、王妃様……」
令嬢たちは一転、先程は小娘などと言っていた口が、今はもうすっかりオリガのその宝石を散りばめたような眩しさに心を奪われている。
「これは私達が遠く及ばないのも頷けるわ」
「アルバ様にはずっと隠していただいていた方がよかったのかもしれない」
「アルバ様がオリガ様を見せたがらなかったのも納得ね、完敗だわ」
「……皆様、ご機嫌よう」
令嬢達がこそこそ耳打ちしあっているところへ、オリガがドレスの裾を開いてお辞儀をした。
ーーその瞬間、
「きゃぁぁ!!オリガ様が私達のためにご挨拶なさってくれたわよ皆様!この日を記念日に致しましょう!記録係!記録して!!」
「いやぁぁ!オリガ様の口から出る言葉はまるで宝石のようだわ!ちょっと誰か!今の瞬間を見た??絵に収めといて!この城の画家誰かいないの??」
「ひぇぇぇ!!勿体無い勿体無い!光が勿体無い!ちょっと誰か!オリガ様から漏れ出る光を集めてちょうだい!!」
「えっ??」
「ぶはっ」
オリガは困惑していた。令嬢のその様子にアディが思わず吹き出した!
と、同時にアディは先程までのお嬢様方の無礼な態度を知っていたので、胸がスカッとしていた。
(はっは!そうだろうよ!あんたらは逆立ちしたって、オリガ様の足元にも及ばないんだから!!)
オリガ様すげー!笑
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