こりない二人
前半はアディ視点で途中から三人称になります。
あのあと本当に『仲良し』し始めたらしく、お二人は部屋から出てこなかったんだけど……
「いや仲良いのはいいんだけどさ〜」
そろそろ巫女どもが来る頃じゃないか?
バラム国には毎年、「収穫感謝祭」というお祭りが秋に開催されるのだけど、今年もその時期が近づいている。
で、普段は俗世となるべく関わらない巫女も、国の一大イベントには毎年参列する。もちろん「収穫感謝祭」にも、漏れなく参加してくるわけで……
私たちが巫女どもを毛嫌いするのは価値観の違いもそうなんだけどさ、巫女どもにされて一番嫌なことは何と言っても……
「あのお二人の邪魔だけはしないで欲しいなぁ」
「あのお二人って、アルバ様とオリガ様のことですか?!」
「わぁレティ!!びっくりしたァ!あんた今日罰は?受けてないの?」
「もう!アディお姉様までルイスみたいなことを聞いてくるのね!失礼です!」
アディはしばらく考えた。
「……じゃあここに何しにきたの??ここはオリガ様専用の洗濯場なんだけど??」
「そう!それでここへ来たんです私!オリガ様のお召しものはさぞいい香りがするだろうし、その香りを嗅いでご利益を得ようと……」
「……あんた、段々発言が気持ち悪くなって来てるけど大丈夫?」
「もうアディお姉様!何が気持ち悪いものですか!?これを見てください!私この前ルイスと回廊で喧嘩している最中に見つけたんです!」
そう言いながらレティが見せて来たのはご丁寧にハンカチに包まれた布の切れ端だった。
「……これがなんなのよ。まさかあんた、これがオリガ様のお召し物の切れ端とか言うんじゃないだろうね?」
「えっ?違うんですか!?よく見てくださいよ!この布絹ですよ絹!絹なんて上等の物、オリガ様以外にこの城で着れる人なんていないわ!」
「はぁ……」
(レティは何を勘違いしてるのか……絹なんてバラム城を歩き回っている貴族たちもたくさん着ているのに……)
「……それで?仮にその切れ端の一部の持ち主がオリガ様だったとして何なのよ」
「はい!この切れ端だけじゃオリガ様成分がいまいち足りなかったので、このオリガ様専用の洗濯場で、オリガ様成分をたっぷり摂取しようと……」
「そんな馬鹿な理由が通るかァ!出て行けーーーー!!」
アディはレティを洗濯場から追い出したあと鍵をかけた。
「そんな!お願いお姉様!!開けて!ほんの少しでいいんです!!」
「レティ?お前そんな所で何してんだ?」
そこへ訓練から戻って来た新人騎士ルイスがやって来た。
「ルイス!ちょうどいい所に来たわ!この切れ端を見てよ!」
レティは喜び勇んで大事そうに包んだ布切れをルイスに見せた。
「なんだその切れ端は??」
「この切れ端、オリガ様のものに違いないのよ!」
「すげぇなレティ……お前もやるじゃねえか。実は俺も持ってんだ……アルバ様の靴紐」
そうルイスが言って同じく大事そうにハンカチに包んだ紐を出して来た。
「えっ!?アルバ様の!?すごい!やっぱり気が合うわねルイス!」
「だろ!?じゃあ二人で"アルオリ収集同盟”を結成しようぜ!」
「いいわね!!」
そうお互い言いながら二人は洗濯場の前で怪しい握手を交わす!
アディは頭を抱えながら洗濯場から出て来た。
「……ミイラ取りがミイラになるってこういう事!?結局あんたら二人まとめて気持ち悪いのよーーーー!!」
ついにアディの雷が二人の上に落ちた。
すみません楽しいのでこのノリしばらく続けさせてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。




