仲良しな二人
オリガ視点です。
「そういえば、なぜ私が危険だってわかったの?私の部屋からは執務室もアルバの部屋も遠いのに……」
「……なんでだろうな。オリガの叫びが聞こえた気がしたんだ」
『いや!いやよ!アルバ!!アルバーーーー!!』
「……実に不思議だ。一応カミラに見張らせていたのだが、カミラよりも早く聞こえた」
「もしかして、私のこの力のせいかな?」
「力?」
あ、そうだ。アルバには伝えてなかったんだっけ……
私は自分の故郷の一族のみが使える不思議な力についてアルバに説明した。
「へぇ……お前の一族にそんな力があったとは驚きだ。そうか、ハンナの時もその力が発動したのか」
「多分……私の感情が昂った時に、自分でもよくわからないんですけど……私の周りの動きがすごく遅く感じられるの。だからマテオに襲われそうになった時も、この力で、マテオの動きがすごく遅く感じられて……」
アルバは目を見開いた。
「なんと……その力はオリガを守ってくれたのだな」
「うん!それに私はハンナさんの時も言ったけど、もう守られているばかりの小さなオリガじゃないもの!」
(オリガ……)
「あの時とこの時とは話が別だろ。オリガ、お前は俺が守る。たとえ世界中を敵に回そうと……」
そう言ってアルバは私を抱き寄せて、キスをした。もう!アルバったらまたそんな歯の浮くようなこと……
「アルバ、私……」
「オリガ……」
「はいはい!失礼しますよお二人さん!」
「アディ!!」
私たちが甘い雰囲気になろうとした瞬間、アディが入ってきた。アルバは慌てて寝たふりをして、私は本を読むふりをした。
「お二人とも『仲良し』し始めたら長いですからね。今のうちに仕事を片付けないと」
「アディ……もっ、もう体は大丈夫なの!?」
「ええ?とっくに回復してますよ。バラムの人間は体力お化けが多いですから。自己治癒力も高いのだ」
そう言ってアディは腕の筋肉を見せつけてきた。
「よかった……」
「オリガ様こそ……よくご無事で。アルバ様が助けてくださったのですよね」
「そうよ。私の力が発動したのか、偶然だったのか、祈りが通じたみたい」
「オリガ様の……?ああ!例の隔世遺伝の!」
「私を守ってくれたこの力に感謝しなくちゃ……」
その時寝たふりをしていたアルバがみじろいだ。
「ではオリガ様、私はこれで失礼しますね」
そう言うとアディはあっという間に仕事を終えて洗濯物を抱えて出て行った。
「さすがアディ、見事ね」
「オリガ、こっちへ来てくれ」
私がアディの仕事の速さに感心していると、寝たふりをしていたアルバが手招きする。
「なぁに?」
「オリガ、お前を守ったのは俺と、オリガの力だろう?」
「……???」
「……なんでもない」
アルバが私を抱き寄せる。拗ねたような口ぶり。私何かしたっけ?
* * *
オリガ、お前は本当に可愛いな。
『私を守ってくれたこの力に感謝しなくちゃ……』
だが言えない、いつもオリガの前でだけは饒舌になる俺でも。
オリガを守ってくれたその力に、嫉妬したなどと……
平和ですねあはは(汗)
最後まで読んでくださりありがとうございました。




