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わがまま王妃の奮闘記!  作者: 杉野みそら
第十三章

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初めての夜

アルバ視点です。

米印以降はオリガ視点も少し。

 兵に命じてマテオを牢に叩き込ませたのち、寝所へ戻った俺は、オリガの傍らに座った。


 オリガは蒼ざめ、まだ震えていた。当然だ。服ははだけ、白い肌が顕になって痛々しい。マテオが何をしようとしたのか容易に想像できる。オリガ、こんなに震えて……怖かっただろう。


 俺は思わずその小さな体を抱きしめ、俺の外套をかけた。


「アルバ……怖いの……眠れない……」


 俺の胸元を掴み、声を震わせる。細い肩が震えるたび、胸の奥が締め付けられる。


「オリガ……」


 オリガの体を温めようとさすっても、氷のように冷たいままだ。


「……あの男が触れたところが、全部気持ち悪い」


 マテオの手が一度でも触れたという事実が、小さなオリガをこれほどまでに苦しめている!クソ……マテオはどこまでオリガを苦しめればいいんだ。


「アルバ。私、あの男が触れたところが全部、全部汚れてしまった気がするわ!」


 その言葉に、心臓を掴まれた。俺はオリガを抱き寄せ、耳元で強く言い聞かせる。


「汚れてなどいない。オリガ、お前は俺の宝物だ。お前の清らかさは決して揺るがん」


 けれど、オリガを抱きしめても震えは止まらない。涙は次々と頬を伝い、俺の胸を濡らす。


 耐えきれず、オリガは顔を上げて囁いた。


「お願い、アルバ……私を……あなたで満たして……髪も肌も手も、私に触っていいのはアルバだけなの!!」


 その瞬間、オリガが耐えきれず嗚咽をあげる。


「オリガ……そんな事はできない」


 あんなに怖い思いをしたのに。


「お願い、お願いアルバ……あの恐ろしい感覚を、あなたで全部かき消して!私に触れていいのはアルバ、アルバだけなの……ふぇぇ……」


 オリガのその必死な訴えと眼差しに理性が崩れ落ちた。


「オリガ!」


 俺はその小さな体を思わず抱きしめていた。

 

 守りたい。癒したい。俺だけの腕の中で、この恐怖を溶かしてやりたい。


「……わかった。オリガ。今夜、俺はすべてでお前を包む」


 唇を重ねた瞬間、彼女は嗚咽と共に俺に縋りついた。 

 

 その夜、俺たちは初めて一つになった。


 オリガは初め震えていたが、体の奥底から温かさが広がるのか、心も体も俺の腕の中で少しずつ溶けていくのがわかった。 

 

 恐怖と涙の中で始まったはずの交わりは、やがて確かな愛と安らぎに変わり、オリガの震えは静かに収まっていった。


 俺の腕の中で眠りについた彼女を見下ろしながら、決意が胸に宿る。 


 もう二度と誰にも触れさせはしない。 


* * *


 ああ、アルバ。やはり私に触れていいのはアルバだけ……


 マテオに見つめられた時は、胸の奥に冷たい刃を押してられたような恐怖に支配されていた。


 けれど今、アルバの腕に包まれると、不思議とその恐怖が砂のように崩れ落ち、代わりに温かな安堵が体を満たしていく。


 彼の肌、重なる唇、そして抱きしめられる安心感……すべてが新しく、甘く、心地よい。


 今夜、私たちは初めて一つになった。


 恐怖に震えた夜が、今は甘く穏やかな幸福に満ちている……


 もう二度と、アルバの元を離れたりしないわ。


* * *


 恐怖で震えていた小さな体は、今や温かさに包まれ、心まで解けていった一一

 

 初めて完全に安心できる夜……


 窓から差し込む柔らかな朝の光が、迷いや戸惑いを経てやっと落ち着きとぬくもりにたどり着いた二人を、静かに祝福していた。


100話目にしてやっと……ここまで来るのに長かった!笑

よかったね二人とも。


うまくいったと思えばまた下がったり、なかなか前に進めなかった二人に付き合ってくださりありがとうございました。


まだ少し続きます。


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